なんでも消せる井戸
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:なんでも消せる井戸
僕は小学生。
今回、めでたくテストで5点をとった。
うちは教育やしつけに厳しい。
だからこんな点数とったら怒られる。
そして実家の庭にある古井戸の中に、僕はそのテストを捨てた。
すると翌日、テストの紙は消えていた。
井戸にはすでに水が張っておらず、
昨日捨てたものなら上から見ればわかるのに。
「消えてる…ハハ、よかったのかも」
それからと言うもの僕は味をしめ、
自分に都合の悪いものは全部その井戸の中に投げ捨てた。
割っちゃった花瓶。
泥んこに汚してしまったTシャツ。
店から盗んできて遊んでたゲームウォッチ。
またまた取ってしまった0点のテスト。
他にもいろんな物を投げ捨ててやった。
そして翌日見てみると、やっぱり井戸の中で消えてくれている。
「へっへ〜ん♪この井戸さえあれば僕は無敵だ」
そして友達に聞くと、
「それって多分、何でも消せるあの井戸じゃない?」
この井戸は結構、有名なものだったらしい。
「そうなんだ」とか思いながらも、
やっぱりこの便利は手放せず、
それからもどんどん活用し、
その時その時の自分に都合の悪いものは全部
あの井戸の中に投げ捨てて行く。そして消してゆく。
そして俺は大人になった。
都内で働くサラリーマン。
そんなある日のこと…
「うわあぁあ!!」
「ガシャアアアアン!!」
「やってしまった…」
信号を無視して飛び出してきた人を
俺は車でハネてしまった。
どうしようどうしようと思っていた時、
俺はふとあの井戸のことを思い出した。
「し、しょうがない…!」
俺は車でその人を運び、あの井戸に投げ捨てた。
両親は田舎に帰り別に家を持ち、
俺はずっとこの実家に住んでいたからこの井戸も使いたい放題。
あれから余り使わないようにはしていたのだが
今回ばかりは仕方がない。
でも現実は甘くなかった。
現場検証から俺が犯人と疑われ、
警察は俺の行方を追い始めた。
俺はもう会社に行かず、ずっと行き先を転々とし逃げていた。
そしてまたふと思ったこと。
「…俺があの井戸の中に飛び込めば、どうなるのだろう…」
もしかして逃げられるんじゃないか?
と思った俺はその通りに行動してみた。
すると数日後。
俺をずっと眺める少女が目の前にいる。
「ん、なんだこれ?」
初めはわけがわからなかったが、状況がようやく飲み込めてきた。
どうやらここは少女の部屋で、俺は机の上に置かれていたらしい。
少女「はぁ〜あ、50点か〜。また怒られちゃうかなぁ。…でもまぁいいや♪今度良い点とればいいんだし」
俺はテスト用紙になっていた。
でもその子は俺を丸めてゴミ箱には捨てず、
またあの井戸のことも知らないだろうから、
俺を井戸の中に捨てることもしてくれない。
俺はどうやら転生していたらしい。
そして不思議なことに小鳥さんが飛んできて、
俺に一部始終を教えてくれた。
これまで、俺があの井戸の中に捨ててきたものたちは
それぞれ転生を通り、別のものに生まれ変わっていたらしい。
俺が捨てたテスト用紙はあの当時の俺のような少年に。
捨てた花瓶は花に。
割ったガラス窓はガラス屋さんに。
そして俺が車でハネてしまったあの人は大金持ちに。
「ちょっとそこ行く少女、俺を捨ててぇ、あの井戸の中に捨ててぇ〜!!」
少女には何も聞こえない。
そして風が吹き、机の上からその家の庭先に落ちた時、
とても嫌なものを見てしまった。
何かを燃やす用のドラム缶。
「も、もしかして…」
要らないものを燃やす習慣でもこの家にはあったのか?
そうならないことをずっと祈り続けて、
まだ見つかっていない俺は
玄関先から庭先にある、小さな縁側の板の下でひっそり隠れ続ける…
(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!
お時間があるとき、気が向いたときにご覧ください^^
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=brAw3jDMds8
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
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