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勇者から魔王に転職したので世界征服始めました  作者: たまサラ
大1章 勇者から魔王に転職? 仲間に襲われる魔王様!?
20/94

1-19.魔王の盗賊退治(6) 父の背で眠れ

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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。

語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!

少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。

応援、よろしくお願いします。

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☆後からガトー視点になります。

「たのみ、、、がある。」

虫の息で、だがしっかりと立ち上がったグルムは必死の形相で訴えてくる。

「今回の、、、城の外北東にある魔法牢に、、、捕まえた女性達と、、、関わっていない仲間を幽閉している、、、彼らを、、、頼む、、、」

グルムは彼のように愛する者を守ろうとしたものだけで行動していた。

ガトーが言った300人近くの盗賊団の割には、村に襲ってきた盗賊の人数や、この城にいた人数に疑問は持っていた。

他のもの達は見つからないように幽閉していると言うことだった。


ゲルマド達とこの城の盗賊の質の差は、恐らく前者は本当のならず者の集団だったのだろう。

ここにはいないようだ、いや、もしくは純然たる闇とやらに繋がっていたのか、、、


大量の血を吐きながら、彼は部屋の奥に少しずつ進む。

その腕にネイを抱きながら。

轟雷に撃たれた彼女の体を覆う液体はもぅ出ていない。

恐らくは、、、生命活動を停止したためだろう。


「世にあまねく精霊達よ、彼を癒す光を求めん。回復魔法:精霊の祝福(スピリッツブレス)!」

俺の回復魔法が、彼の()()()は癒していく。

だが、彼の魂の器は既に壊れかけていた。

この世界に住む生物は魂の器さえ無事なら、回復や復活をすることはできるが、魂が入るべき魂の器が傷つけば、魂は戻るべき場所を失い、やがて世界へと還っていく。

グルムはもう、助からないレベルで魂の器を破壊されていた。

「アルベルト、助かるよ、、、喋りやすくなった。」

グルムはネイを抱いたまま玉座に腰掛けると、ゆっくりと息を調える。

「悪魔よ、、、」

グルムはディアブラに、何かトラップ発動スイッチのようなものを投げ渡した。

「これ、、、は?」

「あの女を巻き添えに、、、この城ごと焼き尽くすだけのトラップ魔法に火薬や油を仕掛けてある、、、()()()()()終わらせてやりたい、、、優しいお前の主人にゃできねぇだろ?」

グルムが俺達に倒された仲間を見て最初に言った言葉、『お前達は()()逝ったか』の意味を理解した。

彼らは最初から全てが終わった時に、その【純然たる闇】とやらを道連れに自害する予定だったのだろう。

いや、もしかしたら、薄々はきづいていたのかもしれない、、、事実に。


ディアブラは彼の奥で動く、他の女性たちだったものを見ると納得したように頷く。

「確かに。頼まれた。」

口調からディアブラも本気で応えているのがわかる。

「アルベルト、、、ミウは貴方を気に入ったようだ。どうかミウを頼む。」

「村まで安全に送り届ける、それでいいか?」

「フフ、、、今はそれでいいさ。後の事はミウ次第だからな。」

少し楽しそうに口元を緩めて笑う。

勿論、彼の言いたかった事は理解できたが、この場で答えられる事じゃない。


「ふう、、、」

グルムが暫く沈黙して、部屋に静寂が訪れる。

「ミウ、、、ネイを守ると言った誓い、、、守れなくてごめんな、、、」

「ううん、、、義兄(にい)さんに出会って、おねぇちゃんは本当に幸せだったよ。おねぇちゃん、ずっと、ずっと言ってたもん。」

ミウが悲痛な面持ちで今にも泣きだしそうになるのを必死に堪えながら姉の言葉を伝える。


義父(おやじ)、、、最後まで、、、出来の悪い息子で、、、ごめんなぁ」

ずっと張り詰めていたグルムの声が震え始めた。

「グルム、、、バカ野郎が」

「俺さ、、、まだ、あんたの息子でいいのかなぁ?」

「当たり前じゃ!お前らは何があっても儂の子だ!」

ガトーの言葉に、安心したように顔を緩めて、ボロボロと涙を溢し始める。


そして最後にネイの遺体に目を落とした。

「ネイ、ごめん、、、」

残された最後の力を振り絞ってネイを抱きしめると、その唇の場所にキスをした。

きっと朦朧とし涙がとめどなく流れる彼の目には、かつての彼女の姿に見えているにちがいない。

「助けられなくて、ごめんなぁ、、、」

そして、ネイのお腹の辺りにてをおいた。

「とうさん、、、おれ、、、子供が出来たんだ。」

目に光が無い、もう、意識が薄れ夢を見ているのだろう。

「あぁ、、、あぁ、、、今度連れておいで」

ガトーは震える声で応える。

「子供、嬉しいなぁ、、、遊ぼう、、、いっ、、、しょ、、、に」

そして、力を失った彼の体は、ガクリとうなだれた。

『グルム、ありがとう、おやすみなさい。』

空耳だろうか、そんな優しいくも凛とした女性の声が確かに聞こえた気がした。

「ぐ、、、うぅぅ」

ガトーは顔をゆがめ、血がにじむ程に自分の腕を強く握っていた。

「おねぇちゃん!おにいちゃん!あぁぁぁぁぁぁ」

ミウは二人にすがり付くように泣きじゃくっていた。


      ☆☆☆☆☆☆


儂とミウはアル殿の部下ディアブラ殿に運ばれて城から離れた広場に出た。

「ガトーさん、やりますね。」

アル殿が儂にトラップ発動の許可をとる。

「はい、お願いします。」

儂の了承を得ると、トラップを発動しようとしたディアブラ殿の手を突然アル殿が止めてしまった。

「ディアブラ、嫌な事を他人任せにする男になりたくない。」

ディアブラ殿は少し戸惑いを見せたものの、アル殿にスイッチを差し出すが、儂は何かを考えるでもなくそれを奪い取っていた。

「儂に、、、儂にやらせてください。」

涙でぐしゃぐしゃに濡れた顔を臆面もなくさらしている儂が恰好を付けるもない。

ただ、グルムの親として、最後の見送り位は儂がやる。

アル殿はいつも通りに優しく同意して頷いてくれる。


「この城で犠牲となった全ての者達が迷わず世界に還れますように。」

儂は、城を正面に見据えながら目を閉じて黙祷を捧げる。


そして、、、


「グルムよ、どうかネイさんと同じ所へ」


儂はゆっくりとトラップを発動させた。


城の数箇所で大きな炎が上がると、一気に城全体に燃え広がった。

その炎の勢いは彼らの魂を慰めるように天高く伸びて、雲一つ無い空が朱色に染まる。


幻想的で美しさすら感じさせる光景を前にグルムとの思い出の日々が蘇ってくる。


『とおちゃん!!俺、絶対にとおちゃんみたいに皆を守れるようになるからな!!』

『ふふふ!そうか、じゃぁお前が大きくなるまでしっかり村を守らんとな!!』

『うん!そしたら、とおちゃんはずっと孤児院でみんなと遊んでくれよな!』

『わかった、約束する。だから早く眠って大きくなれよ。』


それは、ある日の夜にグルムを寝かしつけていた時に交わした親子の約束だった。


堪え切れずに大粒の涙がこぼれ落ちる。


子守歌をうたった。


お世辞にもうまいとは言えない、掠れ、震える声で。


ただ、どこまでも届くような大きな声で。


あいつらの魂にきっと届きますように。


   ねむれ、ねむれ、可愛い子

   父の背中で 揺れながら

   優しい夢を 見ておくれ


彼らが昇っていく明るい空に鎮魂歌(こもりうた)が延々と響きわたる。


今度こそ幸せな夢を、おやすみなさい、、、グルム、、、愛しい我が子。

チキンは相変わらず。

盗賊団の後はほんわかストーリーが続きます!暫くは、、、

後少し頑張って下さい!

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小説書くのは難しいですね。

特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!

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