2-3. 魔王様の憂鬱!(3) 勝負の行方
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
Twitter:@TamaSala_novel 次回予告を呟くとかつぶやかないとか
前回予告の後編です。
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自分に敵意を持つ部下を強制支配という時にも使えるが、俺はどちらかというともう一つの可能性を考えて実験をしてみる事にした。
そして命令対象に最も適しているのはアイリだろう。
俺はアイリに向かってスキルを発動した。
「魔王スキル:主命。アイリ、全力で俺をディスれ。」
「え!?」
アイリが驚愕の表情で顔を真っ赤にしながら、口に力を入れてギュッと結んでいる。
口から音を出す事に必死で抵抗しているようだが、やがて開いていく口を閉じようとしてはまた開きを繰り返すようになった。
そして、ついに彼女は魔王スキルに屈した。
「ば、、、」
「ば?」
皆が注目する中で、アイリが大きく息を吸い込む。
「ば、ばーか!ばーか!ばーか!ばーか!ばーか!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
「お、おおぅ、、、主命解除、、、」
ち、ちょっと可愛いと思ってしまったのは内緒にしておこう。
「うぅぅ、、、御主人様ひどいですぅ、、、」
アイリがその場にペタンと座り込んで本気泣きを始めてしまったので、よしよしと頭を撫でて慰めておく。
アイリにバカを連呼された事にも驚いたが、なにより彼女の語彙力の無さが衝撃だった!!
アイリには悪かったが、彼女を実験対象に選んだのは、ここにいるメンバーで一番抵抗してくれそうだったから。
あのアイリが抵抗空しく俺を害する言葉を連呼したという事はかなりの強制力がある、いやディアブラ先生が言うように絶対強制なのだろう。
しかも俺自身を害する方向にも使えるのが分かったのは大きな収穫だ。
例えば、命の危険が差し迫ったような時、アイリに『俺を見捨てて逃げろ』と普通に言っても絶対に言う事を聞かないだろう。
でも、主命で命令すれば、逃げる事を強要できる。
俺を守る為に勝てない戦いをして命を捨てるような事はして欲しくないから、純然たる闇という敵の存在が明らかになったタイミングで主命を手に入れたのは物凄く大きい。
それにしても、、、魔王レベルのハードル高すぎじゃないだろうか?
「アイリは兎も角、ディアブラやフェンリルも間接的にとは言え部下になったんだろ?お前らが下にいてたったレベル5?」
アイリ本体というよりはディアブラとフェンリルと言う、生ける伝説を間接的にとはいえ配下に加えてレベル5?
そんな事を思っているとディアブラ先生から追加説明が入る。
「レベル5からは、部下の戦力と共に支配する領域が条件に入って来ますネ。その条件が満たされていない為と思いますネェ。」
「そうか、、、詳しいなディアブラ。」
「常識ですネ。知らない方の存在が稀有かと思いますネェ。」
おっと!軽くディスりを混ぜ込んでくるディアブラ先生、さすがです。
ただ、他の面々も同じように『へぇー』と声をあげていたので、やはりディアブラ先生が博識過ぎるだけのようだ。
「アルベルト殿、儂も配下に入れて頂きたい。」
一連の流れを読んでここぞとばかりにガトーが申請してきた。
「ガトーさん、、、」
「無論!この村は儂が守ります!アル殿の旅を邪魔するつもりもありません。ですが、国軍やあの純然たる闇の者達に襲われたら儂では守り切れません。どうか庇護化において頂きたい!」
「確かに、魔王の庇護下に置かれたという事実だけで手は出しづらくなるかもしれませんネ」
いつの間にか窓の外から見ていた村人が、みな一斉に声をあげてくる。
「「「お願いします」」」
元々、村長の件を断ったのだが、『自由に旅ができる』、『村長は変わらずガトー』、『村民の総意の上での決定』となると断る理由は全て解消している気がする。
エンリさんの方を見ると、静かにコクリと頷いた。
なるほど、昨日俺が寝ている間に村民とその辺についてもしっかり話し合ったって事か。
既に純然たる闇の手によって襲われた実績のあるこの村を放置する考えはなかったんだけど、一つ、いや二つ懸念がある。
「ここはポルメルン王国の領土だし、ここに縄張りを持つ魔王が居た気がする。」
そう、領土問題が生まれてくる。
だが、俺の懸念をディアブラ先生がすぐに解消してくれた。
「そこは問題ないですネ、元より人間と魔王の支配地域は完全に別物、どの国も魔王の支配地域と被ってますネ。魔王の方に関しても、ここら一帯を支配していた魔王は、ちょっと前にこっそり領域放棄して出奔していますネ。今は空白の領域ですネェ。人の王にしてみれば、何も変わっていないので気づきもしないかと思いますネ。」
う~ん、、、それなら問題なさそうだな。
ディアブラ先生が何故、こっそりと出奔した前魔王の事まで知っているのかは一旦置いておいて、今後の展開をいくつものパターンで考えてみる。
やはり、ここでガトーと契約を結んだ方が俺自身も動きやすい。
この村の運営自体に少し気になる事はあるんだけど、、、エンリさんのようなしっかりとした副村長(秘書)が大丈夫と思っているのなら大丈夫なのだろう。
「わかりました。ガトー、そして村の皆さん。これから、よろしくお願いします。」
孤児院の周りで巻き起こる大歓声にちょっと驚く。
(え!?何で俺こんなに人気でてるんだ?)
俺はガトーとも隷属契約を結ぶ。
次の瞬間!
「うぉ!!っ!!え!?何!!?」
今回のはヤバい感じがするほどに力を手に入れた感じだ!
魂に刻み込まれた2つのスキル、常時発動型の『王者の風格』と任意発動型の『魔王威圧』も俺が欲しかったスキルっぽい。
「アル様、レベル10おめでとうございますネ。次のレベルに上がるには限界突破の試練が必要ですネ。
他にもいくつかスキルを手に入れられたのではないですかネェ?」
「「え!?10!?」」
声をあげたのはアイリとミウ、、、そのままガトーを睨み付ける。
「何で!?あたしの方が強い部下なのに!」
「アイリさま、、、アイリ様はお強いのですがネ、、、その。」
ディアブラが言いにくそうにするが、何だかわざとらしさを感じてしまう。
「な、なによ!?」
「アイリ様は領地無し、無収入の脛かじり。」
「うぐ、、、」
「領地も支配する領民も収入もあるガトー殿と比較しようなんてネ、、、」
「むぐぐ、、、」
「ンフフ❤ 寝言は寝てから言うべきと具申しますネ、、、あ、失礼しましたネ。」
アイリはディアブラの指摘に対して反論の余地なく完全にサンドバッグ状態、これほどのディスりを俺は耳にした事がない。
もうやめて差し上げろ、アイリのHPは1だ!
「この勝負の勝者は誰の目にも明らかですネ。」
「うぅぅ、、、」
「いや、だから勝負ってなんだよ。」
「奴隷のアイリ様は、文字通りの負け犬ですネェ、、、あ、失礼しましたネ。」
ディアブラの会心の一撃が炸裂した、、、今日のディアブラ先生、絶好調だな。
「うあぁぁぁぁん!ディアブラのバカぁー!」
アイリが泣きながら窓から外に飛び出して走り去って行った、、、
お前いくつだ(汗)
「あー、、、何かすまんな。」
ガトーも可愛そうな子を見る目で、逃げて行くアイリを眺めていた。
「この勝負、ガトー村長と我々の勝ちのようですね!」
秘書眼鏡をクイッと上げて、誇らしげに勝ち名乗りを上げるエンリさん。
「おじぃちゃんめぇ!とんだ伏兵ね!」
悔しがるミウ。
「じじぃ!よくやったにゃ!英雄は遅れてくるのにゃ!!」
いつの間にか窓からウェンディが飛び込んでくる。
「ウェンディちゃん勝負の邪魔しちゃだめだよ、、、」
シルフィが窓から顔を半分出してボソボソとウェンディを窘めているが根本的な事を間違えている。
ここで行われていたのは勝負ではなく、会議だ、会議だった筈だ。
「ンフフフフ❤️では、主審として宣言いたしましょうかネ、勝者!ガトーと村人達!!」
「「おおおおお!!」」と外のギャラリーが沸き立つ。
俺はそんな皆のやり取りを眺めながら叫んだ!
「だから、勝負ってなんだぁ!!」
まだまだ、ほんわか続きます。
まぁ嵐の前の、、、ですね。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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