4月△日 日記1
瑞希日記
4月△日
お父さん、お母さん、今日は報告したいことが沢山あります。正確に言うと昨日の出来事なのですが……。昨日は疲れてすぐに寝てしまいましたので、今日は早く起きて日記を書いています。日付は昨日の日付にしていますので、この後の記述も昨日の事を今日、一昨日の事を昨日と換えて書きますね。
まず、今日から学校の授業が始まりました。昨日入学式で、今日授業開始はちょっと早い気もしますが、こんなものなのでしょうか? 中学の時は授業開始までもう少し日数があったような気がします。あと、今日教室に行ったら真田君がいました。同じクラスみたいです。初めて寮で会った時に言ってくれれば良かったのにと思います。もしかしたら、真田君も気が付いていなかったのかな……? あと、前の席の広田香織ちゃんとお昼を一緒に食べました。初めて下の名前で香織ちゃんと呼んだ時にはとっても恥ずかしかったのですが、香織ちゃんが瑞希ちゃんと呼んでくれた時にはとても嬉しかったです。香織ちゃんは私と違って背が小さく、きりっとした顔立ちをしています。背の小ささも顔立ちも私と正反対なのでとっても羨ましく思っています。物怖じしないと言うのでしょうか、私と初めてお話した時も真田君に結構強い口調で私を庇うように言ってくれ、とっても憧れます。早く仲良くなりたいです。
それと、今日から訓練が開始となりました。霊力を使う練習をしましたが、霊力と言われてもまだピンときません。市田さんのように木刀を光らせる事が出来るか不安です。もし出来なかったら、特待生になれたのは間違いだったと言われて追い出されたりするのでしょうか……? あと、今日の訓練中、市田さんにお母さんのお話を少しだけ聞きました。いつも優しいお母さんは、本当はとてつもなく強かったのですね。木刀でコンクリートの壁を壊すって……。私もお母さんくらい強くなれますか? 「私の娘なんだから自信持ちなさい」って言ってくれますか? 話は変わりますが、今日一日でお母さんのイメージが変わりました。一緒に過ごした時間が短すぎて、お父さんとお母さんの事をあまり知らなかったんだなって改めて思いました。私の中の二人のイメージって、殆どがおじいちゃんや早苗おばさんからのお話を聞いた、私の勝手な想像だったみたいです。もしかしたら、市田さんやお父さんとお母さんの元同僚の方に二人のお話を聞いたら新たな発見があるかもしれません。少し興味深くもあります。
そして、今日は訓練の後、寮の皆さんが歓迎会を開いてくれました。とても嬉しく思うと同時に、とても気恥ずかったです。提案してくれた眞鍋先輩もちょっと気恥ずかしそうにしていて、少し可愛らしかったです。歓迎会では三井先輩やマロンさんが「大きくなりなさい」って、沢山の料理を取り分けてくれました。身長はもう十分と伝えたら、「育つところは他にもある」と言っていました。昔から、もう少し筋肉をつけようと沢山食べても全く体形が変わらないので、もしかしたら瘦せっぽちの私を心配してくれたのかもしれません。とても優しい二人です。あと、今日は三井先輩がお寺の跡取りという事を聞きました。三井先輩のお父さんは厳格な人なのでしょうか、頭を剃られると言って三井先輩は泣いていました。私は坊主頭の三井先輩を想像して思わず噴出しそうになりました。だって、あまりにも似合わないんですもん。何と言うか、王子様系のキラキラした顔の三井先輩が坊主頭になると胡散臭そうなんですもん。もしかしたら、表情に締りがないのもいけないのかもしれませんね。どちらかと言うと、白糸先輩の方が坊主頭は似合うと思います。柔らかい雰囲気の素敵なお坊さんになれそう……。真田君も似合いそうです。でも、近寄りがたくって、小さな子とかはビクビクしそうです。伊勢先輩は……サングラスをかけてスーツを着たらその筋の人に見えそうです……。話が逸れてしまいましたが、先日、マロンさんを凝視しすぎて傷つけてしまった失敗がありましたので、今日は精一杯笑いを堪えました。何とか三井先輩傷つけずに済んでホッとしています。三井先輩はとても優しい人で、座禅の仕方を教えてくれたり、うたた寝をしてしまった私に毛布を掛けてくれたり、風邪を引いてしまうと心配してくれたりします。本当に優しい先輩なので、傷つけずに済んで良かったです。




