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適正値ゼロのリミィジュ  作者: 藤苺めぇ


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三人の光

怪物が、低い唸り声をあげた。


黒い煙が体から噴き出し、再び立ち上がる。


赤い目がぎらりと光る。


ノエリアは剣を握り直した。


(まだ倒れてない……)


さっきの一撃は確かに効いていた。

でも、完全には止められていない。


怪物が腕を振り上げる。


巨大な爪が、地面を裂いた。


「来るぞ!」


ハイジが叫ぶ。


次の瞬間――


ハイジの足元に炎が弾けた。


ドンッ!!


地面を蹴り、一直線に怪物へ突っ込む。


「おらぁ!!」


空中で体をひねり、強烈な蹴りを叩き込んだ。


炎をまとったヒールキック。


バァン!!


怪物の顔面が大きく揺れる。


その衝撃で黒い煙が散った。


ハイジは軽やかに着地する。


「顔面ガラ空きだぞ」


余裕の笑み。


ノエリアは思わず見とれた。


(かっこいい……)


その瞬間、怪物の腕が振り下ろされた。


「危ない!」


ノエリアが叫ぶ。


だが――


怪物の爪は、途中で止まった。


水色の光が、空間に広がっていた。


「はい、ストップ」


フィアの声。


彼女の周囲には、透明な光のリングが浮かんでいる。


それが怪物の腕を包み込み、動きを鈍らせていた。


「今だよ、ノエリアちゃん」


ノエリアははっとする。


剣を構え、前に踏み込む。


「うん!」


大きく振りかぶる。


重たい剣。


でも今は、不思議と軽い。


(守りたい)


その思いが、体を動かしていた。


「――っ!」


剣を振り下ろす。


ピンクの光が大きく広がった。


ドォン!!


怪物が吹き飛ぶ。


校庭の地面に叩きつけられた。


だが――


怪物はまだ消えない。


黒い煙が再び体を包む。


「しぶといな!」


ハイジが舌打ちする。


そのときだった。


校舎の屋上から声が響いた。


「そこまでだ」


低く落ち着いた声。


三人が見上げる。


屋上の縁に、一人の少年が立っていた。


金色の髪が風に揺れている。


ジェイドだ。


次の瞬間。


彼は屋上から軽やかに飛び降りた。


着地と同時に、剣を抜く。


無駄のない動き。


怪物の背後へ一瞬で回り込む。


「遅れてすまない」


静かな声。


そして――


一閃。


銀色の光が走る。


怪物の体が大きく裂けた。


黒い煙が噴き出す。


ハイジが口笛を吹く。


「さすがBクラス」


ジェイドは少しだけ肩をすくめた。


「まだ終わってない」


そのとき――


「うおおおお!!」


遠くから元気な声が聞こえた。


青い髪の少年が走ってくる。


ダニーだ。


「待て待て待て!!」


勢いのまま飛び込み、怪物に拳を叩き込む。


ドン!!


「これでどうだ!」


怪物がよろめいた。


ダニーは笑う。


「お、結構効いた!」


ハイジが呆れた声を出す。


「お前、雑すぎだろ」


「え、そう?」


フィアはくすっと笑う。


校庭には、いつの間にか他の生徒たちも集まっていた。


リミィジュたち。


光があちこちで輝く。


炎。

風。

水。

雷。


それぞれの力が怪物に向かう。


ノエリアはその光景を見ていた。


胸が熱くなる。


(これが……)


ずっと憧れていた存在。


人を守る戦士。


リミィジュ。


ハイジが言った。


「最後、決めろ」


ノエリアは驚く。


「え?」


「お前の一撃、効いてる」


ハイジは笑う。


「主役だろ」


フィアも優しくうなずく。


「行って」


ノエリアはゆっくり怪物を見る。


黒い煙が揺れている。


でも、もう怖くない。


剣を構える。


胸の奥の光が、少しだけ強くなった。


(守る)


その思いを込めて。


ノエリアは大きく剣を振り上げた。

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