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Sacred Devil  作者: リールス
1/1

契約、そして始まり



川が流れる小さな野原。

たった一本だけ立つ大きな木。


その野原の中を二人の男女が歩いていた。


男の方は、黒いロングコートを着て、その下には、赤いジャケットを着ていた。

背中には、細身で装飾の鮮やかな聖剣クラナドを背負い、聖剣士ネオは、付き合って3年で幼馴染みでもある彼女と二人だけの時間を過ごしていた。

「ねぇ、ネオ。教会の方はどうなの?」

「マリアンヌ・・教会の上の人達が、僕を問題児扱いしているのは知っているだろう。状況は全く変わっていないよ。」


「そうよね・・いつも単独行動しかしないものね。」

「それが問題らしいんだが、なぜなのか分からないんだ。なぜ聖騎士団エルコードスが、複数で動くのかが・・・」


「仲間・・・の為?」

「そうなんだろうな・・・さて、教会に戻るか。」

「そうね。」




教会は、野原の端にあり、何人もの聖剣士が常にいた。


歩いて教会まで行き、ある人物に話かけた。


「よぉ、リドナー。」

「よぉ、ネオ。」


「今日は居眠りか?」

「あぁ、しょうがないさ。3日間ずっと使徒と剣で切りあってたんだ。正直眠くなるよ。」

「そうか。あ、カルマスさんはどこだ?」

「カルマスさんは、いつもの部屋にいるぜ。」



いつもの部屋・・・聖騎士エルコードスの像がある部屋。通称、聖室。













聖室にて・・・



「よぉ、ネオ。」

「こんにちわ、カルマスさん。お呼びでしょうか?」


「あぁ、深刻な問題でな。」

「?・・・というと」

「お主も知ってるであろう。グランクオーブ。」

「えぇ。知っていますが、それが何か?」

「奴らが再び動き出した。」

「なぜです?グランクオーブは3年前にこの手で、この聖剣で壊滅させたはずです。」


「じゃが、壊滅していなかったと考えるしかないんじゃ。それで、今回はネオにも戦いに加わってもらう事になった。」


「分かりました。」

「聖剣は、刃こぼれしない。聖なる力を秘めておる。大切に使うんじゃぞ。」


「はいカルマスさん」

「あぁ、そうじゃ。エルコードス最高騎士として言っておく。決して何があっても聖剣は取られてはならぬぞ。」

「分かってますよ。では。」

「・・・気を付けるんじゃ。」


















広場にて


「ネオ!出発だ。」「あぁ、分かった。」

すると、その時、聖騎士長らしき人物が叫んだ。


「戦闘配置だ。空から何か来るぞ!!」


ネオとリドナーも空を見上げる。


空は赤く、焦げた様な雲が張り付いていた。


その中の1つから、たくさんの光が、降ってきた。


「きたか。グランクオーブ。」

「頼むぜ。選ばれし選手殿。」

「ハ、ハハハ。さぁ、来たぞ。」


光が、少しずつ人の姿に変わっていき、そして、爆風と共に聖地に舞い降りた。

「攻撃〜!!」

漆黒の仮面を被り、闇の力を秘めた刀を持った闇剣士が次々に聖剣士に切りかかる。


そして、広大な草原は、戦場と化した。


聖剣士達が次々に倒れていく中、黒い仮面を被り、聖剣クラナドと正反対の色、装飾の闇剣クロードを背負った男が、聖堂の中にいた。


次々に聖剣士が切りかかるが、彼は全て見切った用にかわし、聖剣士全てを殴り倒した。


「ふん。こんなヘボいものか。聖剣士とは。」


聖堂の中を、音もなく歩く闇剣士。


しかし、聖騎士エルコードスの像の前で足が止まった。


「ほぅ、ワシの気配に気付くとはな。お主闇剣士か?」

「いかにも。聖騎士エルコードスとは、真逆の存在である闇騎士グランクオーブの後継者だ。」


「名前は?」

「レオだ。」

「ネオと一文字違いか。」

「聖騎士長カルマス殿。あなたを倒しに来た。」

「分かっておる。」


そう言って、カルマスは刀を抜いた。


「では、始めましょうか。」

「いいだろう。」


















聖堂、エルコードスの像の部屋の上の部屋にて。



「マリアンヌ様。あなたをここに呼んだのは、闇剣士があなたを狙うからです。」

「そうね。」

「・・・・・」

「どうしたの?」

「どうやらお気付きの用ですね。」

「当たり前よ。ネオは聖騎士団の後継者。その恋人よ。私は。」

「素晴らしい考察力であります。」「で、アタシを拐うわけ?」

「簡単に言えばそうゆうことになります。」


そう言って刀を抜き闇に包まれ本来の姿に戻る闇剣士。


「甘いようね。アタシだって訓練位してるわ。」


マリアンヌも刀を出した。

闇剣士は、意外な顔をしたが、すぐに攻撃を繰り出した。素早い攻撃ですぐにマリアンヌは刀を落とし気絶した。

これが、最悪の物語が始まる前兆だった。

























広場にて


たくさんの光と黒い闇が、交差するなか、ネオは、早くも異変に気付いた。


「マリアンヌ・・・」


切りかかってくる闇剣士を振り払い、聖堂に走り出すネオ。


それを追うたくさんの闇剣士。


「狙いは聖剣クラナドか。残念ながら、手に入れる事は出来ないだろうな。」


そう言うと、クラナドに力を注ぎ、光を放つクラナドを振る。


光が刃となり、闇剣士を切った。





















聖堂、エルコードスの像の部屋にて。



ガキーン・・ガヒーン・・ガシャーン。


剣の鈍い音と、光と闇が行き交う聖堂の中。



レオもカルマスも隙を見せずに戦い続けた。

しかし、時間と共にカルマスは、隙が多くなり、遂に腕に鋭い一撃を受けてしまった。


「フッ。」

「チッ、影切りか。」


カルマスの周りには、レオが何十人もいた。


簡単に言えば影分身みたいなものだが、違うのは、分身を切ると闇の一撃が帰ってくるということだ。


「はぁ、はぁ。」

「ご勘弁を・・あなたを殺しはしませんよ。どっちみち年で自然にいなくなるんですから。」


「では、何が目的だ?」

「聖剣と、闇の唯一の悪魔、カルサルムです。」


首に刀の刃先をつきつけて静かに呟いた。

カルサルムとは、今では最後の闇の悪魔で、昔にグランクオーブを壊滅させた時に封印したものだ。


「フッ、カルサルムを解放しても聖剣は手に入らないぞ。」

「・・・?どうゆう事です?」

「アイツは・・!?」

「お分かり頂けましたか。」

いつの間にか、レオの手にはマリアンヌが掴まれていた。

「魚のエサです。」

「・・・」


そう言うと刀をしまい、漆黒の闇と共に、レオはマリアンヌを掴んで消えたのだ。

「不覚じゃな。」






















それから3時間程経った聖堂の中では、ネオが、カルマスに問いつめていた。


なぜマリアンヌに監視をつけなかったのか、


なぜマリアンヌを助けなかったのかと。

カルマスは、1つずつきちんと説明した。


助けれなかったこと、監視が闇剣士だったということ、全て話した。


「・・・カルマスさん。すみません。あの、しばらく居なくなりますが気にしないで下さい。」


「レオ・・・」

歩き始めたネオの足が止まった。

「!今何て・・」

「レオじゃ。さっき戦った闇剣士はそう名のっておった。」

「そうですか。」

「戦法といい、性格といい、弟にそっくりじゃった。」

「でも、弟ではないはずです。」

「崖に落ちた後、奇跡的に助かっていたとしたら?」

「証拠はあるんですか。確信は?」

「ほら、受け取れ。」


そう言うとカルマスは、小さな鍵を投げ渡した。


「何の鍵ですか?」


「精悪箱の鍵。さっきの戦いで、密かに取っておいたんじゃ。」


「この鍵は、弟が持っていたはず・・・」


「助けに行くのなら急いで行ったほうがいいぞ。聖騎士団の終りが近付いているからな。」

「ありがとうございます。では。」

「この際なんじゃ。箱の開封も許可しよう。」


その言葉には振り向かず、ネオは歩いた。















悪魔の封印部屋にて



部屋の真ん中にある、悪魔の箱。


何のためらいもなく手を伸ばし開けた。


その瞬間、部屋中に黒い、漆黒の炎が、広がった。


「ウワァァァ・・・!」


黒いマントをはおった、世界最後の悪魔、カルサルムが飛び出した。


「お前がカルサルム・・」

「あぁ、聖剣・・・」

「頼みたい事がある。」

「何だ?聖剣士とはいえ、解放してくれたのには、変わらない。言ってみろ。」

「悪魔の契約を・・・」


「聖剣をかついだ聖騎士がか。しかも聖堂で。」


「彼女を拐われた。助けに行くんだ。」

「まぁ、いいだろ。」

静かに言うと、闇と共に近付いて来て、

「手を出せ。」

と呟いた。

「分かった。」

ネオも手を出す。


「初めてだぜ。聖騎士に闇騎士の力を与えるのは。始めるそ。」


「いつでもいい。」


「闇剣クライストを授け、闇の力を使わす。」


その言葉と同時に、ネオの真下に紅い、円がつくられ、ネオは、円から溢れる漆黒の炎に身を包まれた。









しばらくして、儀式が終わると、背中には、聖剣クラナドと、闇剣クライストがあった。


服は、黒いマントにベルト、ブーツ。


聖剣士と闇剣士の中間な感じだが、威圧間は、凄かった。


「これが闇剣・・・」

「あぁ、そうさ。威力なら聖剣よりは上だ。ただ、使いすぎると、魂を削る事になる。」


「分かった。技は全て頭に入ってる。特性まで・・・」

「知らないと不味いと思ってよ。あぁ、でも、まだ全部ではないからな。あとは自分でなんとかしな。」


「ありがとう。」

「礼を言われる様なことはしつないが。まぁ、いいか。」


「手の紋章は?」

「力を注げば、オレと一体化出来る。簡単に言えばお前が悪魔になる。恐ろしいくらい力があるからな。」

「分かった。」


「あぁ、そうだ。オレはお前の後ろにいるからな。普通のヤツには見えない。見えるのは、聖剣士か闇剣士だ。」


「成程な。・・・じゃあ出発だ。」




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