1-10.魔王が少女を救ってみた(6)
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趣味で書きなぐっていた素人小説の投稿です。
語彙力や表現力等まだまだ足りないところばかりですが、楽しんでもらえるように頑張ります!!
少しずつでも、コンスタントにUPしていきたいです。
応援、よろしくお願いします。
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2018/4/21 アイリSSを5部分に差し込みました。
2018/4/22 魔法の名前がルビになっていなかったり、脱字の修正
目の前で大好きなじぃじ様の首が飛ぶ。
そんな瞬間を予測したウェンディや人質達、それに村の人達が目を閉じて顔を伏せる。
その刹那!!ガキンッ!!という金属同士がぶつかる音が鳴り響く!!
ウェンディの影に移動して飛び出したアイリが魔操鞭でゲルマドの剣を弾き飛ばした!!
「なにぃ!!!」
驚くゲルマドの腹部に向かって左手で短剣を突き出した。
ゲルマドはすんでの所で回避し後方に飛び退る。
その勢いそのままに、ウェンディを縛った縄を持って呆然と立ちすくむ盗賊の首を切り捨てる。
「なぁんだ!てめぇはぁ!!」
ゲルマドは突然の乱入者に怒りをあらわにした。
「アイリ様にゃ!!」
ウェンディは突然出現した救世主に歓喜の声を上げる。
「お前は、、、」
じぃじ様は九死に一生を得た事を理解して安堵しつつも、若干複雑そうだ。
俺はゲルマドがじぃじ様に剣を向けた瞬間に、アイリに突撃のサインを出していた。
いつでも人質を傷つけられるようにしていたゲルマドが、じぃじ様を殺す為に子供達から離れる瞬間を狙っていた。
しかも、村の中にウェンディがいる状況だと影移動してからゲルマドに襲い掛かるまでのタイミングが微妙だと思っていたんだが、想いもかけずウェンディがゲルマドに近づいてくれたおかげで影から飛び出した瞬間にターゲットを攻撃できる理想的な位置取りになってくれた。
アイリに合図を送ると同時に俺はフェンリルと共に飛び出す!!
ゲルマドは失った剣の代わりに短剣を抜いてアイリに切りかかる、アイリはその攻撃を回避しつつ、ゲルマドに回し蹴りを喰らわせる。
「ぐぁぁぁ!くそがぁぁぁ!!」
出来れば生け捕りにしたいので、アイリにはじわじわと体力を削って無力化するように頼んである。
俺はフェンリルに跨って、森の茂みから少女達の所まで一気に近き、麻痺したように子供達の横で呆けている盗賊を速攻で制圧する!
その後、フェンリルの背に子供達とボロボロの大人を回収すると、フェンリルを村の中に移動させた。
後方で呆然とその様子を見ていた盗賊達のど真ん中にディアブラが上空から風魔法:暴風爆弾を叩きつける。
盗賊団の中心にいる盗賊達が暴風によってなぎ倒される。
「んふふふ❤ 絶望の夢に抱かれロ!怖気悪夢!!」
「うぁぁぁぁぁ!!」
さらにディアブロが残った部隊全体に精神魔法:怖気悪夢によって恐慌状態に陥っていく。
つい先刻までゲルマドの行動をニヤニヤしながら緩み切った態度で楽しんでいた盗賊団の部隊は一気に混乱に陥った。
そんな気が緩みきった部隊は、頭を押さえ指揮系統を絶たれたうえで、予想もしない攻撃を受けた時、数的優位など考える余裕もなく、全体が一気に混乱する。
それにダメ押しに彼らの自信の源であった人質を奪い返される所を見せつけておいた。
精神攻撃を得意とするディアブラにとってみれば、この状況で敵を混乱させる事など赤子の手を捻るより簡単な事だったのだろう。
おれが想定していたよりも盗賊団の混乱度合いが激しい。
さらに計画通り、ディアブラが風魔法「砂塵幕」によって盗賊達の視界を奪う。
「エンギ村の勇士たちよ!!撃てぇ!!!」
俺は村の中で遠隔攻撃の準備をしつつも、指示待ち状態になっていた村民に攻撃命令を出す。
俺の掛け声に呼応して、一斉に攻撃が始まった。
無数の矢やボウガンの弾が雨のように盗賊達に襲い掛かる。
一部の攻撃を除き、殆どが命中はしていないが、盗賊団に反撃されたと気づかせる事だけで十分な効果を発揮した。
人質を失った所を見せつけられた上で、視界を奪われ、完全に侮っていた相手からの攻撃によって、盗賊達は完全に戦意を失っている。
「全軍!!突撃ぃ~!!」
ダメ押しの掛け声をかける!!
当然だが、この場に突撃するような軍隊はいない。
だが、混乱している盗賊達はさらに砂塵によってふさがれた視界の先に、突撃してくる軍隊を本当に見たと思ったのだろう。
「うぁぁぁぁ!!」
百人強の盗賊達が我先にとちりじりになって一気呵成に逃げだしていく。
最早大勢は決した。
逃げ出した盗賊達を上空から追いかけるようにディアブラに指示を出す。
俺はそのままゲルマドの後方に移動しアイリと挟む形で攻撃を仕掛ける。
さすがに盗賊頭だけあって、瞬殺とはいかないものの、強敵ではなさそうだ。
そして、いよいよ生け捕りに取り掛かろうとした時、想定外の事態が発生した。
「んぬぅああああああああああああああああ!!」
大きな斧を振り上げたじぃじ様が、その勢いのままゲルマドを切り裂いてしまった。
「「あ!?」」
短剣を構えたまま呆然と立ち尽くすアイリが、目を泳がせながらこちらを見てくる。
俺は両手を上げてお手上げのポーズをとった。
生け捕りにしたうえで、色々な情報を引き出したかったのだが、こうなってしまっては仕方がない。
じぃじ様は大きく息をすいこんだ。
「儂を!!儂らを舐めるなぁ!!!!」
あぁ、その咆哮を最初っから出すべきだったんですよ。。。
アイリは茫然と座り込んでいるウェンディの頭にポンと手をおいて、優しめに撫でた。
「アイリ様ぁぁぁ、怖かったにゃ、怖かったにゃぁ~!!」
張り詰めた緊張の糸が切れたウェンディがアイリの胸に顔をうずめて泣きじゃくり始めた。
「ウェンディ、よく頑張ったね!待たせてごめんね。」
アイリは両腕でウェンディを優しく包み、彼女が泣き止むまでずっと子守歌の曲を口ずさんでいた。
じぃじ様は大きくため息をついて、興奮を抑えてから俺に近づいてきた。
「よぅ、世話になったな。」
「いえ、御無事で何よりです。」
じぃじ様は言い難そうに難しそうな表情をしていたが。
しばらく沈黙した後、意を決したように口を開いた。
「あんだけ、、、あんだけ啖呵を切っておいて恥ずかしい話だが、、、頼みたい事がある。」
「出来る事とできない事はありますが、まずは話を聞いてから判断させてください。」
「立ち話もなんだ。お前らが泊まれる家を用意する、あの少女を休ませている家だ。一休みしたら村の孤児院まで来てくれ。」
「よろしいのですか?俺達が皆さんの不安を煽る事になるのは本意ではありません。」
意地の悪い質問かと思ったのだが、俺達は一度、村に入る事を拒絶されている。
曲がりなりにも魔王となっている俺を招き入れる事が村人を不安にさせる事を恐れたからだろう。
こちらから配慮を見せておくことで、こちらの動きを不安気に注視している村人達に謙虚な姿を植え付ける。
慎重すぎるかもしれないが、魔王であるこの身はそれだけで人心の不安となるのだろうから。
「あの時は、すまなかった。これだけの大恩を受けた相手を門前払いにするような奴はこの村にはいない。」
じぃじ様の言葉に村の中からこちらを伺っている人たちも納得の雰囲気を見せる。
思いもかけず、魔王である事を隠す必要のない足掛かりとなり得る場所が手に入った気がする。
だが、俺を案内するじぃじ様の、なんだか寂しそうな背中が、俺を無性に不安にさせた。
チキンは相変わらず。
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小説書くのは難しいですね。
特に頭の中のイメージを相手にわかるように表現するのが難しいです!!
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