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ゾンビだって必死なんです!  作者: 木村カロム
第一章 HELLO NEW WORLD
3/6

身近な死


ピピピピピピピピッ

カチッ


ノソリと布団から伸びた手が目覚ましを止める


もう12時か、思ったより練た気がしない

3時間ほど寝たあたりで、空腹で目が覚めてしまった

いつもはあれだけ食べれば1日持つはずなんだけどなぁ


ゆっくりと布団から体を起こし

朝買って来たもう1つのカップ麺をさっと作って食べる


ふー、腹ごなしはしたし

この後はどうしようかな


とりあえず、大学とバイト先は確認しないと

無断欠席で単位落とすのも嫌だし

同じクラスで絶賛片思い中の高嶺さんは無事なのか知りたい

それに、バイト先もどうなってるか見ておきたい

携帯も壊れたし、ケータイショップにも行ってこないとな


押入から空のリュック引っぱり出し

菓子パンと今日の授業の教材を入れる


うーん、頬の傷を見たらバイト先で衛生上ダメだとか色々言われそうだな…

洗面所の鏡を見ながらどうしようか悩む

マスクをして風邪だとごまかす事にした。


簡単にガーゼとテープで傷を隠す

マスクに血が染みないようにしないとな

うん、いい感じ




さて出かけるか

ガチャッ

ドンッ


あれ?ドアの前に誰か居るみたいだ


「あの、すいまs…」


ガシッ

空けたドアの隙間から手が入ってきて引っぱられる

反射的にドアを締めようとするが力が強くて閉まらない


「え?!ちょっとなんだよ!はなせって!」


ドアの隙間が少しずつ大きくなっていく

そこにいたのは見知った顔だった


その手の正体は大家さんだった

隙間から見えるその顔は違った

片目が潰れていて首から大量の血が流れた後がある

服は…いつものヒョウ柄のエプロンだな…ってそんな場合じゃない!


男の中でも力は弱い方だけど、さすがにババアに負ける程弱くはない

しかし、ゆっくりと隙間が大きくなる


「あ”ぁあああぢいいいぃいぃん”んんあ”あああ」


なんか言ってる?!

もしかして、家賃って言ってるのか?!

でも先週払ったしちょっと早過ぎやしないかい?!


「あの!!払ったと思うんですけど!!」


「あ”ぁああぢいいいぃん”んんあ”あああぢいぃん”ん”ん”ぁああ!」


聞いてないぞこのババア!

って力がどんどん強くなる!ヤバい!ヤバい!

さらに踏ん張ろうと一歩踏み込むとそこには脱ぎ捨てたサンダルがあった


ズルッっと力が逃げるのが分かる

力が無くなった手からドアノブが離れていく


デコピンの要領で放たれたドアは勢い良く開いていき

大家さんにぶつかった


ドンッ!ガンッ!バキバキッ!!

……

ボギャグジャッ


勢いのついたドアにぶつかり

大家さんは老朽化したアパートの柵を派手に壊し

頭から地面にダイブした

コンクリートに頭からダイブすればどうなるかは想像に易い

鈍い破裂音が響き頭の中で木霊する


一瞬目の前が真っ白になりその場で尻餅をついてしまった


……………………………

…………………

…………


どのくらいそうしていただろう

気がついた時にはさっき食べたラーメンが足元に広がっていた


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