表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/51

慈悲を乞う奴隷の少女、主人は終わる今年に思いを馳せながら罰を下す

 ゴォーン ゴォーン


主人「聞けクソ奴隷よ……年末の鐘の音は魂が洗われるようだな」


奴隷少女「そうですねご主人様」


主人「人の煩悩の数、108つに合わせ108回鐘を叩くという。しかし人間の煩悩がたった108に収まるとはとても思えんなぁ」


奴隷少女「そうですねご主人様」


主人「今年は色々とありすぎたからなぁ。来年こそはなにか良い話があればいいのだが」


奴隷少女「そうですねご主人様。あの」


主人「なんだクソ奴隷よ」


奴隷少女「私、いつこのぶら下げられた木から降ろしてもらえるのでしょうか。とても寒いんですけど。あと孤独のグルメ年末スペシャルやるんでそっちみたいです」


主人「来年になってからだよバァーカ!! 大体このくそ寒い年末になぜこうなったのかいってみろこのクソボケ奴隷が!」


奴隷少女「え、えーとご主人様が暖房の効きがイマイチだなとおっしゃるので殺虫剤とライターで手製の火炎放射を行おうとしたのですが、間一髪でご主人様がライターを叩き落として防がれまして」


主人「うんそれから」


奴隷少女「その程度はまあ予測の範囲内でしたので、隠し持っていた瓶からガソリンをご主人様にぶっかけてマッチで暖めて差し上げようとしたのですが、これもご主人様が降りかかる液体を回避するという驚異のディフェンスを見せて失敗」


主人「うんそれから」


奴隷少女「これはもう奥の手の出番かなと天井にしかけてあった対人地雷(クレイモア)を起動、私は同時に対散弾用防御繊維を編み込んだこのメイド服を頭から被り防御したのですが、ご主人様はその辺にあったゴルフクラブを高速回転させてベアリング弾を完全に防ぐというまたも異常なディフェンスで失敗。

これはもう最後の奥の手を切るしかないと部屋から脱出してですね」


主人「おまえ奥の手いくつ持ってんだよ……」


奴隷少女「年末の特売で買ったプラスチック爆弾を起動させたのですが、ご主人様も部屋から逃げ出していたため結局お家を吹き飛ばしただけで終わってしまいました……」


主人「ましたじゃねぇよこのボンクラ奴隷がよぉぉ!! お前が慌てて逃げ出すからなんかイヤな予感がして慌てて部屋逃げ出して助かったわ!!」


奴隷少女「ご主人様がご無事で私も嬉しいです!」


主人「黙れこの破壊神奴隷がよおおお!!! どーすんだよこのクソ寒い年末に家無き子じゃねぇか! 大工さんも年末お休みなんだぞ!!」


奴隷少女「でも、ご主人様と一緒にこの鐘の音が聞けましたね……」


 ゴォーン ゴォーン


主人「鐘の代わりにお前の頭をど突き回して煩悩叩き落としてやりたいわこのゴミ奴隷め……!」


奴隷少女「あのご主人様……」


主人「なんだよこの野郎……」


奴隷少女「おなか空きました」


主人「あのなあ……今年は本場会津のそば打ち名人おばあちゃんから習った俺の腕を生かして一丁蕎麦でも打とうかなと道具揃えてたのに全部吹き飛ばしやがってよぉ……」


奴隷少女「カツ丼食べたいです」


主人「せめて『おそば食べたいです』くらい言えよコンチクショウ……」


主人「……俺も腹減ったなぁ」




 △ △ △ 


主人「いいか今日はもう疲れたからお前の罰は明日考えるからな! 覚えとけよこのクソ奴隷!」


奴隷少女「わーいお蕎麦屋さん!!」


主人「おい親父、えーとなにしようか、かけにしとくかなあ」


奴隷少女「私カツ丼!」


主人「だから年越しなんだから蕎麦にしろよお前は!」


???「旨いですわ!」


主人「……?」


貴族令嬢「蕎麦屋の天ぷらは命たる汁との相性を重視して厚め、そこに汁を吸わせ一口!」ガブー


貴族令嬢「そして蕎麦屋飲みの日本酒の代名詞、剣菱の熱燗で追いかけるッッ!」グビー


貴族令嬢「ハッピーニューイヤー!!」


貴族令嬢「ふぅ……天ぷらで一杯で済めば後はメインの蕎麦……ここはかけではなくざるでさっぱりと……!」ズルズルズル



主人「なんだあの貴族みたいなドレス着たやつ……!?」


奴隷少女「うるさいんですけど頭のおかしい人なのかな?」


主人「言葉にオブラート使えよバカ」


貴族令嬢「ふぅー、蕎麦湯も堪能しましたわ。お勘定!」


主人「……なんなんだありゃ? まあいいや、今日は疲れた。親父、剣菱の熱燗! あと天ぷらそばのざる! 今夜は呑む!」


奴隷少女「私カツ丼大盛り!!」



今回のゲスト出演した貴族令嬢が出てくる話はこちら


「貴族令嬢がジャンクフード食って「美味いですわ!」するだけの話」

https://ncode.syosetu.com/n2239ge/


気が向いたらお読みください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読いたしました。 文字を使った四コマ漫画を凄い勢いで見ている気になりました。 ありがとうございます。
[良い点] まさかのコラボ来た! [一言] どちらも好きで更新追いかけてます!今年も続きを楽しみに待ってます!
[一言] 流石のご主人も元旦はお仕置き自重したのか。 メイドは相変わらずだが。 そしてまさかの令嬢登場! 旨そうに飲み食いしていたら釣られるよね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ