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ゾンビだって必死なんです!  作者: 木村カロム
第一章 HELLO NEW WORLD
5/6

死亡フラグ


「お前生存者か?」

金髪ピアスの青年が聞いてくる


「ええそうですよ」

なぜか敬語で答えてしまった


「はぁ〜〜〜、まじビビった〜〜殺人とかマジ勘弁だわ、マジで」

前髪を片手でクルクルしながら言う金髪ピアス


「あ、あの…皆さん大丈夫ですか?」

「あ”?大丈夫なわけないっしょ。ゾンビいんのによ」

ですよねぇ〜ハハハ

「あ”?なに笑ってんの?マジウゼ、てかここヤバいからコッチこいよ」

そう言いながら金髪ピアスはバリケードから2番目のドアを開けて入ったので続いた

ドアに付いているガラスには布が掛けてあり、光が漏れないようにしてあった

中に入ると3人と金髪が

ドアが閉まる音が聞こえたので振り返るとさっき顔を出していた女性が立っていた

「生きてたやついたわ」

金髪ピアスが筋肉質であご髭が映えたヤツに声をかける

「ん、てめーどっから来たよ」

「あ、外からです」

「お前食いもん持ってんのか」

「あ、ありますよ」

「出せ」

んーなんともTHE横暴☆

とりあえず逆らっても仕方ないし、リュックからおにぎりと菓子パンを出す

金髪ピアスがリュックを攫ってヒックリ返すが床には文房具と教科書が散乱した

「ちっ、こんだけかよ」

「俺、明太子がよかったわ〜」

テメーの好みなんか知らねーよ金髪ピアスめ

おもむろにグラサンと金髪がおにぎりを食べ始める

それを物欲しそうに気弱そうなゼミの先生と女が見ていると

「めてーらにもくれてやる」

そういいながら、菓子パンを放り投げた

「ああああああぁ、ありがとううございますううう」

「……ありがとう」

それ、俺のなんだけどなー

とりあえず、みんなが食べ終わるのを待つ事にした

みんな飲み込んで一息ついた思い声をかけてみる

「あ、あの、生存者はみなさんだけですか?なにがあったか教えてもらえます?」

「あ"ー、昨日の夕方そこのカフェに居たらダチから電話が掛かってきてよ。やべぇゾンビだ!逃げろ!今からそっちに行く!ってことで急遽バリケード作って立て篭ったわけよ。まあそのダチは来なかったけどな。このおっさんもそこのねーちゃんももともとここに居たわけ。あとは交代で見張りしてたってわけよ」

「交代なんてしてねぇじゃんよ(笑)」

「うっせーな、どうせテメーも楽しんでたんだろうが」

よく見ると女性の服が若干気崩れている

気付いた女性が恥ずかしそうに目線をそらした

なんだこいつらただのクズか


「まあなんだ、外から来たってことは大丈夫なんだろ?」

「まあ "俺" は大丈夫でしたよ」

「こいつが外出歩けるくらい余裕じゃんか、心配して損したわー」

金髪が前髪をクルクルしながら言う

「じゃ、食ったしそろそろ移動すっか」

グラサンがゆっくり立ち上がり深呼吸をする

「ねーちゃんは来い、おっさんは前あるけ」

先生も女性も一瞬ビクッとして頷く、ここに残されるよりはマシだよね

「じゃあテメーは案内しろ、わかったか?」

なにこのテキパキ系ヤンキー、もう俺もPTの一員ですかそうですか

みんなが立ち上がり俺に視線を向ける

冷ややかなものだったり、不安そうなものだったり、期待するものだったりを浴びながら

俺は入ってきたドアを開ける



カチャ


静かにドアを開け回りを見渡すがだれも居ない

ゼミ棟にはヤツらは少ないのかもしれない

バリケードまでいき、来たときと同じように崩して通る

それに続くように先生、金髪ピアス、女性が通り最後にグラサン

グラサンが通ろうとしたら思いのほか狭く、イスにぶつかった


ガタンッガガッバンッ!


空気が一瞬で凍る

皆が息をのみだれも動こうとしない


バンッ、、、バンッ、、、バンッ


金髪の後にある部屋からドアに何かがぶつかる音がする

何かとはさっき閉じ込めたヤツらなんだけどね

金髪が予想以上にビビって腰を抜かしてしまった

女性がすかさず俺の後に回る、ついでに先生も

先生なんだから隠れないでくれよ(笑)


グラサンは固まっていた意識からハッ醒めて急いで抜けようとするが

なかなかバリケードを突破できない


バンッ、、バンッ、、、バンバンバンバンバンバンバン

閉じ込めた2体目もドアにぶつかり始めて音が大きくなる

「おいテメエら置いてくなよ!」

あ、これは死亡フラグたったな、っと思ったタイミングで

部屋のドアが勢い良く開いてヤツらが出てきた


「あ”ああああ”ああぁぁぁ」「う”ぁあああぁあ」

実にソンビらしい登場したヤツらの1体がコッチに向かってくる

女性が握る俺の腕にすごい力が入る、こんなシチュエーションだからか全然痛くない

お化け屋敷だったら萌えイベントなんだろうなと空想が膨らむ


おっと、妄想している間に近づいてきたさて逃げよう


「おい!お前ら逃げんじゃねーよ!!置いてくな!」

いやいや無理でしょ!逃げなくちゃね

俺は女性の腕をとり階段に向かって走りだした

階段を降りるときに見えたグラサンの顔が今にも泣き出しそうなのが印象的だった

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