3-2.カルナの母:ミレーリア(2)
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
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「こ、子作り!?」
さすがのアイリでも動揺を隠せない様子だ。
「お、お、おま、おま!」「え!私達、、、」「こ、子作りとは、、、」
「子作り楽しいのかにゃ!?ウェンディも子供欲しいにゃ!ウェルカムにゃ!」
カケルとシルフィが何かいけない事が始まる予感にあわてふためく中で、ウェンディが反応を間違えてしまってる。
ウェンディの発言が耳に届いてしまったのか、ミレーリアが目を光らせてニヤリとして見せた。
「ほぅ、、、いいでしょう!では特別に三人で!」
「良くありません!!」「だ!ダメに決まってるだろ!」「ちょっと!ウェンディちゃん!」
速攻でアイリが否定し、子供二人があたふたと慌て始める。
良く理解せずに無邪気な反応である事は解っているがウェンディのは不味い。
アイリにそっち方面の教育もしてもらわなきゃだな。
「って貴方はまだ子供じゃないの?」
そう言って、じろじろと紅蓮隊の三人を舐め回す様に見てから、厳しい表情を俺に向けた。
「アル! 貴方が産ませた子達ね!? 相手はアイリ? 一応、女王なんだしさ、立場的に最初に孕ませるのは私にして欲しかったのだけれど?」
「わ、私の子じゃないですよ!」
アイリと俺でどうやったら猫耳や鬼人の子を産めるというのか、、、てか年齢的にあり得ないだろう!
「あら!貴方達まだだったの?それとも、やってはいるけど出来ないだけ?」
平然と聞いて来る女王にアイリは顔を赤らめて黙って俯くしか出来なくなっていた。
「ははぁん、まだ、、、なんだ?」
そのアイリの様子を見てニヤニヤとこちらを見てくる。
くそ!相変わらずのドエロセクハラ女王め!
「女王陛下、お戯れはその辺に。」
腰の辺りまでストレートに伸びた深いブルーの長い髪を揺らしながらお茶やお菓子の乗ったトレーをテーブルの上に運んできたリオーレアさんが見かねて女王を止めてくれた。
「え~!良いじゃんか。久しぶりなんだしさ。」
スパーンッ!!
室内に小気味良い音が響き渡る。
「いった~い!!何するのよ!リ~ア~!」
「子供の前でする話ではありません。子種を貰う話をするのは後にしてください。」
「はぁーい。」
「常識というものをわきまえて下さいね。」
隣で淑やかに控えていた侍女のリオーレアがハリソンをパンパンと鳴らしながら嗜める。
いや、お前はお前で何かおかしいからな!
子種って!あげるつもりもないし!
「それよりも皆さん、お掛けください。お茶やお菓子も御用意しておりますので。」
リオーレアさんに促されて、リビングの大きめのソファーに腰掛ける。
テーブルを挟んで正面にリオーレアさん。
そして、、、俺と向き合う様にして俺の膝の上に女王が座る。
不安定な体勢になり女王が後ろによろめいたので、罠と知りつつも彼女の背に手を回して受け止める。
「はい、情事座りかんせ~い。」
恋人達がするような密着してみつめあう形になった所で見せる女王のしたり顔がムカつく。
「ところで、今日はカルナ様は御一緒では無いのでしょうか?」
それを無視してリオーレアさんが聞いてくる。
当然俺達の仲間になっているだろうと思っているようだ。
「その前にリオーレアさん的にこれはOKという解釈でしょうか?」
まず、やるべき事が有るでしょう!?
リオーレアさんは燐とした表情のまま俺とミレーリアを足元から頭迄見渡した。
「まさか!今やっているのですか!?」「「やってません!!」」
俺とアイリが食い気味に答える。
「あぁ、なんだ、、、では問題ありません。」
リオーレアさんは下らなさそうに答える。
もう、この国の人に期待するのはやめよう、、、。
「カルナかぁ、あの子がいたらもっと遊べるのに。」
「王家で唯一の貴重な常識人ですからやめて下さい。」
爽やかに微笑みながら語るリオーレアさんの、笑顔が少し怖い。
しかし、、、それにしても。
「じ、常識人、、、ですか?」
思わず俺まで失礼な事を言ってしまう。
アレで唯一の常識人とか、カルナの兄妹には会ったことが無いがどうなってんだ、、、。
「こんな恥ずかしい親を持って、何故あのように僅かとはいえ常識と羞恥心を持って育つ事が出来たのか。女王の『私』の顔を知る者はカルナ様をレイグランド王国の奇跡と称しております。まぁ、頭の出来は親に良くにてしまったようで残念ですけど。」
女王を指さしてこんな親呼ばわりし、王女共々残念と評価するお前もやっぱり何かおかしいからな!
「カルナ様とは魔王になった折りに離れました。私自身が逃げる事で精一杯でしたし。」
あの状況で仲間に今後どうするか確認する余裕は無かったからな、1人だけ明らかに魔王として俺を倒そうとしていた人がいたし。
「それに、カルナ様の夢は勇者の従者になることです。今の私ではその夢は叶えてあげれませんから。」
「魔王になったからってこと? 貴方は相変わらず自分に向けられる想いには鈍感なのね。母親としてはヤキモキしちゃう。」
「ヤキモキする前に母親らしく振る舞って下さい。」
『私』の時のこの人に女王としての振る舞いは求めない。
「あら、長寿な代わりに生殖能力の低いエルフの女王なのだから私は普通よ、普通!子供が出来にくい種族なんだしさ、王家の血筋を絶やさない為に私も一生懸命なわけ!」
「えっと、、、カルナ様って。」
「第四王女となります。さらに下に第六王子までおります。」
「十分過ぎる、、、」
「こっちは五百年でたった六人よ?年単位でポコポコ産んじゃう人属に言われたくないわ。」
子を産む間隔の話では無く、普段の振る舞いの話だった筈なのにいつの間にか話のすり替えが行われていた。
間隔の短さで言えば確かに寿命の短い人属の方が遥かに短期間だから反論しにくい、巧く誘導されてしまったか。
あぁ、女王のドヤ顔がムカつく。
「ねね、魔王になってからどうしてたの?」
ミレーリアが俺の近況を聞いてきた、この場で全て話すつもりは無いが、エンギ村に身を寄せたことや鬼人を支配下に置いて支配地域を増やした事などの当たり障りのない部分は伝えておいた。
「あー、その子、、、カケル君だっけ?紅蓮族の族長代理のカグヤさんに産ませた子?」
カケルは口をパクパクさせていたが、このセクハラ女王はそうやって俺達をオモチャにしたいだけなのでスルーしておく。
しかし、この人はいったいどこまで知っているのだろうか。
「ミレーリア様、そろそろ評議会の会議の御時間です。」
「あら、楽しい時間って本当に直ぐに過ぎてしまうわよね。会議はあんなに長く感じるのに。」
ミレーリアはぴょんッと俺の膝から飛び退くと、リオーレアさんの隣に座って姿勢を正した。
その表情に女王陛下の顔が宿る。
「じゃあアル、今日は面倒臭いこと抜きに話が出来て楽しかったわ。明日はもっと楽しい話を聞かせて頂戴ね?朝一で宿に迎えをやるから。」
「はい、宜しくお願いします。」
「ええ、楽しみにしています。では、後の事はリオーレアに任せます。下がりなさい。」
リオーレアさんが立ち上がり、部屋のドアを開く。
俺達も女王陛下に一礼をして、リオーレアさんに続いて部屋を出ようとした。
「アル!」
呼ばれて振り向いた時、ミレーリアは再びいたずらっ子の顔に戻っていた。
「今度はカルナと一緒に来て頂戴。親子丼をご馳走してあげるわ。」
くそ!これは一体どっちの意味で言ってるんだ?
罠だ、どっちの意味で返しても女王陛下のオモチャにされる。
既にしてやったりというドヤ顔を向けて来る女王がウザい!
俺がモヤモヤした気分に苛まれていると
スパーンッ!!
リオーレアがハリセンを投げつけ、巧い具合に音がなった。
「いった~い!御飯の話しただけじゃないの、リーアは何の話だと思ったのかなぁ?や~らし~い。」
この親を見ていると、あのカルナでさえ、子供っぽいところがありつつも十分にマトモに育ったのだと言う事がわかる。
「私の耳に下品に聞こえたなら、それは下品ということです。わかりましたか?」
「は~い。」
シュンとなって沈むミレーリア。
さすが、長年このセクハラ女王の側近を務めているだけあって強い!!
「で、では失礼します。」
再度、女王に向かって礼をして廊下に出る。
「いつかはカルナも抱いてあげてよね!」
部屋の中から聞こえた声を無視してリオーレアさんと共に屋敷を後にした。
さて、女王ミレーリア陛下との謁見は明日か、、、。
やはりあの人は苦手だ。
いきなり、最初にペースを乱されてしまった。
明日に向けて気持ちを切り替えておかなきゃ潰される。
俺が苦手なのはカルナの母親ミレーリアではなく、レイグランド王国女王ミレーリア陛下その人なのだから。
そして、常にその近くにあって的確な判断を下す、希代の名宰相リオーレアも当然同席するのだろう。
やはりキリキリと痛む腹を抑えながら、頭の中で明日のシミュレーションを始めた。
まだ、暫くはホノボノとした旅やバトルが続きます。
でも、粗筋にかいている『その時』は刻一刻と近づいています。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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