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馬車に乗せてもらい寝転がる。

力が全く入らない。

エナジードレインってこんなにも強烈なのか。

さっき、セフィルが飛び込んで剥がしてくれたのまでは

覚えてる。セフィルが助けてくれてなかったら

死んでたかもしれない。

カルソさんとオプトーヤさんが両脇で詠唱し始めた。

少しずつ、身体が軽くなる感覚。

その間、セフィルは俺の頭をそっと上げて

膝枕をしてくれた。

「ジュン、大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ。

セフィル、さっきは本当にありがとう。

セフィルのおかげで命拾いしたよ。」

優しく首を横に振るセフィル。

「てか、膝枕なんてちょっと照れくさいというか。」

セフィルは優しく笑い

「ジュン、こういう時じゃないとさせてくれないもん。

・・・ジュンの、さっきの言葉・・・」

「ん?」

「これは、流星のかけらの意思で、お父様は

200年身体を使われた被害者だって。

あれ、すごく嬉しかった。

あの言葉が無かったら私、あの惨状を見て

きっと足を止めた。

お父様に声をかける事は出来なかったと思うから。」

「そっか。良かった。」

ジュンは軽く微笑み、少しでも休む為に目を閉じる。

その顔がたまらなく愛しくなり、セフィルはそっと

ジュンの髪を撫ぜた。

ああ、この気持ちは、やっぱり・・・

「あ、ねぇセフィル?」

「ふぇ?!な、何?ジュン。」

「さっき、また夢の中で声を聞いたんだ。

前に話した声を。」

「え?それはシルフって事じゃなかったの?」

「俺も、そう思ってたんだけど、違うみたい。

必死に叫んでくれてて、お陰で目が覚めた。」

ジュンの、夢の中?

もしかして、精神系の精霊?

ジュンの額に手を添えてみる、が、今は何も

感じれない。お母様なら見つけられるのだろうか。

精神系・・・上位精霊が多い系統。

だから、自分の中からでも見つける事はままならない。

その上、顕現したのがもし怒りの精霊フューリーや

悲しみの精霊バンシーなら、ジュンが危なくなる。

ジュンは精霊との親和性が高い上にパシムさんの事が

あったから、上位精霊も充分可能性がある。

だけど・・・

ジュンが危ない時に、必死に叫んでた、か。

ならひょっとして・・・。

「ジュン、もし次にその声が聞こえたら」

「着きました!西地区です!これ以上は逃げる住民が

多くて馬車だと返って遅くなってしまいます!」

俺はガバッと起き上がる。

さっきよりもずいぶん身体が軽い!

辺りは警笛が鳴り響く。馬車の外を見ると

どちらに逃げたらいいか分からない住民達が

右往左往と走り逃げている。

振り返るとかなりキツそうに見えるカルソさんと

オプトーヤさん。

「ありがとうございます!」

「私達に出来るのはこのくらいだ・・・

頼むぞ、ジュン。」

俺は頷き、馬車から飛び降りる。

石の光の指す方向を見定めた。

「セフィル、行こう!」

「うん!」

隕石の飛来は無い。

逃げ惑う住民の人達を避けながら、光に向けて

真っ直ぐ走り出す。警笛がどんどん近くなる。

この辺は孤児院が近いはず。みんな大丈夫だろうか。

「こっちはダメだ!危険だ!

街の外に、シスに向かって走れー!」

住民を誘導する声、この声ロナール!見えた!

「ロナーール!」

「ジュン!!大丈夫だったか!」

無事、ロナールと合流出来た!

「うん、流浪の魔術師は一度北東に現れて、一戦した。

一撃は与えたんだけど相打ちで俺も喰らっちゃって

転移されてしまった。」

「・・・マジか、一撃って。んじゃあの脇腹にダガー

刺さって苦しそうにしてたのはジュンがやったのか。」

「みんなは大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ。流浪の魔術師がこっちに来る前に

孤児院に辿り着いて、急いで誘導した。

今頃はみんなと共にシスに向かって」

「ジュン様ーー!!」

「ジュン!ロナール!」

「え?!ヤムさん達?!戻って来たのか?!」

ヤムが当たり前だろう?という顔で

「そりゃそうだよ!残って住民の誘導なんて危険な事

ロナールだけに任せる訳にいかないでしょ!」

さすがヤムだな。コッツも自分の身は守れるだろう。

でもメイは危ないんじゃ、とメイを見ると、俺が

声を出すより先に

「私だって怪我した人の治療出来るから!ジュン様達が

シスに行ってる間に、いっぱい薬草擦って治療薬

作ったんだから!みんなの役に立てるよ!」

俺が何を言おうとしたか、先に理解したらしい。

少し怒った口調で言ってきた。

「そっか。分かった。でも充分気をつけて行動してね。

みんなも誘導お願い!まだ隕石は降ってきてないけど

飛んで来たらすぐに避難して。」

「ジュン様は?!」

「俺は、もう一度流浪の魔術師を止めに行ってくる。」

「そんな、危ないです!!」

俺はニコッと笑って

「でも、誰かが止めないと、どんどん犠牲も

増えてしまうからね。」

石の光の指す方向を見る。少し離れた所で警備隊と

冒険者が大勢で取り囲んでいるのが見えた。

「ジュン、さっき俺が少し見かけた時は

かなり苦しがって、現れた途端に誰彼構わず

生気を吸い取っていた。

回復しようとしているのかもしれない。

気をつけろよ。」

それで隕石の飛来が無いのか。

俺の身体も重いけど、今を逃す訳にいかない。

「行ってくるよ。」

「ああ、頼んだ!セフィルも気を付けろよ!」

「ジュン様!気を付けて!

セフィル!ジュン様をお願い!」

セフィルと2人で走り出した。

中途半端で申し訳ありませんが、また仕事が忙しくなってきてしまい、一度ここで休載します。

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