1-11.エンギ村のお家事情
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
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2018/4/21 アイリSSを5部分に差し込みました。
外観こそ、砦のように守りが固められてはいたが、中は普通の村そのものだった。
ガトー爺の指示で、人族の女性が俺達を宿に案内してくれる。
村は大きめの十字の通りが村の区画を4分割しており、村の中央には円形の大きな広場と水場がある。
そして門から真っすぐ北に伸びる大通りの突き当りにガトー爺の孤児院と運動場が見えた。
大通りの左手には、落ち着いた雰囲気の木造家屋がレトロ感を演出し、昔読んだ冒険譚に出てくるような村を演出している。
右手には長屋のような建物が繋がり、「商店」「鍛冶屋」「食事処」等の商工業施設が並んでいる。
村を囲う塀は高い位置から外敵を遠隔攻撃で狙い打てるようになっている。
この辺はさすが元盗賊頭が治める村といった所だろう。
野獣や魔獣が多い大森林の中にあっても人が安心して暮らせる造りになっている。
村人達の英雄でも見るかのような羨望の眼差しに耐えながら、漸く、泊まらせてもらう家に着く。
2階建ての家に入ると、太陽の日差しを巧く引き込んでおり、リビングは広々とした開放的な空間になっている。
家族4人で丁度いい家という感じだ。
生活空間としても、所々に使い勝手の良さや、緻密に計算された質の高い空間造りの工夫が見て取れる。
四角い敷地を縦に割った長方形の北側に住居、南側のスペースには厩舎や庭もあり、本当に此処に住み着きたくなる。
「うわぁ!御主人様、凄くいいお家ですね!!」
目をキラキラさせてアイリが興奮気味にあちこちに視線を移す。
「当然にゃ!!この村のお家は大じじぃが殆どかんがえているのにゃ!」
誇らしげにウェンディが胸を張る。
なるほど、ガトー爺さんは脳筋なだけじゃなく、建築設計方面までできるのか。
「あの少女はここの二階、階段を上がって突き当りの部屋で休ませています。未だに目は覚めていません。」
「案内ありがとうございます。」
「いえ、どうぞいつまでもお使い頂いて結構ですので。」
俺はなんとも言えないので、笑顔で答えておく。
ここに留まるつもりは無いが、この場所をこの地方の落ち着ける場所として維持できるのはありがたい。
「あ!!あぁぁぁぁ!!!!」
女性が立ち去ると同時に、キッチンに入っていったアイリの叫び声が耳を貫く
「どうした!!」
「なんにゃ!!」
慌ててキッチンに駆け付けると
「ふぁぁ、夢が、、、あたしの夢が詰まってますぅ」
緩み切った表情でキッチンの魔動機を抱きしめながらアイリが頬ずりしていた。
「な、何をしているんだ?」
「アイリ様、、、」
ウェンディまでもが若干引き気味の表情を浮かべている。
「御主人様ぁぁ、このキッチン、全部丸ごと魔動機で揃えられてますぅ。」
「お、おぅ、、、」
そ、そんなに興奮することなのだろうか?
確かに、王都でも魔道コンロや魔道かまどなんて中流貴族のお屋敷くらいでしか見た事が無い。
それ程に魔動機は貴重で、ドワーフ族の一部の上級魔動機職人にしか作れない逸品なのだが、よく見てみると、この家にはそれらが惜しげもなく使われている。
というより、丸ごと魔動機住宅だ。
アイリじゃなくても、世の女性なら大騒ぎする事だろう。
「御主人様!!魔導洗濯機までありますぅ」
気づけばキッチンからアイリの姿が消え、水場からその声が響く。
「アル様? アイリ様は何をそんなに興奮しているのかにゃ?」
「う、ウェンディ?この村の家は全部こんな感じなのか?」
「にゃ?家の形はそれぞれ違うけど、家の中の道具は全部おんなじにゃ!」
「マジか!」
この村、襲われても仕方ない気がする、、、
「なんでこんなに魔動機を用意できたんだ?」
「にゃ~??」
何がおかしいのかわからないウェンディには質問の意図が理解できないといった感じだ。
「この道具とかは全部、ジルトのおいちゃんが作ってくれてるにゃ。」
作れる人がいるのか!?さすがは技術力に定評のあるドワーフ族なだけのことはある。
「へぇ、ずいぶん器用なおっちゃんが」
「ジルトー!!」
突然アイリが俺の言葉を遮ってウェンディに飛びついた。
「にゃにゃ!!」
驚いて尻餅をつくウェンディ。
「ジルトって言った?突然行方を晦ませた!あの伝説の魔動機職人ジルト様がここにいるの!?」
「ゆ、有名な人なのか?」
「ご、御主人様!?嘘でしょ?」
信じられないという表情でアイリが俺を見る。
可哀そうな人を見る目だ。
アイリにこんな目で見られたのは出会ってから初めての事かもしれない。
「その一打ちが放つ虹色の輝きは見る者を魅了し、その一打ちの奏でる七色の音楽は聴くもの全てを虜にする。」
突然アイリが何やら呪文のような言葉を紡ぎだす。
「彼の作り出す魔動機は使うものを夢の世界へと誘ってくれる。ジルト印の魔動機セット!!」
目を閉じて力強く拳を握り締めるアイリ
「へ、へぇ~、そうなんだ~すごいね~」
「す、すごいんだにゃ~」
こんなにもアイリが気に入っているなら、アイリだけでもここで世話になるのはありかも知れない。
魔王の俺のせいでアイリに迄つらい思いをさせるのは避けたいと思っていたし、、、ちょうど良い機会かもしれないな。
「そろそろ女の子の様子を見に行こうか」
興奮しているアイリには悪いのだが、魔動機にはそこまで興味がないので、そろそろ少女の様子を見に行っておきたい。
「あ、はい。そうですね。」
アイリも納得したように興奮した感情を落ち着かせて、いつものアイリに戻ってくれた。
二階にもちゃんと外の光を取り込むような作りになっており、明かりが無くても十分に明るい。
突き当りの部屋の扉を開けると、少し大きめの子供部屋くらいの広さの角にベッドが置かれている。
質素なベッドに寝ている少女の顔色は今朝よりもさらに血色がよくなっていて、いつ目を覚ましてもおかしくはないように見える。
ベッドの横に置いてあった椅子に座って少女を覗き込む。
ボロボロだった衣類は新しいものに着替えさせてもらったようだ。
土埃で汚れていた体も綺麗になっている所を見ると、体もちゃんと拭いてくれたのだろう。
髪の毛もちゃんと蒸しタオルか何かで洗髪してくれていたのだろう。
パサパサだった小麦色の髪が柔らかなウェーブを描いてふんわりとしている。
「もぅ大丈夫そうですね。」
「ウェンディも頑張ったかいがあったにゃ!」
「あぁ、良かった。」
彼女の肩の傷痕がどうなっているかも気になったが、今触ってしまうと起こしてしまいそうなので止めておこう。
触れれば起きる、そう思える程に彼女は回復しているように見えた。
ガトー爺から落ち着いたら孤児院に来るように言われていたので、そろそろ向かう事にしよう。
「アイリ、ちょっとガトーさんの所に行ってくるよ。」
「はい。わたしはウェンディと一緒に少女の様子をみておきますね。」
俺は、少女を二人に任せて、ガトーの待つ孤児院へと向かった。
チキンは相変わらず。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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