2-10. 魔王様の憂鬱!(10) 鬼の砦を蹂躙しろ!
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
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「ウェンディ達もいきたいにゃー?いきたいにゃ~、、、い・き・た・い・にゃ!!」
「いきたいにゃ~」
朝食を食べながら何度もウェンディがぼやく。
シルフィまでネコ耳族の語尾を使って甘えてくる。
「危ないから駄目!」
「にゃうぅ~」
即座に却下したが、あからさまにへそを曲げてしまった様子で、さっさと朝食を平らげるとシルフィを連れてどこかへ行ってしまった。
よっぽどついて来たかったんだろうな。
「御主人様。」
「二人の事はエンリさんに様子を見ておいてもらうようにお願いしよう。」
アイリが何を言いたいのかはわかったが、遠足に行く訳じゃない。
「いくらなんでも、戦場に子供を連れていけるわけがないよ?」
「ですよねぇ。」
ここはアイリも納得してくれたようだ。
食事を終えると、俺とアイリは戦闘準備をしてエンリさんに挨拶をしに向かう。
アイリはいつもの軽装だが、今回はディアブラやフェンリル抜きでの戦いになるので少し防御力重視の装備を選んだようだ。
俺は威圧感のある見た目重視装備にしようかな。
どちらかと言うとタンク寄りな俺は重装備にする事もあるが、今回はフェンリルの負担も考えて軽装にしておこう。
装備や道具類、回復薬等を準備し終えると家を後にし、エンリさんとディアブラに、ウェンディ達の様子を見ておくように頼む。
「危険な状況になれば保護という事で良いですかネ?」
ディアブラがわざわざ聞いてきた事にちょっとした違和感を覚えたが、『それでいい』と肯定する。
フェンリルに跨がって再び鬼人族の砦へと向かう。
俺の前にアイリを置き、密着するようにフェンリルの首にしがみつく。
勇者の頃から何度も繰り返してきた移動方法の筈なんだけどな。
体の前面に感じる感触や温もりが妙に生々しくていつもより時間を長く感じていた。
勇者時代は俺自身が、それほど遠くない死への階段を一歩ずつ着々と登って行っていたから、そんな事考えもしなかったけど、魔王になって未来を考える権利を突然手に入れたからなんだろうか。
まぁ、勇者に追われる身分になったんだけど。
でも、一度も倒された事のない二柱の魔王のように強くなれば、そんな未来を手に入れる事も出来る。
「限界突破か。」
昨日ディアブラに聞いた条件を思い出す。
「やるしかないな!」
そんな決意と今後のプランを立てながら鬼達の砦にたどり着いた。
そう言えば、やけにアイリが静かだったな。
そんな違和感を感じつつも、直ぐに忘却の彼方に放り出すのだった。
昨日と同じように広場の中央に降り立つと、鬼人達は慌てる事無く警鐘が鳴り響く。
「魔王アルベルト殿、襲来!皆、備えろ!アルベルト殿襲来!」
敵に『殿』付けはどうなんだろう?
ただ、昨日よりは士気は高いか?
外壁から魔導師と弓兵がしっかりと攻撃体制を整えている。
なんだかチグハグな状況がとても気持ち悪い。
「紅蓮族よ!これより蹂躙を開始する!」
右手を紅蓮族に向けて振り上げて、アイリと彼らに戦闘開始の合図を送るが、アイリは『うーん』といった感じで眉間に皺を寄せ、渋い顔で両手に短剣を構える。
「あんまり魔王感が出てないんですよねぇ~。人の良さが隠せて無いっていうか。淡々とセリフっぽくて怖くない。」
「え!?」
俺の全力の演技を軽~く否定しながら、カグヤの本陣に向かって歩みを進める。
やはり、向いていない事はするべきでは無かったのかな?
ヒュンッ!という風切り音を響かせながら放たれる無数の矢がアイリを襲う。
「旋風陣!」
アイリは矢が届く直前に、短剣の範囲技による竜巻を作り出して矢を弾く。
矢の雨が途切れそうになると、『ドウン!!』という爆発音と共に炎系の攻撃魔法がアイリに襲い掛かる。
そして、また次の矢が降ってくる。
「おお!!」
思わず感嘆の声を漏らしてしまった!
昨日の今日でしっかり修正できているじゃないか!
一時とはいえ、あのアイリを広場に釘付けにした事は、単純に褒め称えるべきだろう。
ただし、それを繰り返す内に矢も、魔法の弾幕もまばらになり、ついには途切れた。
アイリは素早く回避と移動をしながら、睡眠効果のある投擲針を当てて、ちゃんと無力化をしていた。
アイリが最後の弓兵にナイフを投げ掛けると同時に、今度は近接部隊が襲い掛かるが。
「残念だけどタイミングが違う。」
遠隔攻撃の手段が途絶える前に、もっと早い段階で近接攻撃を仕掛け、また引いては遠隔といった感じで交互に仕掛けるべきだろう。
そうする事で、アイリは近接も遠隔も気にしながら戦う事を強いられる。
事実、アイリも最初は近接部隊を気にしながら戦っていた為、やりにくそうにしていた。
まぁ、その辺は追々学んでもらおうかな。
近接部隊がタンクとアタッカー、ヒーラーのユニット単位に組織だっているのも昨日とは違う。
これを緊急時にも出来るようになってくれたら、十分に強くなるな。
アイリは近接鬼人達の合間を流れるように移動すると、各ユニットのヒーラーを先に片づけ始めた。
ユニット間の連携はまだまだ取れていなさそう。
そして、一番の問題が、3本角が未だに動かない事だ。
最後の砦のつもりか?
強者を相手にとるべき態度じゃない!
「水色!何をしている!見ていられる状況か!さっさと参加しろ!」
あ、思わず言ってしまった。
「「は!はい!い、いきます!!」」
二人が近接部隊の隙間を縫ってアイリに攻撃を開始した。
ん~、戦いながらこっちを見てくるアイリの視線が痛い。
彼女の目が『話が違うんですけど!』と言っているのがわかる。
鬼人達の動きは昨日よりも遥かに良いし、それ以前に昨日感じた剥き出しの敵意が一切感じられない。
「ブッ叩き!」
大刀使いがアイリの少し前方の地面を叩きつけるとそこを中心に地面が大きな円上に凹み、アイリが宙に浮く。
「瞬突!」
長刀使いが宙に浮いたアイリに向かって素早く跳ねながら轟音と共に突きを繰り出した!
あ、ヤバいか!?一瞬、アイリのカバーに入りそうになって慌てて留まる。
アイリは落ち着いた表情で突撃してくる長刀の切先を人差し指と中指で挟み、そこを基点に体をくるっと綺麗な円を描くように回転させる。
そして、その勢いを借りて真上から長刀の背を地面に向けて蹴飛ばした。
瞬突にアイリの蹴撃の勢いまで加わった長刀が、大刀使いがいる地面へと襲い掛かる!!
「あ、あいつすげぇな、、、」
あれは俺でもできない、いや可不可の話じゃなく度胸がない。
ガギィン!!!!!!
激しい金属音が響き渡った!!
長刀は大刀の横腹に当たり、それぞれの刀が破壊されたのだ。
「「ああああああ!!!」」
相当気に入っていた武器だったのか、二人は激しく動揺する。
戦意を失った彼らの後方からアイリの蹴りが炸裂して、二人の意識を奪い取った。
何があろうとも、戦闘中に敵から意識を逸らすなんて、、、
「御主人様、終わりました。」
既に、立っているものはいない。
先程のブッ叩きという範囲技で、鬼人族の仲間もダメージを負ってしまっていて戦闘可能なものは一人としていなかった。
おや?戦闘タイプでは無さそうなカグヤはともかく、カケルは?
「やっぱりアイリ様はすごいのにゃ~!!」
「ですです! 水色の人達の攻撃はアイリ様に当たりそうで、凄く怖かったです!」
大興奮する二人の目には凄い攻防が繰り広げられたように見えたのだろう。
「アイリの戦闘センスは俺の師匠が舌を巻くレベルだったからなぁ。あの程度じゃあ当てられないよ。」
ちょっと心配してしまった事は隠しておこうか。
「アル様のお師匠様ってお強かったんですか?」
う~ん、認めたくはないんだけど。
「昔はね。人類最強とか言われてたらし、、、ん?」
そこでふと視線を左下に落として目を合わせる。
「あ、あれ?」
「んにゃ?」
「はい?」
ちょ!!何かいる!!
初登場キャラなどは、そのキャラのメイン会で容姿などの説明を織り交ぜていくようにしています。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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