表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/28

早朝。

まだ明るくなり始めの、陽も登ってきてない時間。

空の色が綺麗なグラデーションで染まるのを

眺めながら走る。

ジュンは昨日、街を散策した際に見つけた

街の外にある丘に来た。

ここまで来れば音とかうるさくないよね?

ここ数日、練習出来てなかったから不安だったんだ。

闘技場にいた時は四六時中動かせてた身体が、今は

他の行動があるから出来ない。

まぁ、あんなご飯と闘技以外やる事無い1年なんて

そんな特殊な状況ある訳ないからなぁ。

筋トレを終えて、シアの動きをイメージして動く。

もっと速くもっと強く。自分の中で改良していく。

もうシアとの練習も出来ないから、自分で

アップデートしていかないと。

闘ってきた相手をイメージしながら、身体を動かす。

貰ったこの剣、凄く良い。

今まで使ってたのよりも全然軽い。握った感触も

しっくりくる。刀身はガントレットと同じ色してて

やっぱり、鉄じゃない金属なんだろうな。

あと、腰の鞘が思ったよりも動きに干渉してくる。

剣を抜いている時は、軽いからそこまでじゃないけど

剣が鞘に収まってる時は、意外と気になる。

剣を抜いていない時の動きも練習必要だな。

セスさんから聞いた話では、外の世界では敵は

人間よりも妖魔って言ってた。

ゴブリンとか居る世界線。

そりゃそうか、魔法とか普通にあるんだから。

妖魔は人間を殺し、喰らう生き物。

妖魔を殺すという事に、罪の意識は持つべきでは

ありませんと、念を押された。

うん。結局人間のエゴだけれど、俺は人間を

守りたいから、ちゃんと殺す。そんな話もした。

どんなことが起こるか分からない。練習は

毎日ちゃんと続けないとな。発勁の動きに移る。

ドシン!!

とりあえず強く打ってみた。音は・・・

大丈夫そうだね。発勁も少し改良していきたい。

速い流れの中で打つ必要を、闘技の時知った。

その練習もしてたけど、もう少しモーションを

小さく打てるようにもなりたい。

極論は、何か達人が触ったら倒れた、みたいな。

そこまで行けるか分からないけど。

朝日が昇り始め、街が少し音を出し始めるのを

見下ろしながら、練習を続けた。


「ご馳走様でした。」

朝食を食べ終え、カウンターの奥の厨房に

声をかけると、奥から店員さんのはいよーって声が

返ってきた。

食べ終えた食器をカウンターの上に乗せていると

外からチラチラと見て、ジュンが食べ終わるのを

待っていたメイラールが、外掃除も中途で早々に

終え、中に来て尋ねてきた。

「ジュン様、今日はどちらに行きますか?」

「ん?今日は少し勉強したい事があって

図書館みたいな所がないか、探してみようかなって

思ってるよ。」

「勉強ですか?あ!街の共同書庫ならありますよ!

私も行った事無いけど興味あるので一緒に行っても」

「ジュン様!」

いきなり入り口から、聞き覚えのある声がかかった。

「アシャ!どうしたの?朝から。

お仕事は大丈夫なの?」

「ジュン様の悪い噂を聞き、仕事を全部終わらせて

来ました。」

アシャは愛らしく微笑む。

「悪い噂?」

あー、やっぱりこの人は分かってなかった。

アシャはジュンの隣にいるメイラールに視線を移す。

そこの人がメイラールさんですね。

確かに、凄く綺麗。方向性は違うけど、シア様と

並ぶくらい綺麗な人。何でジュン様の周りって

こんな人ばっかり・・・だけど。

アシャはツカツカと入ってきてジュンと腕を組んだ。

「え!」

驚くメイラール。

「それよりも、ジュン様。今日のご予定も

おありでしょうが、シア様が呼んでます。

私と一緒に来て下さい。」

「そうなの?どうしたんだろ。」

・・・アシャって子にくっつかれても、ジュン様

普通に話してる。何か、ちょっと嬉しそうだし。

・・・胸の辺りがモヤモヤする。もしかして

この子が、闘技場でジュン様が笑顔を向けてた相手?

「ジュン様!私が先にお約束しようと」

「メイラール!これちゃんと外掃除したのかい!?」

ミラン店長が、外からメイラールに声をかけてきた。

メイラールの顔が固まる。

ミランは入り口から入ってきて

「あんた、昨日も買い物にえらい時間

かかってたんだから、今日はちゃんとやりなよ?」

アシャはニンマリ笑い

「ではジュン様。一緒に行きましょ!」

ジュンの腕を引っ張って連れ出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ