表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/34

クリスチャン

 え?猫?猫がソファに……あ!


「クリスチャン!」

「なんだよ。驚いて。俺がたまに顔出すのはいつものことだろ?」


 そうだ。ここはファンタジーの世界だった。クリスチャンは放浪の旅をしている猫だ。この世界では動物が喋るのは珍しいことではない。しかもクリスチャンは三毛猫のオスだ。地球では三毛猫はメスがほとんどだから、この世界での遺伝子はよくわからない。

 クリスチャンは時々うちに来ては、旅の話をしてくれる猫だ。


「ん? ……お嬢、人払いをしてくれ」

「クリスチャン?」

「たまには二人でゆっくり話すのもいいだろ?」

「……そうね。ナタリー、お茶を淹れたら下がってちょうだい」

「かしこまりました」


 ナタリーを始めとして、他の側仕えも下がらせてからクリスチャンが口を開いた。


「お前、誰だ?」


 やっぱり。クリスチャンには「佐藤章子」としての私がわかるんだわ。


「クリスチャン、正直に言うわ。私は以前『佐藤章子』という名前だったの。その頃の記憶が戻ったのよ。でも、アンジェリアとしての記憶もあるわ」

「へえ、そいつは面白い。前世を思い出したってことかい?」

「ええ、そうよ。私は以前、暗殺集団に属していたの。だからこれからは体を鍛えたいのよ。クリスチャン、協力してくれない?」


 この際だわ。「猫の手も借りたい」ものね。意味は違うけど。


「ナイフと軍隊に入れる服が欲しいの」

「軍隊? お嬢が?」

「お願い。他に頼める人がいないの」

「面白いじゃねえか。お嬢がどこまで出来るか見せてもらうぜ」

「ありがとう! クリスチャン!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ