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勇者から魔王に転職したので世界征服始めました  作者: たまサラ
第2章 魔王様の憂鬱! 不安すぎる未来、、、
27/94

2-6. 魔王様の憂鬱!(6) 潜入?突撃?鬼の砦

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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。

語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!

少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。

応援、よろしくお願いします。

Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか

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エンギ村から東にフェンリルの全速力で4時間程進むと、一度森が開けて凹凸の激しい大地が広がった。

フェンリルの全速力は1時間で大人が半日掛ける程の距離を進む事が出来る。

つまり、ここまで大人の足で約2日位の距離になるわけだが、目に見える範囲の中で最も小高い丘を利用した砦のようなものが見えた。

辺りに遮蔽物が無く、森から出てしまうと鬼人族の見張りに見つかりそうなので、森の茂みに身を隠しながら様子をうかがう。

フェンリルが体を擦り付けて甘えてきたので、次元鞄にいれておいた燻製肉を取り出して食事をとらせておく。

聖獣フェンリルは基本的にこちらの世界での活動はMPをエネルギーにしている筈だが、彼は普通に食事をとる事を好む。

ただ、本当に必要なものでは無いのだろうが、その巨体の割には食べる量は少なく、ウェンディが出会った時に食べた量の半分も食べない。


「さて、どうしたものかな。」

考えると胃がキリキリと痛くなってきた。

エンギ村の最大の問題である『資金』『食糧』について、解決策の最も大事なポイントが視線の先に見える鬼人族を支配できるか否かに掛かっているのだから、俺の責任は重大だ。

ディアブラ先生は、圧倒的な力による制圧で何とななるような事を言っていたが、そんな単純なものだろうか?

砦を押さえたとしても、散らばってゲリラ戦でもされたら、制限時間付きのこちらが詰む。

たぶん亜人の特徴、特に魔族側に属する事が多い種族についての知識はディアブラ先生の方が遥かに高いが、それでも俄かには信じがたい。


「はぁ、マジでメンタルやられる、、、」

皆の前では出せない言葉を口にする。

ここ数日のでき事で完全に俺を信頼し、頼りにしてくれている村人達の前では冷静を装っていたが、正直言うときつい。

燻製肉を美味しそうにくちゃくちゃしているフェンリルを羨望の眼差しで見てしまっている自分に気づいて、自分の『パンッ!』と自分の頬を叩く。

「やるしかない!!ならば状況を楽しめ!!」

かつて師に言われた言葉で自分を振るい立たせると、持ってきた望遠鏡を覗き込んで人の出入りや砦内の様子を確認し始める。

鬼人族の見た目は完全にガタイの良い人のそれ、まぁドワーフ族よりはイカツクは無いスラっとした感じだが、なにより特徴的なのは頭部に様々な角が生えている。

形、色、数も個体によって異なり、その数や大きさによってある程度の強さが分かるそうだ。


「生まれた時から強い弱いが決定づけられるのか。」

それは、なんか数も少なく、角の小さい者達が辛いのではないのだろうか。

とは言え、目に見える見張りや門番達は皆1本角で大きさもそれ程大きくはないので、大半は一本角で二本以上がレアなんだろうな。

出来れば、こっそり近づいていって潜入したかったのだが、、、これだけ視界が開けた場所にあると厳しい。

こっそり近づいて、彼らの問題点を見つけ出し、力を見せつけると同時にそれも解決する事で恩も売って円満に支配するプランも考えていたんだが、それは厳しそうだな。

俺の頭をこの間手に入れたばかりの主命(オーダー)がよぎる。

最悪はそれも手段の一つに入れておこう。


出来れば望まれない支配なんてしたくない。

最初は主命(オーダー)で支配しつつ信頼関係を築き、徐々に支配方法を変更していく。

「よし!!じゃぁ演じ()るか!!」

俺はその場で勢いよく立ち上がると、燻製肉の骨を嬉しそうに咥えていたフェンリルが骨を地に落として大きく吠えた。


俺はフェンリルの背に跨ると、ポンポンと首を優しく叩いた。

フェンリルは再び吠えると、天に向かって跳躍する。

そして、そのまま一気に鬼人族の砦のど真ん中辺りの広場に着地した。


ダァンッ!!!!


おおきな地響きをさせて俺を乗せたフェンリルが降り立つ。


「な、なんだ貴様は!!」


騒めき立つ鬼人族達が広場に集まってくる。

見張りも突然の事で警鐘を鳴らす手が動かない。

ハァ、、、そこはちゃんとしてくれないと困るんだけど、敵かどうか判断困って思考停止している感じか。

「聞け!!鬼人族!!」

これまでに出したことのないような大声で叫ぶ。

「我が名は魔王アルベルト。お前達を倒しに来た!!」

明確に敵である事を伝える。

漸く鳴り響く警鐘によって、砦の者たちが武器を手にして俺を取り囲む。

見渡すと、最初は一本角の兵ばかりだったが、次第に二本角も増えてきた。

これまでの相手と反応が違うのは、朝の会議で手に入れた常時発動スキル:王者の風格によるものだろうか?

「お前ら何をしている!?」

その声を聞いた瞬間、二本角達が2つに分かれた。

その間から出てくる3本角の男女の鬼人が2人。

両方とも水色の髪で男性は短髪、女性の方は後ろで括っているからよくわからないが、たぶん肩下くらいまでか?

あからさまに戦闘狂っぽい感じで目つきが非常に怖い。

二人とも背丈は俺と変わらないので鬼人族にしては小さい方だろう。

女性の方なんかは普通にしていれば美人の部類に入るだろうに、その目つきと表情がすべてを台無しにしている。

「おまえ達が幹部か?」

「貴様ら一人相手に何をしている!!ペットは放っておけ!さっさと縛り上げろ!!」

なるほど、口より先に手が出るタイプか、逆に助かる。

取り囲んでいた鬼人だちが多様な獲物を手に一斉に襲いかかってくる。 

敵にペット呼ばわりされたフェンリルの機嫌が悪くなっていたが、ここは下がっておいてもらおう。

「フェンリル、さがっておいて。」

フェンリルに手を出させてしまったら、事前にここに来た意味が無くなる。

残念だけど、いま攻撃してきている雑魚の攻撃を受けるつもりはない。

最小限の動きで交わしつつ、巨漢の鬼人の足を掛けてよろめかせると彼の鎧を掴んで敵の攻撃を受けさせる。

殺してしまっては後味が悪いので、適当なところで放り投げて別の(鬼人)に持ち替える。

「ぬぅぁぁぁぁぁ!!」

我慢の限界に達した3本角が二人で左右から飛び込んできた。

「声だしたら奇襲にならんぞ?」

さすがに彼らの攻撃を受けると鬼人の盾は死んでしまいそうなので、後方の鬼人に放り投げて受けさせる。

刹那、俺の首筋に女鬼人の長刀が襲いかかる!

当たる直前に体を回転させながら身を躱し、その勢いで長刀を持つ手を蹴り落とす。

「ガッ!?」

彼女が思わず手放した長刀を手に取ると、回転の勢いを止めずに長刀を振り回して男鬼人の持つ大刀を受ける。

そして、そのまま彼ごとはじき飛ばした。

「貴様!!」

二人は俺から距離をとる。

シンと静まる広場、う~ん、もうちょっと激しく襲いかかって欲しかったんだが。

弓兵は味方に当たるのを危惧しているのか、一切矢が飛んでこないし、魔法使い風の鬼人も棒立ち。

まぁ、近接戦闘を好む鬼人族にあって、あまり魔法は重要視されてこなかったのだろう。

乱戦の場合でも使える攻撃魔法はあるし、習得していなくても相手に攻撃する振りを見せることでの牽制や、強化魔法・弱体魔法での支援だって出来るだろうに。

俺の中で、彼らの評価が滝のように下がり始める。

それに何だろう?統率がとれていない?

戦闘種族のはずなのに戦慣れしていないような、違和感を感じてしまう。

取り敢えず動き出す気配もないし、ちょっとはマシな鬼人二人だけ相手にしても意味はないか。

本当はもっと弓、魔法、スキルを総動員して攻撃してもらい、そのすべてを一日一回限定の絶対防御(インビンシブル)で防いで見せる予定だったが。


「魔王スキル『魔王威圧(キング’ズプレス)』」


俺がスキルを発動した瞬間に鬼人達が震え始める。

一本角に至っては武器を落としてしまう始末だ。

三本角の二人までもが足をガタガタさせている。

少し前にディアブラの恐怖に耐えた盗賊達を見ているから思ってしまうのかも知れないが戦闘種族がそれじゃいけないんじゃないか?

そして、ここまで騒ぎが大きくなって未だにボスが出てこない?


「お前達のボスはどうした!!」

「し、首領は、、、」

ん?何か空気がどんよりしちゃった?

「首領は亡くなりました。お話は代理を預かる、このカグヤが承ります。」

着物と呼ばれる東方のきらびやかな衣服を着た少女が前に出てきた。

真っ直ぐに足まで伸びる艶やかで燃えるような赤い髪と三本角が、他の鬼人達とは一線を画していることを伝えてくる。

絶世の美少女とは彼女のような子の事を言うのだろう。

ん?足元になにやら小さい鬼人の子供が引っ付いているな。

一本角、、、のわりには態度がでかそうだ。

「いかがなさいました?」

先程のスキルの効果だろうか、少女はカタカタ震えながらも気丈に振る舞っていて健気だ。

それに比べて、他の鬼人は実に情けない。

「あぁ、今回は様子見なのでこれで帰る。」

俺が辺りを見渡すとカグヤを守る為に動いたのは、さっきの青髪の三本角だけだった。

「正直ガッカリだ。この程度で戦闘種族を名乗るとはな。」

「なにぃ!おまえ!我ら誇り高き紅蓮族を馬鹿にしたな!おまえの命で償わせてやるぞ!」

子鬼が木刀を持って殴りかかって来る。

俺はすっと避けて彼を転ばせると、首根っこを掴んで視線の高さ迄持ち上げた。


「なんだお前は?」

「僕は、誇り高き紅蓮族首領の嫡男!ヤマト・カケルだ!僕達はお前なんかに屈しない!ねぇさまが欲しいなら僕をたおしてからにしろ!」

ん?、、、ん~?

何か話が変な方向に向かっている?

と言うか、、、

「一本角なのに首領の嫡男?」

「お、お、、、おまえぇぇぇ!!!僕の角を馬鹿にしたなぁ!!」

首根っこを掴まれぶらんとなりながらも、俺に本気で殴り掛かろうと手をブンブンと勢いよく振り回すのだが、、、

「と、届いてないぞ??」

「うるさい!うるさいっ!!その手を離せ!お前なんか僕がやっつけてやる!!」

な、なんだこの可愛い生き物は!!

やばい、厳しく見せている表情が綻んでしまう。


ズザッ!


音が鳴った方を見るとカグヤがその場に跪き、さらに体を震わせながら土下座のような格好をしている。

「ねぇさま!こんな奴に!」

「黙りなさい!」

「ッ、、、」

姉に怒られたカケルがシュンとなって、顔を背ける。

あれ?ちょっと泣いてる?

「その者は我等の次の首領となるものです。弟の非礼は私の命を持って償います。何卒、御慈悲を頂き、、、あ!」

めんどくさい事になりそうな予感がしたので、カグヤの横に移動して守るような姿勢を見せていた水色の三本角に向かって小鬼(カケル)を放り投げる。


「安心しろ、今日は下見だから。子供にもお前にも興味はない。」

あまり怯えさせるのも可哀想なので、威圧スキルを切ってから告げると。

カグヤは少しだけホッとした表情で顔を上げる。


「カケル、先程の失言は謝る。許せ。」

相当気にしている事を口走ったみたいだし、子供を泣かせたままはいけないよね?

「!?、、、う、うるさいっ!」

泣き顔を見せまいお顔を隠しながら強がる。

子供ってずるい!

「俺の部下に相応しいか見にきた。明日、我が部下が此処を一人で攻める。しっかりと準備して迎え撃てよ。」

今日は鬼人達に警戒と戦闘準備を促し、明日は万全の体制を敷いた彼らを俺の部下が蹂躙する。

奇襲だ、なんだと言い訳が出来ないようにして叩く事でディアブラ先生の『圧倒的な力による制圧』をしようと考えていたんだけど、このままだとへんな方向に話が進む予感がしたので、ボロが出始める前に早々に退散しよう。


「なにぃ!おまえ、どこまで僕たちを馬鹿にする気だ!」

目に涙を浮かべながらも、顔を真っ赤にした御子様が騒ぐので早々に退散しよう。

あいつがいると、めんどくさい事になると俺の第六感が告げている。

「そうだな、お前ら全員倒して、そこのカグヤを捕まえたら我等の勝ちだ。お前らは俺に忠誠を誓うように!」

「は、はい!」

、、、よし!何とか軌道修正できたよね?

今、忠誠誓えに対してカグヤの『はい。』が思っているものと違った気がしたけど気のせいだ。


「フェンリル!」

俺はフェンリルに跨がってエンギ村への帰路につく。

何かが引っ掛かり、顔を真っ赤にしたカケルの顔を思い出した。

「そういえば、、、あいつには効いて無かったような気がするな。」

魔王威圧(キング'ズプレス)でカグヤすら体を震わせていた中で一本角のカケルだけは、俺に殴りかかってきた。

「角だけで評価するのは間違いかもな。」

俺は小鬼のカケルを鬼人族嫡男として再評価する事にした。


初登場キャラなどは、そのキャラのメイン会で容姿などの説明を織り交ぜていくようにしています。

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小説書くのは難しいですね。

特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!

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