2-13. 魔王様の憂鬱!(13) ウェンディとシルフィの秘密
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
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カケルを連れて戻ると、一際大きな屋敷の入口でカグヤとアイリ達が楽しそうに談笑していた。
俺達が近づく迄気づかない程楽しそうに話をしているのを邪魔しちゃ悪いか。
でも、いきなり良好な関係を築きはじめているみたいでよかった。
配下同士の仲が悪いと、上に立つ人間が苦労するのは目に見えてる。
「あっ!!御主人様おかえりなさい。」
「アルベルト様、おかえりなさいませ。」
アイリが気づき、続けてカグヤが深くお辞儀をする。
「あ~、毎回そんなに他人行儀にしなくてもいいよ。後、俺の事はアルでいいからね。」
「はい。アルベ、、、アル様。」
一度言い掛けて、あわてて言い直すカグヤ。
言われて直ぐに直るものでもないだろうし、徐々に慣れてもらえばいいかな。
今度から、最初に『アルと呼ぶように』って言うようにしよう。
「カグヤ、とりあえず俺達が泊まる部屋に案内してくれ。」
「はい。宴の準備も間もなく整いますが、お時間はいかがいたしましょう。」
「あぁ、じゃぁ部屋に行ってから少し彼女達と話がある。1時間後くらいでいいか?」
「はい。では、1時間後にお迎えにあがります。」
「あぁ、ありがとう。」
本当はマップ検索でカグヤの位置も把握できるんだけど、支配者としては迎えに来させた方がいいのかな?
正直、どんな態度をとるのが正解かが全くわからなくて手探りだ。
どこかに『はじめての支配者』『この一冊で支配者マスター』みたいな教本ないかな?
王や皇帝の姿は謁見や会食など正式な場の姿しかみていないから、こういう非公式な場での彼らの立ち居振る舞いまではわからない。
今度ディアブラにでも聞いてみよう。
カグヤに連れられて屋敷の中でも他より少し大きめの部屋に通される。
室内は靴のまま入るタイプで、他より広めではあるが内装は木材が剥き出しの質素な造りだ。
元々、正式な主人を持たない『はぐれ部族』であったのだからこれでも十分に贅沢なのだろう。
洗面台や風呂等の水場は無く、扉を開けると6人くらいが掛けられる大きめのテーブルセットが設置されていて、その奥に大きめのベッドが2つ置いてあった。
「カグヤ?部屋は1つ?」
「はい? あ!!」
気づいてくれたか、カグヤ。
「ウェンディさんとシルフィさん達用の部屋を御用意させます!」
夜の情事を子供達に見せないように配慮しろという風に受け取ったのか、、、そうじゃないんだ。
「いや、男女で分かれるから、、、」
「え!?アイリさんはアル様の奴隷であると伺いましたが?」
なるほど、それで当然”有る”と思ったのか。
「あ~、、、うちは特殊ってか夜の奉仕とかは無いタイプの主従なんで。」
「はぁ、、、」
カグヤは『そんな事ってあるの?』と言った感じで不思議そうに首を傾げる。
その後、何かに気づいたように、一瞬慰めるような目で俺を見る。
不能とでも思われたのかな?
「大変失礼いたしました。女性用のお部屋も準備いたします。」
「うん、ありがとう。」
何か変な勘違いをされている気がするが、説明するのも面倒なのでそのままでいいや。
俺がアイリに手を出さないのは『約束』があるからなんだけど、それは俺達自身が知っていればいい事だからな。
一度全員で部屋に入って、4人でテーブルを囲む。
勿論、さっき許してしまった事を今更怒るつもりはない。
分からない事をそのままにしておきたくなかった。
「ウェンディとシルフィはどうやってついてきたの?」
これが一番の謎だ。
フェンリルのスピードについてこれるわけがないし、アイリは影スキルを使っていない。
考えられる可能性は1つなんだけど、どうやったらそれが可能なのかがわからない。
「影スキルを持ってる、、、とか?」
「はいですにゃ!!」
ウェンディが元気よく手を挙げた。
「ウェンディか、、、この短期間で覚えた?」
だとしたらウェンディは『天才』と呼ばれるやつかも?
「ウェンディはアイリ様から影隠れのスキルを引き継いだにゃ!」
ひ、引継ぎ?何それ?
「子弟関係を結ぶと、師匠の持っているスキルを1個引継ぐ事が出来るんです。」
俺がキョトンとしているのを見てアイリがフォローを入れてくれる。
「え?何それ?」
知らなかったんだけど、、、俺師匠にそんなもの貰ってない!
「え!?御主人様もアイゼン様から『ディフェンダー』を引き継いだじゃないですか。」
「俺が師匠から?スキルを?『ディフェンダー』?」
何言われてるのかわからない。
え!?当の俺自身が知らないのに、何故アイリが知ってる?
「あ、そか。」
アイリが何かに気づいたように左手で右の手のひらをポンと叩く。
「アイゼン様がサプライズとか言って、こっそり寝ている間に無理矢理スキル継承したとか言ってました!!」
何それ?初耳ですが?ってか強制継承とかできるんだ、、、。
「ご主人様があんまり驚かなかったのが面白くなくって、種明かしするのを止めたと仰ってました。」
確かに朝起きたらいきなり新スキルを覚えていてビックリした事があった。
その時は、レベルが上がってから時間差で覚えるスキルだと自分を納得させたんだったな。
実は俺の究極スキルである絶対防御はこのディフェンダーを基に作り上げたものだった。
「それで俺達の影に隠れてついてきたのか、、、シルフィも?」
「わ、わたしは。アイリ様がヒーラーの凄い人を紹介して下さるので、、、まだしていません。」
モジモジとしながら答えるシルフィが可愛い。
確かに、ヒーラーになるならアイリを師匠にするのは無い、、、あれ?
「え!?んじゃ、シルフィはどうやってついてきたの!?」
「ウェンディが影に隠してつれてきたんにゃ!!」
「それって、確か術者が死んだら消滅する空間じゃなかったか?」
禁止したはずだよね?という目でアイリを見る。
「あ、違います!!ウェンディのは影隠れ、あたしの影隠しとは違います。」
「ん?違うの??」
影スキルの派生って複雑すぎてよくわからないんだよね。
「ウェンディのは自分とパーティメンバーが一緒に隠れる、影隠れっていうスキルみたいです。空間は狭いけど、メンバーも影の中で自由に動けるみたいですよ。」
「みたいです?」
「あたしの影隠しを派生させたみたいで、あたしにはできないスキルです。」
スキルの派生は個々で違うから、必ずしもアイリと同じスキルを覚えるとは限らない。
とはいえ、つい最近覚えたばかりのスキルを派生させたのか?
確かに、スキルの派生取得には単純なレベルアップ派生だけじゃなく、スキル同士の合成やスキルの発動部分を弄る事で新たに発明して派生する発明派生もある。
アイリが知らないっていう事は発明派生をさせたっていうのか!?
「シルフィと一緒に行きたかったから試してみたらできたにゃ!!」
自慢げにフンッと鼻を鳴らすウェンデイ。
なるほど、やっぱりただの天才だったか。
この師にして、この弟子ありって感じがする。
こうして、シルフィとウェンディの謎は解けた。
俺が盗賊団の根城に向かっている中、アイリに弟子入りした二人は職業神官のスキルを持っているエンリさんに頼んで基礎クラスを取得した。
そして既に修行を開始しているという事だった。
頭の中でカケルとウェンディとシルフィが3人でPTを組んで戦うシーンをイメージする。
アタッカー、タンク、ヒーラーと良い感じに揃ってるじゃないか。
カケルにタンクの適正があるかどうかは今後の成長次第だけど、根性と粘り強さはタンク向きな気がする。
そんな事を考えていると凄く楽しい気持ちになってきた。
早速3人揃って修行させるプランを練り始めようか。
初登場キャラなどは、そのキャラのメイン会で容姿などの説明を織り交ぜていくようにしています。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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