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慈悲を乞う奴隷の少女、主人は圧政に抗いながらに罰を下す

店員「おらぁ! 働け奴隷がぁ!」パシィン!


奴隷124番「……」


店員「なんだその反抗的な目は!? また夕食を減らされたいのか124番? それとも電気ショックか!?」


奴隷124番「……」プルプル


店員「へ、震えたって誰も助けにこねえよ!」


奴隷150番「やめんかバカモノが!」ドゴォ


店員「ぐお!! こ、この…お前も反抗する気か150番!」


奴隷150番こと主人「こんな怯えた子供相手に暴力と脅しを使うなど人間として恥ずかしいとは思わんのか…それが例えカッパであってもだ!」


奴隷124番「か、カパァ……」プルプル


店員「うるせぇ!ここに売られてきたお前もあのカッパ共と同じなんだよ! この回転寿司の地下でキュウリを食いながら一生寿司を作るんだ!」


主人「果たしてそれはどうかな?」


店員「な」


 ドガン!!


店員「な、爆発!?」


主人「他の子カッパ達に爆薬の作り方を教えて準備をさせてきた……今日がこの狂った寿司屋の命日というわけだ」


奴隷124番「か、カパァ!」


主人「さあ行くぞ。外で君達のご両親が待っている」


店員「く、このまま逃がすと思うか!!」


主人「邪魔をするなこの三下が!」ドゴォ!!


店員「あばぁっ!?」


主人「ふぅ、やっとキュウリとかんぴょう以外のものが食えるようだな」


奴隷124番「カパァ!カパァ!」


主人「はは、嬉しいのか。さて、俺もやっとアレができるな」


奴隷124番「カパ?」


主人「おのれあのクソ奴隷がぁぁぁっっ!!!!」


奴隷124番「」


主人「よくも俺を回転寿司屋の地下工場に叩き売ってくれたなぁぁぁ!!! カッパが働いてる寿司屋ってなんなんだよここはよおおお!!!?? 帰ったら覚えとけよドグサレ奴隷がぁぁ!!!!」


 △ △ △



主人「今帰ったぞゴミクズ奴隷がよおおお!!!」


奴隷少女「あ、おかえりなさいませ奴隷150番様!」


主人「うるせえよおおバーカバーカ!! 誰が150番だよこの野郎おおお!!!?? よくも俺を寝てる間に回転寿司屋に叩き売ってくれたな!! しかもなんだカッパが働いてる寿司屋って!?? カッパって本当にいたんだな、めちゃくちゃ驚いたわ!!」


奴隷少女「某回転寿司ではカッパが地下労働してるのは有名な都市伝説でして……というかカッパが本当にいるわけないじゃないですか。やだなぁ人を騙そうとするなんて」


主人「いたの!! カッパ本当にいたんだよッッ!!! マジで!!」


奴隷少女「はいはいそうやってかつごうとしてもですね、いくらなんでもカッパがいると言われて本気にするわけないじゃないですな。ムーの編集部でも食いつきませんよ今時は」


主人「だから!! 本当にカッパいたんだよッッ!!!! 緑色のちっこいのが沢山!!! なんで信じてくんねーんだよ!!!」


奴隷少女「ほらもうすぐ夕飯の時間ですからこの話はこの辺にして早く作ってください」


主人「もおおおおお!!!! おめーなんか仕置してやるぅぅ!!」


奴隷少女「ええ……」


 △ △ △


主人「焼きしいたけ。しいたけの旨みがダイレクトに味わえる」


奴隷少女「……」


主人「茹でしいたけ。しいたけ茹でただけ」


奴隷少女「……」


主人「しいたけのしいたけ詰めの唐揚げ。しいたけの傘の裏に刻んだしいたけをつめて唐揚げにした1品。芳醇なしいたけの味わいと香りが絶妙」


奴隷少女「……」


主人「炊き込みしいたけ。大量の刻んだしいたけを炊き込みご飯風にしたもの」


奴隷少女「ごべんな゛ざぃぃもおじいだけやでずぅぅ……」


主人「しいたけのポタージュ。しいたけをしいたけ出汁で煮てすり下ろしたスープ」


奴隷少女「もおしいたけやだあああ!!嫌いいい!!」


主人「しいたけの焼きそば。しいたけを細切りにして醤油塩コショウで焼きそば風に炒めたもの」


奴隷少女「許してええええ!!!」


主人「しいたけのアイスクリーム。しいたけを乳製品とあわせアイスクリームにしたもの」


奴隷少女「デザート……これで、これで終わるの……?」


主人「しいたけ風呂。干ししいたけをふんだんに使ったラグジュアリーな空間で楽しむ極上のしいたけ体験をお楽しみください」


奴隷少女「いやああああ!!!??」


主人「このあとはしいたけを敷き詰めたベッドも用意して枕元で俺が作詞作曲してニコ動に上げたら再生回数3回だけだったしいたけを讃える歌を歌ってやるから楽しみにしとけよこの環境基本法違反公害奴隷がぁぁぁっっ!!!」



 △ △ △


奴隷少女「ご主人様お許し下さい!」


 華奢な少女の声が、悲痛に響く。


主人「いいや許さんぞこのゴミ奴隷が!」


 肥満体の中年は、その光景に怒号を飛ばす。


奴隷少女「どうか、どうかお慈悲を!」 


 少女の頬は涙で濡れていた。泥で汚れた古いメイド服。


主人「おまえまた屋敷爆破しやがったなぁぁ!!! 見ろ! また青空の下の生活に逆戻りだ!!」


奴隷少女「申し訳ありませんご主人様!! でもご主人様にはこの青空のような自由な心を失ってもらいたくなくて!」


主人「家がない生活は自由とはいわねぇよこのスペースデブリ奴隷がぁぁ!! 今度はなにやったんだよおめえええ!??」


奴隷少女「実は……家の掃除をしようと思ったんですが、御屋敷は広すぎて私の手にあまりまして」


主人「掃除大変だと愚痴ってたからルンバ10台も買ってやったのにまだ不服なのかよテメェ!」


奴隷少女「『 取りあえず臭いとかなきゃいいかなー』って思ってですね。私なりに考えて」


主人「いやよくねえだろちゃんと掃除しろよ。うんそれで」


奴隷少女「消臭スプレーを50缶ぐらい噴射しまくってみたんですよ。それで疲れたしコーーヒーでも飲んで一服しようかなってガスコンロに点火したらドカンと」


主人「あああああほっ!!!! どっあっほおおっ!!! アホ界の期待の寵児かお前はよぉおお!!!」


奴隷少女「いやーもしものために耐爆スーツ着てて正解でしたよ。ほんと危機一髪」


主人「ガッツリ確信犯じゃねぇかよおおおおお!!」


奴隷少女「あ、ご主人様、それは誤用です。確信犯は『 悪い事だと知っててとぼけてる』ことではなくて『 それが道義的に正しいと思って犯罪をすること』です」


主人「うるせええええええええ!!!! 仕置の時間じゃああああ!!!!」


 △ △ △


主人「よし、読み上げてみろ」


奴隷少女「はい……『体を持て余した淫乱団地妻です。あなたに石油王の旦那の遺産である原油1億ガロンを受け取って欲しいのです』ゼロ件」


主人「うん、次」


奴隷少女「『彼氏募集中の巨乳女子大生です。私に大人の恋愛を教えてくれませんか?私は代わりに大学で所属してるクラブのルールを教えます。ルール1、ファイトクラブのことを口外にするな。ルール2、ファイトクラブのことを口外するな。ルール3』2件」


主人「次」


奴隷少女「『旦那が殺人カンガルーに殺され5年が経ちました。私は元気です』4件」


主人「うーん惜しかったな。次」


奴隷少女「も、もお無理ですうう……!」


主人「うるせーな!! オリジナルで迷惑メールの文面考えて5件返信をもらうまではこの罰は終わんねーんだよこのアホ奴隷がぁぁあ!!!」


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― 新着の感想 ―
スプレーの件は札幌の事件を思い出すから笑えない
相変わらずのテンション! 新作が来ると最初から読み直したくなっちゃうんだよなあ
あいも変わらず面白いのですw
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