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汝は裏切り者なりや?×俺の彼女は龍女神  作者: 原案・テキスト 松野心夜 俺の彼女は龍女神の原作・ろいはち
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第五話  Lucky girl and night dragon

三階。ナオや雅樹の気配はまだ感じ取れない。

 ここに犯人はいないのでは無いか、と思ってしまい始めていた。

 だが敵の気配には、少々敏感になり始めている。

 俺の後ろに拳銃を向ける者がいることにも、気付いた。

「お前、敵だろ?」

「気付いちゃったみたいだね」

 少し低めな女の声。

 彼女は回り込むように、俺の目の前に現れた。

 女性にしては高い身長に、白い短髪。肌は病的に白いが、顔は中々の美少女。

 赤いブレザーに緑のベスト。朱色のネクタイ。

 こいつが男だったら、どっかのゲームで見たことある感じだ。

 確かダンガン・・・・・・。

 いや、そんな事を考えてる場合じゃない。

「お前は?」

「ボク? ボクは琴柄凪。

アビリティは幸運かな」

 やっぱり見たことがあるな。

「はあ・・・・・・」

 何だコイツ、敵を目の前にして。

「睨まないでよ~。

ごめんごめん。キミが平凡過ぎて、ちょっと退屈しちゃっただけだよ」

 コイツ、心から殺しに来てるのか?

「でも別に、平凡って悪いことじゃないと思うよ。

だって世界の九割は平凡な人間で出来てるわけだし。

そんな人間がどんな人に感情移入出来るかって言ったら。

同じような人間――つまり平凡な人間に感情移入出来るわけだよ。

だからキミは、平凡であることを誇っていいと思うよ?

平凡だからこそ、キミは主人公になれているわけだからさ」

 主人公? 俺は別に自分が主人公だと思ったことは無いが。

「さっきから何なんだ?

俺の戦力を削ぐ作戦か?」

「とんでもないよ。ボクみたいなクズがキミの戦力を削げるわけが無いよ。

ね、龍夜クン。

キミには希望を背負って貰わないと困るんだ。キミはボクの屍を乗り越えて虎賀クンと炎波クンを助けるつもりなんだよね?

だったら、ボクを希望の踏み台にしてよ」

 琴柄は拳銃を、俺のおでこに向ける。

「さあ、早いところ始めよう。

ボク達死人は、夜中しか戦えないからさ」

 拳を握る。

 幸運、ということはその力で俺を殺すかも知れない。

 見た所、琴柄は他のファイターと比べると、筋肉などはまるで無く、戦いそうな雰囲気ではない。

 ということは、運良く彼女に拳が当たれば俺の勝ちだと思う。

 俺は琴柄が発砲するタイミングを見計らう。

 引き金を引く。

 俺は普通に躱そうとする。だが。

「おわあああ!」

 銃弾は何故か、右腕に吸い込まれるように入った。

「おっと、今は腕に撃つだけで済ましたけど、これ以上戦うつもりなら心臓を狙うよ?」

 どうせ偶然だ。

 そう思っていたが。

「じゃあボクが幸運である証拠を見せてあげるよ。

見ててね」

 琴柄は拳銃を窓ガラスに向ける。

 三度の発砲。適当なのに、全てが窓ガラスに命中し、同じように割れた。

 これが彼女の幸運。全てが思い通りになる、幸運。

「どう?

これで分かったでしょ? ボクに勝つのは無理だよ。

どんなに頑張っても二人は助けられないし、ボクの幸運には勝てないんだよ」

 俺は拳を再び握る。

 彼女が言うことは全て完璧だ。だけど俺はそれが許せない。

 だから俺は、どうやっても彼女の幸運をねじ伏せる!

「うおおおおおおおおお!」

「さーて、そう簡単にいくかな?」

 俺は琴柄の顔面に拳を叩きつける。

 琴柄は何故か吹き飛んだ。幸運なのに。

「あれ?」

「うーん、キミを殺すのは飽きちゃったな。

遠山さんやキミの友達を助けるの、ボクにも手伝わせてくれない?」

「は?」


松野心夜です! 久しぶりの更新です。

今回は琴柄凪さんに登場してもらいました。

コラボものに、またコラボさせるという危ない話ですが、楽しんで戴けたでしょうか。

では、明日次を書きたいと思います。

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