1-3.勇者から魔王に転職したのでウチの奴隷に狙われてます。(2)
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人生初の小説投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
応援、よろしくお願いします。
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平日だけど思い切ってあげてしまいました、、、考えすぎずに思い切ってみようかと。
2018/04/17 すいません、アイリの口調を普通にします。
目まぐるしく入れ替わる景色を楽しむ余裕等ない。
今は、背後に迫る最大級の危険から逃げ切る事が最優先だ。
足が縺れそうになるのを必死に踏ん張り、全力で貧民街を駆け抜ける。
影移動に対抗する為のレジスト魔法を発動したので俺の影への移動は避けられている。
ビュッ!という風切り音とともに魔物使いの捕縛チェーンが俺の体めがけて飛んでくるのをギリギリかわす。
本気で追い掛けてくるアイリを相手に逃げ切る事は不可能だ。
一度正面から一時的にでも無力化する必要があるが、やるにしても帝都の外には出たい。
門への最短距離を進む為に正面の家屋等は、跳躍して屋根に飛び乗って突き進む。
ドガン!という音と共に後方で何かが破壊される。
見なくてもわかる、アイリはそういう子だ。
出会った頃の絶望に震え、理不尽な世界を受け入れるだけだった彼女からは信じられない方向に成長してしまった。
「呼び掛けに答えて!フェンリル!ディアブラ!」
左右の前方に劵属出現ゲートが開かれる、しかもアイリの使い魔の中でも特にヤバイ二体だ。
ディアブラは相手を弱体化させる事に特化した上級魔属、聖獣フェンリルは攻守のバランスが取れて機動力も強力な上、近接だけでなく遠隔攻撃もこなすオールラウンダーだ。
あの二体を詠唱時間のないスキルで同時に呼び出せるのはチートだと思う。
だが!狙いどおりだ!!
俺はまだ開いていない右側の召喚ゲートに向かって全力で突っ込む。
ゲートが開いた瞬間、飛び出すフェンリルの頭を踏み抜き、後方、つまりアイリが突進してくる方向へと跳躍し、体全体でアイリに突撃する。
俺の通常の突撃ならアイリは軽々かわすだろうが、召喚ゲートから飛び出してくるフェンリルの勢いを利用した超スピードで一瞬にしてアイリの目の前に移動した。
アイリは衝突する瞬間にギリギリで身をかわして俺と位置が交差した。
刹那、俺はアイリの腕をつかみそのままの勢いをのせて後方に全力で放り投げた。
アイリは後方の家屋に突っ込んで姿が見えなくなった。
召喚された二体は狙いどおり命令待ち状態で待機している。
召喚が完了した後に彼らの主人、つまりアイリに敵対行動を取ると自動で反撃命令が出るが、召喚が完成する前の為、自動反撃が発動しなかったのだ。
タイミング的にはギリギリだったが、なんとかうまくいった。
だが、気を抜ける状況じゃない。
直ぐに正面のディアブラとフェンリルの間を駆け抜ける。
ゾクリッ!と本日最大級の危険感知が発動した。
「穿て!竜槍ゲイボルグ!!」
いつの間にか俺の頭上に現れた彼が強烈な槍撃を繰り出してくる。
喰らえばただではすまない。
(やばっ!詰んだ!)
俺は下から襲いかかる攻撃を完全に見落としていた。
危機感知が警告していたのは上ではなく下だったのだ。
上の動きには気づいていた、だが先ほど全力で投げ飛ばしたアイリが家屋の壁に映った自分の影から俺の真下に伸びるディアブラの影に移動していた事に気づけなかった。
真下から伸びてくる捕縛チェーンを喰らう事を覚悟した。
ガギッ!!
チェーンが顔の少し先を通過して、鈍い音と共に頭上の槍を持ち主ごと弾き飛ばす。
この距離でアイリが攻撃を外す事は考えられない。
最初から俺の頭上を狙った攻撃だった。
彼は空中で器用に宙返りして、少し離れた場所に着地した。
「アイリてめぇ!」
野犬のように悔しそうに歯をむき出しにしている。
こういうタイプだったっけ?
「グラナド!なんのつもり!今の攻撃は御主人様を傷つけるものだった!」
怒気を込めてアイリが叫ぶ。
どの口がそれを言うのだろう、、、
「アル捕まえんのに手加減が出来るかよ!ってか自分の主人を追いかけ回してたお前が言うな!」
ですよね!
「あたしは良いの!御主人様の奴隷なんだから!」
おい、それはいったいどんな理屈だ、、、つーか。
「俺よりダメなパターンだろうが!」
グラナドが槍を大きく振って、闘気の刃を俺に放つが、その攻撃は俺に届く前にかき消された。
「んふふふ、美味しい。」
俺とグラナドの間にディアブラが割って入り、それをパクリと”食べた”。
「ディアブラ!時間稼いで!フェン、御主人様を乗せて外へ!」
二体は直ぐに行動する。
ディアブラはグラナドに向かって戦闘体制を整える。
自力では当然グラナドの方がディアブラより強いが、相手を足止めする事だけを目的とするならディアブラは十分に通用する。
「御主人様、フェンリルに乗って逃げて!」
フェンリルは身を引くして俺の股下に潜り込み、半ば強引に俺を乗せると、そのまま街の外壁に向かって走り出した。
「くそ!逃げてどうなる!アル!」
(アイリ!トラップ解除したから影に来い!)
念話を送った時点でアイリはそこにいなかった。
フェンリルの背に映る俺の影からアイリがにょきっと出てきて、俺とフェンリルの間にその体を潜り込ませた。
「フェン!このまま外へ!」
「アオォォォォォン!!」
フェンリルは一瞬で貧民街側の門を抜けて、帝都の北側に位置する鎮守の森へと駆けていく。
「アルーーーー!!」
離れいく景色の中に溶け込んでいく帝都と共にグラナドの慟哭が霞んで消えた。
振り落とされないように力いっぱいに鬣を掴む俺の腕の中で体を縮めてフェンリルの首にしがみついているアイリに視線を落とす。
俺の為に動いたかお思えば、いきなり捕獲しようとして、その後またグラナドの攻撃から助ける。
支離滅裂な行動が実にアイリらしい。
「ごめん、グラナド。俺はまだ諦めていなかったんだ。」
俺を殺す為の攻撃をしてこなかったところからも、何かしらの考えはあったのだろう。
ただ、帝国の上層部にそれが通じるとは思えない。
あいつらに付け入る隙を見せた時点で、大人しく捕まって弁解する道は潰えていた。
彼らの元に出頭する事は即ち悲惨な死を意味するだろう。
厩舎でアイリを待つ間、元勇者として潔く魔王のこの身を次の勇者に差し出す事も考えたのは事実だが、、、だが、出来なかった。
諦めていたと思っていた想いが溢れだした。
だから、、、
「もう少し、もう少しだけ足掻かせてくれ。」
チキンなので何度も読み返し、修正してからUPする予定。
早く続きをUPしたくて、思い切っちゃう事も。。。
基本は週一、休日のみのUPになると思いますが、
序盤は不定期に平日もUPします。
数行SSとかは不定期です。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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