第三話 A soldier who dies soon and an old man
校舎内。夜の学校はとにかく怖い。
多分連中が生前体験したVRとやらでホラゲーをやったらこうなるのかなー、と俺は勝手に妄想しながら恐怖をどうにか紛らわす。
「はあ・・・・・・。ここだっけ? 次の敵が現れるのは?」
地図のメモ通り。爆発音と共に、アメリカ人男性が現れた。
アレ、こいつも死人だよな?
デスゲーム参加者だったの?
どうしよう? 英語で話すべきか?
「ハ、ハロー。ア、アイアムアユムリュウヤ!」
ネイティブな発音とか出来ねえよ俺。
「大丈夫だ。俺は別に日本語を話せる」
ナイフを取り出しながら、黒人男性は言う。
「しゃべれるなら教えてくれよ!」
ってそうじゃなくて。
「俺は龍夜歩。お前は?」
「俺は軍人、ダリル・デクスター。
いざ尋常に、勝負!」
日本語達者かよこの外人!!
ダリルはナイフを握り突進する。彼らの世界では、俺達の世界のように生まれつきチカラを持てないらしいから、彼も多分アビリティを隠して軍人としての実力のみで戦うだろう。
ナイフが勢いよく俺に向かって放たれる。
相手は軍人ではあるが、動きは簡単に予測出来た。
赤野と同じで、大したことない。
右腕を引き絞り、思い切り突き出す。
それだけで、軍人は竹とんぼのように宙を舞い、教室のドアに激突して消え失せた。
――いや軍人って何ですか?
まあいいや。先に進もう。
次は一階から二階の踊り場に現れた。
白髪が生えたおっさんにしか見えないが、がたいは中々良い。
コイツからは、さっきの軍人と違って強そうなオーラを感じた。
「まあどうせ次も楽に勝てるんでしょうよ」
あ、格ゲーの爺キャラって案外強いっていう事実を忘れていた。
「ワシは容易く倒すことは出来んぞ。
ワシは魂魄早雲。いざ尋常に勝負!」
俺は拳を握る。魂魄は握らない。
一斉に駆け出した。
飛び出しながら、俺は右腕を引き絞る。
そして魂魄よりも早く、攻撃を当てれば、あとはこちらが優位に立てる。
その意思を込めた右ストレートを放つが。
魂魄が、急に速度を落とし、俺の拳が当たるのを回避した。
そして俺の目にも止まらない速さで魂魄は俺の右拳を左手で掴み、空いた方の右手を握り、俺の腹に叩きつける。
「・・・・・・・ごはっ!」
殴られた衝撃で口から苦しみの声を漏らしながら、俺は壁に激突する。
立ち上がって、再び駆け出す。
拳を握り、そのまま魂魄を殴りつけた。
魂魄は爆散して、消え去る。
次に行くか。
松野心夜です。コラボ3話目です。
魂魄&ダリル戦ですが、ダリルの戦闘が意味が無いように見えるのは仕様です。
(実際原作でも数行で出番終了した)
魂魄のじっちゃんは、まあ爺キャラということで、僕が萎えました。
はい。今回はギャグとして見て戴ければ幸いです!
では次回から本気出します! ダリルとじっちゃんは永遠に報われません!