3-4.レイグランドの女王:ミレーリア(2)
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
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「我が国に貴方達と手を組むメリットないもの。そうですね?リオ―レア。」
リオ―レアはミレーリアの言葉に静かに頷く。
「はい。我が国は人族の様々な国々と国交を結んでおります。勿論、我々は人と魔族との戦い等には中立の立場を崩しておりませんが、魔王となれば話は別。魔王と結ぶ事はそのまま人族への敵対の意思を見せたと判断されてもおかしくないでしょう。貴方達にそこまでの価値は無いと判断いたしました。」
「ここまでは理解していただけたかしら?」
「承知しております。」
「理解した上で来ているのなら楽しめそうですね。」
そんなことは解っていると言うことを含めて回答する。
それを覆す策を持っているのだとわからせなければ終わりにされてしまう。
もし、『承知しました。』と答えていたら、、、言われて初めて理解するような者に時間を割く価値はないと言う事だろう。
しかし、のっけから回答を間違えたら即終了か、、、。
帰ったらゆっくり風呂に浸かりたいよな。
「まどろっこしいのは性分ではありません。まず、貴方達の目的から聞かせて貰えるかしら?」
ドストレートに聞いてくる。
「この国に私達の店を出させて頂きたいと考えています。」
「店?てっきり、支援や国交を結びたくって来られたのかと思っていましたが。」
「私がもしそれを望めば考えて頂けましたか?」
「まさか。その話が出た時点でこの場はお開きになっていた事でしょうね。状況と立場を正しく理解出来ない人と話をしても時間のムダですから。」
ミレーリアは楽しそうに口端を僅かにあげてニッコリと冷たい笑顔で口にした。
俺やアイリ、スターク老だけでなく、会議に参加している評議会幹部の面々までゴクリと生唾を飲み込んだ。
「まぁ、この王国で店を出してそこを交易の窓口にするのは別に珍しい事ではありません。普通に出店申請したらいいのてはないかしら?」
「通していただけますか?」
「魔王配下の店が通るわけありません。」
「なので、こうしてお願いに上がりました。」
「それはそうですね。ふふっ、私の質問が悪かったみたいです。ごめんなさい。」
謝りながらも楽しそうに笑っているところを見る限りは楽しんで貰えていそうだ。
「馬鹿な!ミレーリア陛下が謝って!」「謝罪、、、だと!」「陛下の頭が下がる所を見る事が出来るなんて!奇跡!!」「アルベルト様も中々。」「アルベルトぉ、ミレーリア陛下に頭を下げさせるとは!」「くそ!許さん!」
ミレーリアが頭を下げた事が衝撃的だったようで、会議室にどよめきが走る。
一部ミレーリア信者からは憎悪の目を向けられているが概ね反応はよさそうでよかった。
「でも、貴方達がこの国で商売を始めたところで巧くいくかしら?何のブランド力も、歴史も持たない店が競合と渡り合える程甘いマーケットではないわよ?」
「我らはあの名工ジルト翁を抱えております。様々なジルトブランドの魔動機をここで販売させていただきたいと考えています。」
「おお!!なんと!!あの、ジルト様の魔動機か!?」
評議会メンバーで最奥に座する若くて線の細い体つきの茶色短髪イケメンエルフが声をあげた。
「そう言えば、ラティス君って魔動機マニアだったわね。」
「陛下!私と言わず魔動機に興味のある者は多いですよ。勿論既にそのような商品を扱う店もありますが、粗悪品ばかりでして。ジルト様の魔動機であれば需要はあるかと。勿論、値段次第ではありますが。」
「子供達も魔動機には目がなかったな、カルナなんて特に色々集めてたわね。」
「女王陛下!ジルトブランドの販売店の一号店が我が国に出来るとなれば、各国への良い宣伝にもなるかと!!」
興奮気味にジルトの作る魔動機の良さを説明しながら俺の援護射撃をしてくれているが、ミレーリアが手を前に出してそれを制し、リオーレアが彼に向かって口を開く。
「ラティス議長。別に売って貰わなくても、彼らを滅ぼしてジルトを捕まえれば良い事ではないでしょうか。場所さえ分かれば容易い事です。一号店どころか、我が国がその利権を全て手にできます。」
「そうね。その準備も整いつつあるし。」
さらっと戦線布告っぽい事を告げてきた。
「な、なんで!!」
「うちとこの国では格が違いすぎるんだ。魔王の俺達と手を結ぶのは『今はまだ』デメリットしかない。それよりは倒して奪いつつ、人間国家に恩を売った方が良いということだ。」
思わず声を上げてしまったカケルに軽い説明をいれておく。
別にここまでは想定内だから問題ない。
というか、ここまで静かに話を聞いていられるなんて、この子達の力を見誤っていたな。
「いつか、メリットが生まれるのかしら?」
「聞いて頂ければ御理解頂けるかと。」
女王は少し考えるような仕草をする。
な、何か間違えたか?
「まぁ、良いでしょう。間違えたのはウチの子ですから。」
そう言いながらラティスを睨む。
「な、何か御座いましたでしょうか?」
にこやかにしているものの動揺を隠せず、冷や汗が首をったっている。
「一号店なんですね?」
しまった!!
ラティスの発言にミスがあったか!?
ただ、これは不問に伏すと言うことだろう、、、助かった。
ラティスも自分の発言にミスが有ったと理解し、良く見ないとわからない程度だけど体を震わせている。
「陛下、、、ラティス議長がなにか?」
評議会の一人が女王の言葉が理解出来ずに聞いてしまう。
「はぁ、、、。自分で気づけただけでもラティスはマシな方でしょうね。」
深いため息をついたあと、リオーレアさんに視線を動かす。
「ウチの子達も随分と小粒なんじゃないかしら?」
「た、大変申し訳ありません!」
慌てたリオーレアさんが深く頭を下げて謝罪する。
「いいわ、リオーレア。再教育は任ますよ?」
「畏まりました。今の失言をしたラティス議長を含めて全員。」
「頼みます。ラティス、繋がりを持つのは別にいいけど露呈した時点でこの場における貴方の価値は無くなったと理解してくださいね。」
「はっ!!大変申し訳ありませんでした。」
バッと立ち上がり、体を直角に曲げて頭を下げるが、ミレーリアはそれを無視して俺の方に顔を向け直すと、目をさらに細めて、眼光を鋭く尖らせて口を開いた。
「アルベルト殿の目的は理解しました。では、次にそれに見合うだけの我が国のメリットについて教えて頂けるかしら?」
よしっ!! 第一関門クリア!!
次が最大の難関だ!
正直、こんな序盤戦でラティスと言う駒を失う事になるとは思わなかったが、何とか首の皮一枚で繋がった!
「あ、そうそう。リオーレア、次の会議はリスケしなさい。このまま続けるわ。」
「完了しております。」
「あら?貴方が今生の別れになるかも知れないと言ったから、昨日無理やり時間を作って私室に招いたのに。貴方はアルベルト殿が失敗すると思っていたのではなかったかしら?」
なるほど、昨日の密会はそう言う理由だったのか。
てか今生の別れの会だったんだな、、、あれ。
「いえ、あの後にアルベルト様のお力を見誤っていたと痛感しました。ただ、未だ昨日は有意義な時間であったと考えております。彼らを滅ぼした後にジルトを捕らえ、人族に恩を売る事に勝るメリットを彼らが用意できるとは思えません。」
本人達を目の前にして、軽く言ってくれる。
「そう。なら良いわ。さ、続けましょう?さっきのはサービスしちゃうけど、この先はワンミス命取りだと肝に銘じてね?」
頷いて答えると、ミレーリアも嬉しそうに微笑み返してきた。
心なしか言葉から女王の色が薄くなってきている気がする。
まぁ、本来なら俺がラティスの失敗の時にすべて終わっていたのだろうから、かなり甘い査定をしてくれてはいるか。
ラティスと裏で繋がった以上、彼の失敗は俺に返ってくるべきだがそれはノーカンにしてくれた。
心の中で、今ここにいないカルナに対して感謝をしておく。
さぁ、始めようか!第二ラウンドだ!
まだ、暫くはホノボノとした旅やバトルが続きます。
でも、粗筋にかいている『その時』は刻一刻と近づいています。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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