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星。

作者: かっぱ

地球は壊れた…。


地球温暖化がどんどん悪化して、一年中異常な暑さ。冬なんてない。

海水の温度も、もはや熱湯に近い。海に住んでいた生き物は、当然絶滅。

空気中には、大量の二酸化炭素が充満している。

緑も完全になくなった。一面が、ビルや建物の灰色の世界。まるで生き物とは無縁の世界。


遂に、1人の男が立ち上がった。

彼は博士。

長年、あるものを作るために、研究室に閉じこもっていた。

遂に、完成したのだ。ロケットが。


博士は、急いで別の男の研究室へ急いだ。

その男は、星を研究している学者だ。


「遂に、遂に完成したんだ!!生き残った人間達が全員乗ることのできる大型ロケットが!!」

「おお!!よかったよかった!!実はこっちも、なんとか努力をすれば住むことができる、星を見つけたのだ!!」

二人は抱き合った。


これなら、人間絶滅の危機から逃れられるかもしれない。


博士は、緊急のために、地球のどこにいても聞こえるほど大量のスピーカーを設置していた。

「みなさん!!遂にこの地球から脱出することができます!!そこで、生き残っている人間全員を確かめるために、明後日の正午ピッタリに、我々が上空から見て回ります!!そのために、なにか目立つ物を、その時間に振ってください!!そうすれば、我々はあなた達を見つけて、ロケットに乗せることができるという訳です!!」


博士は、大声でマイクに叫んだ後、この日のために作っておいたたくさんの機械を見て、自信満々な笑顔をした。 遂にその時がやって来た。


博士と学者は、長時間乗っても大丈夫なように、たっぷりと燃料を積んでおいた。


二人は乗り込む。

そして、ドキドキしながら正午を待つ。


そして…


ロケットは上空に飛んだ。

途中、目立つ布きれをふっている人や、板を振り回している人もいた。

ざっと30人ほど乗せて、もう一度地球を一周する。

残された人がいないのを確認すると、ロケットは上空へ、宇宙へと飛び立った。


悪夢が始まる…


博士と学者がまず狙った星は、月。

博士の機械を使って、人間全員が、月を人間が住めるようにする。博士の発明した機械が大活躍した。寒くならないように温度を調節し、酸素を充満させる。緑や植物を植え、家やその他の建物を建てる。海を作り、水を流す。

さぁ、第二の地球の完成だ!!


人間達は、何もなかったかのように、地球と変わらない生活を始めた…。


何年経っただろうか


月は壊れた。


温暖化がどんどん悪化して、一年中異常な暑さ。冬なんてない。

海水の温度も、もはや熱湯に近い。

空気中には、大量の二酸化炭素が充満している。

緑も完全になくなった。一面が、ビルや建物の灰色の世界。まるで生き物とは無縁の世界。そして、何人かの博士や学者が立ち上がった。


次は、火星。


壊れた。


次は、金星。


壊れた。


次は、土星。


…壊れた…


宇宙上に、悲鳴を上げ、煙を上らせながら、苦しそうに死んでいく星が次々と…


…今の自分が、無事に生きていればい…

そんな身勝手な人間のもとに、また身勝手な考え方をした子が生まれ、また次に…

自分が生きるために必死になりすぎて、そっちが優先。

大事なことを、後世に伝えなければいけなかったことに、まだ人間達は気づいていない。

永遠の繰り返し…


一体、いつ気がつくのだろうか…


また、新たに星が壊れた。


人間達は必死になって、星を探す…


次に壊される星は何だろうか…。

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― 新着の感想 ―
[一言] 現在の地球は二酸化炭素6?7割あるので二酸化酸素が増えるより,酸素が増えて人が肥大化した方が危機感がありますよo
[一言] 的を射ていますね……「地球が駄目になったら移住すればいい」というわけじゃないんですよね。
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