カケルSS:尊敬と感謝と嫉妬と怒り
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
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2018/05/15 <修正>カケルは基本的に「ぼく」っ子です。まだ、今は。
魔王がねぇ様と宴会場を抜け出した!?
アルベルト達の宴の様子が気になって、ねぇ様の言い付けを破って宴会場を覗きにきた。
そこで部屋から出てくるアルベルトと、その後ろを静かについて行くねぇ様を見てしまった。
アルベルトに道を教えながら二人で進んでいく。
「あ、あ、あ、あいつ!ねぇ様に何かしたら許さないからな」
僕は二人の後を付けて行くことにした。
ねぇ様が案内する先、、、え!?ね!ねぇ様!?
そっちにはねぇ様の寝室が!
心臓がドグドクとものすごく早くなる!
息も苦しくてモヤモヤする。
何でかは、わからないけど、、、何か、、、。
そう!ねぇ様を失ってしまう様な!
そんな恐怖が僕を支配する。
だ、男女が一緒に寝るなんていけない事なんだ!
僕は、我慢できずに背中に背負った木刀に手を掛ける。
今殺らなきゃ一生後悔する!
勝てる勝てないじゃない!殺るんだ!
僕が飛び出そうとした瞬間!
突然足元から伸びた手が、僕の体を地面に引きずり込んだ!
「うわぁっ!!!な、な!なんだ!?」
「うるさいにゃ!静かにするにゃ!」
パニックに陥る僕を叱りつけたのは魔王と一緒に攻めてきた猫耳の女の子だった。
シルフィとか言う人族の女の子もいる。
シルフィは隣で聞き耳を立てながら誰かと会話しているみたいだ。
「特別任務の邪魔するにゃ!」
「と、特別任務?」
「様子がおかしかったらアイリ様に報告するの。」
シルフィが詳しく話してくれたけど納得いかない。
「様子がおかしかったらって?」
「「え!?えっと、、、それは」」
二人は必死に、考え混むが具体的に何が『様子がおかしい』に当たるのかはわかっていないみたいだ。
僕に言わせれば、すでに様子がおかしいんだけど!?
でも、、、僕は二人に向かって手を差し出す。
「協力は出来そうだ。」
二人も僕の手をとり三人でニヤリと笑う。
「ところでここはなに?」
「ウェンディの影の中にゃ!影隠れって言うスキル!」
「!?」
凄い、、、目の前の頭の悪そうな女の子、ウェンディは僕と年は変わらない筈なのに、もうそんなスキルを使えるのか!
僕は、ねぇ様を守る守ると言いながら、一体何をして、何が出来るようになったんだろう。
「僕には何もない、、、」
「で、でもでも。アル様の弟子にしてもらえたなら、きっと強くなれるよ!」
シルフィが僕を慰めてくる。
その時、影の外からねぇ様の声が聞こえてくる。
ねぇ様の声だ!、、、けど、少しだけ暗い声だ。
「1本角のカケルでは次期としては力が足らない為に箔を付けて・・・」
「、、、」
僕は、分かりきっていたことをねぇ様の口から聞かされる事になった。
その先は聞かなくてもわかる。
ねぇ様が僕に期待していないこと位知っている。
魔王だって、僕に期待して弟子にした訳じゃない!
強くしてやるなんて、恩着せがましい事を言っておいて。
次期の僕を魔王の弟子にして悪い事を考えているに違いないんだ!
僕をダシに使って、ねぇ様を手にいれるとか。
くそっ!くそっ!何で僕はこんなにも弱い?
道具にされてばかりで情けなくて悔しい。
でも、1本角の僕じゃ、、、何も出来ない。
僕が目を背けようとした瞬間に、背中がゾクリとした。
「にゃ?」
「どうかした?」
「な!魔王威圧!?」
多分、ねぇ様にしか効果が出ていないが、これは確かに今まで何回か感じたあの恐怖だ!
あ、あいつ!ねぇ様に何をする気だ!
飛び出そうとした俺の手をシルフィが掴んで止める。
「何だよ!離せ!ねぇ様を助けなきゃ!」
「駄目!アル様は優しいから!絶対だよ!」
何を言いたいのかはよくわからない。
だが、おかげで魔王の次の言葉が聞こえてきた。
「えっ!?」
い、今、、、あいつ何て言った?
聞き違い?
いや!確かに、、、聞こえた。
『俺は見込みの無いものを弟子にしない!』
心に電撃が走る。
だ、だって僕は1本角だから、強くなれないって、、、
『俺が鬼人の中で、いやこれまでに弟子にしたいと思ったのはカケルが初めてだ!』
だって、僕のせいで皆が出ていったって、、、
くそぉ、目が滲んでくる!
胸の辺りから何かが、とめどなく湧き上がってくる。
「くそぉ!!ひきょうだ!」
認めてもらえた!
はじめて、、、僕を認めてくれた。
思いも掛けないタイミングで。
思っても見ない相手から認められた。
今まで誰も僕に期待してくれなかった。
父様も、母様も、ねぇ様ですら。
僕はみんなの足を引っ張ってばかりで要らない子。
そんな事自分だって理解していた、僕は駄目な子なんだって。
わかって、認めた筈なのに!
魔王の言葉が、、、何でこんなに嬉しいんだよ!
拭いても拭いても涙が滲む。
認められるって、、、
こんなに嬉しいものなんだ。
俺が懸命に涙をぬぐう中、魔王が部屋に戻ろうとして足を止める。
そして。
『これまで、辛いなか一人でよく耐えたな。』
「!?」
僕は勘違いをしていた。
僕が知っているのは、何でも出来て、頭も良くて、美人で、皆からも信頼される完璧なねぇ様。
でも、ねぇ様も本当は不安で辛くて、泣きたくなるのを我慢していたんだ。
だって、ねぇ様の顔は、今の僕と同じ。
ようやく認められた喜びと、ホントの気持ちで溢れているから。
僕はどうしたらいい?
初めて認めてくれた人と、これまでずっと守ってくれていた人の為に僕は何をしたらいい?
答えなんか決まっている!
「なぁ、、、教えて欲しいことがあるんだけど。」
僕は、シルフィを通じてアイリ様から臣下の礼を教えてもらった。
そして宴会場に入ると、為すべき事を宣言する!
「1年!!1年でみんなに認めてもらえるようになって帰ってくる!」
それに対してミヤビが、父様でさえ倒せなかった魔獣を倒せと言ってくる。
ミヤビが1本角の僕を下に見ていることは知っていたから意外じゃない。
だけど、、、少しだけ不安になってアルベルトに視線を動かす。
(1年でそんなに強くなれるかな?)
それに気づいたのかアルベルトが目で応えてきた。
多分、(聞かなきゃわからないのか?)ってとこかな?
アルベルトの自信に満ちた視線が、僕の不安を吹き飛ばした。
出来る、出来無いなんて選択肢はない!
最初から答えは決まっていたんだ。
「出来る!!あの魔獣!!1年後に僕が父の仇を獲って首領となる!!」
そうだ、他にどんな道が用意されたとしても、やり遂げる意外の道は無いんだ!
「カケル、、、」
ねぇ様が不安そうに僕を見つめる。
僕がもう一度、声を掛けようとした時にそれは起きた!!
「!?」
アルベルトがねぇ様の、あ、足を!!
膝の辺りだけど、、、ねぇ様の肌にさわった!!
それに、、、。
ねぇ様のアルベルトを見つめる視線が、、、何だか僕の心をモヤモヤさせる。
き、今日だけだ!
今日だけは、ねぇ様にさわる事を許してやる!!
僕は初めて見るねぇ様の、、、女の子の目をこれ以上見たく無くて、もう一度深く礼をしてその場を去った。
アルベルトに対する、尊敬と感謝、、、そして嫉妬と怒りを胸の中に隠して。
チキンは相変わらず。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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