1-4.勇者から魔王に転職したのでウチの奴隷に狙われてます。(3)
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趣味で書きなぐっていた小説を改めて書き直して投稿してみました。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、
楽しんでもらえるように頑張ります!!
応援、よろしくお願いします。
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2018/04/17 すいません、アイリの口調を普通にします。
俺達は帝都近郊から最も国境が近い北側へ抜け、巡回兵と出くわさないように、深い森の中を進んでいた。
地図を見ても、大きな空白に「ローグヘッドの森」と書き込まれているだけで、細かい説明は一切ない。
鬱蒼と生い茂る木々が夕陽の光を遮り、不気味さが倍増する。
辺りを照らす魔法を使って視界を確保しないと前に進むのが難しくなってきた。
フェンリルは実に半日以上も猛スピードで駆け抜け、国境を抜ける所まできてくれた。
だが、その魔力を提供しているアイリはかなりつらそうだ。
「アイリ、今日はこの辺りで休もう。適当な所で下ろしてくれ。」
「は、はい。」
少し開けた場所に出た処で、ここまで運んでくれたフェンリルを労い、召喚を解除してもらった。
帝国も他国の領土侵犯まで犯すつもりはないだろう。
辺りで一番の巨木の下に移動して、野営の準備を始める。
アイリは影空間から回収した荷物をばら蒔き始めた。
「うんしょっ!」と馬を影から引き上げている姿には若干引く。
見るからに怯えている、、、お馬さん、ごめんね。
荷物をすべて持ってきてくれたおかげで、キャンプセットもそろっている。
あんな状況で飛び出したにしては中々快適だ。
食糧は十分にあるが、この先どうなるかわからないのでパン、ベーコン、紅茶という夕食にしては質素な食事で我慢する。
「しかし、影使いってなんでもありだな。」
アイリが取り出してくれた荷物や馬をみてしみじみと思う。
勇者は他のクラスに転職ができない。
(最も今日、人生初の転職をしてきたところなのだが、、、魔王に、、、)
だから、俺は絶対に影スキルを手に入れる事が出来ない。
「え?」
「影空間てなんでも、いくらでも保管できるのか?」
「どこまで入れれるかはわからないけど、入れれるものに制限はない、、、と思います。」
まぁ、実際には試してみなきゃわからないと言った所だろう。
「これまで使ってこなかったのは?」
「馬車があったので。だから私の、おやつとかの隠し場所にしてました。」
おやつって。。。
「俺も入れるのか?」
直ぐに「たぶん」という答えが返って来ると思っていたが、「うーん」と難しそうに顔をしかめて考え始めた。
馬がいけて俺が駄目な道理が無い筈なんだが?
「あー、、、えっと、、、でき、ます。」
ん?
「出来ると思うじゃなくって、出来る?」
まさかとは思うが、答えが断定系なのが気になった。
「前に夜番で盗賊に襲われた時に、寝ている御主人様達を起こしたくなくって、影の中に移動してもらいました。」
帝都で感じた嫌な予感的中。。。
「は、初耳だ。」
そういえば、朝起きたら夜番組が激しい戦闘の末に盗賊の一団を捕獲していた事があったな。
夜番組が戦っている中でぐ~すか寝続けた自分に腹が立って、、、あの時か!
「その後、一緒に夜番してたグラナドとカルナに凄く怒られてしまいました、、、」
「だから俺には怒られたくなくて黙っていたわけか、しかし、、、」
それが出来るのと出来ないのとでは、戦闘における戦略の幅が大きく変わる。
グラナドがそこに気づかない訳がない。
考えられる封印理由としては。
「リスクは?」
「あたしの影空間には誰も干渉出来ないんです、だから中に入っている間は荷物、自由に動けません。一人では出ることはできません。」
「影スキルや影魔法を持っていてもか?」
「はい。影空間は使用者の固有空間ですから。」
「影の中にいる間に術者が死んだり影スキルを何らかの理由で失ったらどうなる?」
「影空間と一緒に消滅しちゃう、と思います。前列がないからわからないけど。」
なるほど、グラナドが怒った理由はそこか。
放り出されるだけなら使えるが一緒に消滅だとリスクが高過ぎる。
術者の安全を100%保証出来ないと厳しい。
「1点ものの貴重なアイテムや装備を入れるのも止めた方がいいな。」
戦闘中には取り得ない選択肢だ。
「お、怒ってますか?」
アイリが不安気に見つめてくるので、頭をわしゃわしゃと撫でてやった。
「怒ってない。でも指示なく影に生き物を入れるのはやめよう。やらないと確実に死ぬような場合を除いて。」
リスクは高いが究極的な場面では取りうる、今知っておけて良かった。
「はいです!」
怒られないとわかったからか、元気よく手を上に伸ばして答えてくる。
それにしても、、、
最悪はこの場でアイリとの戦闘も覚悟していたのだが、やはり襲って来るつもりは無さそうだ。
そうなるとやはりわからないのが帝都での追いかけっこの理由だ。
「アイリ、もう俺を捕まえる気は無いんだな?」
「勿論です!あの時は御主人様を守る為に捕まえようとしたんです。本当ですよ!」
「ま、守る?」
俺は帝都での追いかけっこを思い出す。
「ま、守る?」
大事な事なので二回言う。
「です!御主人様が魔族になったから皆から狙われるなら、あたしの使い魔になっちゃえば狙われなくなるかなぁって。」
自信満々に腰に手を当ててドヤ顔で頷くアイリ。
俺はそんなアイリを手先でチョイチョイと自分の近くに呼び寄せる。
褒められると思ったんだろう、嬉しそうにピョンと俺の目の前に跳ねてきて、撫でてくださいと言わんばかりに頭を突き出してきた。
おもむろにアイリの”こめかみ”に拳を当てる。
グリグリグリグリグリグリグリグリ!!
「いた、いたい、御主人様いたいですぅ。」
捨てられた子犬のような目で俺に訴えかける。
「今後、何かをするときには必ず俺に相談するように!」
「ごめんなさい。」
シュンとするアイリの頭をクシャクシャと撫でた。
今度は一気に顔が紅潮して嬉しそうに目を細める。
「さて、俺が先に番をするから、今のうちにしっかり休め。」
「はい。」
限界が近かったのだろう。
素直に取り出した毛布にくるまって横になると程なくして可愛い寝息を立て始めた。
俺はその間に辺りに防御結界やトラップを仕掛けておく。
最後の結界を張りに巨木の裏手に回ったところで異変に気づいた。
「なんだ、あれは?」
ぼろぼろの服をみにまとった少女、の死体?
10歳くらいだろうか、人間の子と、、、もう一人は、半獣、猫耳族の子か。
こんな少女が二人きりで、どうしてこんなことろに、、、
本当に微かにネコ耳の子の指が動いたように見えた。
いや!違う!生きてる!?
俺はすぐ彼女達に駆け寄り、反対側のキャンプまで運んだ。
この先のストーリーを大きくいじった為に
アイリの喋り方は普通に戻す事にしました。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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