2-18. カケル君の受難(4) 結成!!僕たち紅蓮隊☆ 後編
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
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2018/05/20 精霊魔法⇒精霊魔法:シャイン
「カケル!」
カケルに向かって投げつけた刀がカケルとヴォーグの間に突き刺さると、カケルは刀に向かって走り刀を手にすると、そのままの勢いでヴォーグに対して突進する。
ヴォーグは反応が遅れたウェンディを強打しようと体を起こして右前足を大きく振りかぶっている。
「にゃっ!!」
避けきれ無いと感じて防御の姿勢を取るが、その攻撃が放たれることはなかった。
ギャンッ!
カケルが無防備になった脇腹に刀を深く刀を突き刺し、ヴォーグは大きな悲鳴を上げながらその場に倒れ込む。
直後に、カケルを睨み付けながら前足で払うように攻撃をし、カケルを大きく弾き飛ばす。
「くぅっ!お前の攻撃なんか当たっても痒くも無いぞ!《挑発》」
回避行動が遅れたカケルは刀で攻撃を防ぐが体格差も有って大きく飛ばされたのだが、吹き飛びながらも、どこかで聞いたような台詞で《挑発》でタゲを取り返している!
カケルはいつものように腹の柔らかい部分を突いたのだが、ヴォーグの筋肉に挟まれて抜きづらくなってしまい防御姿勢が遅れたようで、青白く光っていたファランクスが黄色い色を帯び始めた。
「影鉄砲にゃ!」
倒れ込んだヴォーグの腹の正面に回るとウェンディが鉄砲を乱射する。
カケルもヴォーグの隙を突いて腹に向かって突きを連打している。
シルフィはヒーラークラスの初期攻撃魔法なら撃てるはずだけど、攻撃には参加せずに強化魔法の掛け直しと回復を撃ってからは待機しているので、ヒーラーは攻撃に参加しちゃいけないとか思っているのかもしれない。
今のチャンスでかなりの体力を削れたらしく、再び立ち上がったヴォーグだが足がふらついていて、あとひと押しだとわかる。
「もうちょっとだ!!いくぞ!!」
「押せ押せにゃ!シルフィ!押せ押せにゃ!!」
「は!!はい!!」
3人も目の前の敵の限界を感じとったのだろう、シルフィを含めた全員がヴォーグの腹部目掛けて突撃を開始した。
「でやぁぁぁ!!」
「《影鉄砲》!!連発するにゃ~~~~!!」
「精霊達よわたしの敵を倒して。精霊魔法:シャイン」
怒濤のラッシュがヴォーグを襲う、体を捻らせてながら攻撃を受け続けるヴォーグの動きがみるみる鈍くなりついには、立っている事が出来なくなっている。
「とどめ!!」
カケルが大きく踏み込んで体全体でヴォーグに刀の切っ先を突き出した。
グガァァァァァァッ!!
ヴォーグが残った力を振り絞って左前足でカケルの攻撃を払いのけた。
「ガハッ!!」
「キャッ!!」
完全に油断していたカケルが側面から無防備に横殴りの攻撃を受けて弾き飛ばされ、ウェンディに衝突する。
二人の《ファランクス》が互いにバリバリと反発して激しく火花のような光を散らし、バリアが赤い光に変わっていた。
残耐久度が限界に達している証拠だ。
「ヤバイかも。」
「精霊達よ敵を倒して。精霊魔法:シャイン」
俺が彼らが危険な状態になった瞬間に救出が出来るように立ち上がったのとほぼ同時に、シルフィの精霊魔法がヴォーグに命中した。
ヴォーグは一度頭部をグイっと上にのけぞらせてから『ズシンッ!』という地響きと共にその場に倒れ込み、ゆっくりと力尽きていった。
「や、、、やった?」
「お、おわったにゃ?」
「みたいです、、、ね。」
3人は暫く呆然と目の前に佇む強者の遺体を、突然動き出さないかと警戒しながら見つめ続けている。
そして、少しずつその厳しい表情が緩み始め、ついに喜びの色を帯び始めた。
「やった~~~!!勝った!!勝ったぞ!!喰われなかった!!」
「倒したにゃ!!ウェンディ達の勝ちにゃ!!」
「なんとか勝てました。」
3人集まって、お互いの手を叩き合いながら大はしゃぎをしている。
勿論、バリアが無ければもっと早い段階でヴォーグの餌になっていただろうし、完璧な勝利からは程遠く反省点は山のようにあるけれど、今日は目いっぱいに勝利の美酒に酔いしれさせてあげようかな。
俺はそんな事を考えながら3人の所に歩み寄るのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
3人にはシャワーを浴びさせて、その間に昼食の準備をする。
先行して入国手続きの予約に向かったアイリもそろそろ戻ってくる頃だろう、少し予想よりも時間が掛かっているのが気になるが、俺とアイリは初めての入国でもないし、この国は人とも魔族とも交流があるので俺の身の上でも大丈夫、、、だと思う。
何よりも王族であるカルナとの勇者時代の繋がりを持っているし、門前払いにはならないと思う。
「ま、また僕と、、、パーティ組んでくれる、、、かな?」
食卓で昼食の準備を待っているカケルが、恥ずかしそうに、そして不安気に口を開いた。
「当たり前にゃ!!ウェンディ達はずっと一緒にゃ!!」
「わ、私も二人ともっと強くなりたい、、、な。」
考える時間もなく、快諾する二人。
「じゃぁ、今後は3人チームで修行するか。」
元々、俺からもそんな提案をするつもりだった。
本当はもうちょっとカケルのタンクスキルを向上させてからにするつもりだったんだけど、こんな成り行きに乗っかってみるのもいいだろう。
「「「やった~~~~~!!」」」
立ち上がり小躍りしながら喜んでいる子供達の姿に頬が緩む。
初めてのPT戦闘であれだけしっかりできていたんだから、この3人の相性はよさそうだしね。
「リーダーは誰にするんだ?」
PTを組んでPT戦闘の練習もしていくなら、そのリーダーは決めておいた方が良い。
シルフィは大人しくて、どちらかというと引っ張ってもらいたいタイプだろう。
先頭に立ってグイグイ引っ張っていくのは、カケルかウェンディのどちらかかな。
「カケルにゃ!」
「わ、私もカケル君でいいと思います。引っ張ってくれそうだし。」
二人がすぐにカケルを指名する。
ウェンディなんかは自分も手を上げるのかもしれないと思っていたいので少し意外だった。
「任せてよ!!二人は僕が守るよ!!」
二人からリーダーに指名されて、子供らしくあからさまに喜ぶカケル。
ウェンディとシルフィがニンマリと笑っている所を見ると、事前に二人の間で既に調整されていたようだ。
多分、ウェンデイからかな?
カリスマ性と責任感を持つカケルをリーダーに、これまでにも意外な戦術性をみせてきたウェンディ、控えめだが芯の強いシルフィとかなり理想的なPTが作られたんじゃないだろうか。
「んと、チーム名は何にしましょうか。」
シルフィが不意にそんな事を口にする。
「「チーム名!?」」
二人の目が爛々と輝く。
「お肉食べ隊にゃ!!」「「却下で!!」」
ウェンディは自信満々に出した提案が、瞬時に却下されて落ち込んでしまった。
「シルフィは何かある?」
何か言いたそうにしていたカケルには悪いが、引っ込み思案なシルフィにも発言のチャンスを与えておくべきだと思って、そんな事を聞いてみる。
物静かなのは美徳だが、行き過ぎて自己主張が出来ないのはPTにとって害にすらなり得る。
例えば、PTが何らかの課題を持った時、シルフィだけが気づいたり解決策を持っていた場合に発言できないようだと、それがPTを危機的状況に陥らせたりする。
「わ、わたしはカッコいい名前が思いつかなくって、、、」
シルフィがチラリとカケルの方に視線を送ると、カケルはそれに気づいて少し俯きながら、細い声で自分の案を口にする。
「じゃ、じゃぁ、、、紅蓮隊とか、、、ダメかな?」
「良いにゃ!!」「カッコいいです。」
自身の紅蓮族から取った名前だから、全く関係のない二人に対して遠慮がちに提案したのか。
普段の俺に対する発言から、もっと自己主張の強めな性格かとおもっていたんだけど、ちゃんと相手に対する遠慮と言った気持ちを持っているみたいだ。
「アル様!!ウェンディ達は今日から紅蓮隊にゃ!!」
「あぁ、わかった。今度からPTで訓練しような。紅蓮隊、よろしく頼むよ。」
「「はい!!」」、「うん!!」
3人は力強く手を上にあげて宙で合わせる。
「今日から僕たちは魔王軍の紅蓮隊だ!!一緒に頑張ろう!!」
「はい!!」「にゃ~!!」
こうして、後に世界にその名を轟かせるアルベルト魔王軍第一軍団:紅蓮隊は、3人の子供の手によって創設された。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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