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第5章 1

第5章


「急げ!第二波が来るぞ!」

「この隕石の飛来、間違い無く厄災だ!

カイダールのどこかにいるはずだ!探し出せ!」

「私達よりも先に、住民の避難を優先しろ!」

カイダール北地区。

有力商人の多くが北地区に住居を構え、カイダールの

主要部がこの地区に集まっている。

カイダールは東西南北の地区に分かれ、都市の真ん中を

街道が東西に通過する都市。

大まかに区分けると、北が有力商人達の居住区や

主要部。東西と中央に商店などの店舗が多く

立ち並び、南に一般の居住区となる。

そして北地区に隕石が飛来していた。

次々に落ちてくる隕石。

幾つもの建物を潰し、北地区に住む上流住民達を

巻き込む。

あちこちに火柱が立ち、空を黒々とした煙が覆う。

どこに逃げたらいいか分からず、ただひたすらに

走り回る住民達を、容赦無く押し潰す。

突然降ってきた隕石の第一波で、壊滅的な状況に

陥っていた。1人の警備兵が叫ぶ。

「見つけたぞ!厄災だ!」

ピィー!!

叫びと同時に集合の警笛を鳴らす。

カイダールの北東部の街外れにその姿を確認した。


ゴ・・・ゴ・・・ゴゴ・・・


空を仰ぎ、隕石を呼ぶ様に声を漏らす黒き影。

胸の岩石が禍々しく赤い光を放っている。

警笛を聴き、次々と警備兵や冒険者達が集まってきた。

ひとまず30人以上が厄災を囲う。

まだまだ続々と集まってくる。空を仰いでいた姿から

おそらくは正面に向き直したであろう厄災は

ジッと動きを止める。

コイツを仕留めれば一躍英雄、しかも胸の石は

伝説級の魔法具。

売ればそれだけで一生を遊んで暮らせる。

冒険者はもちろん、警備兵達にもその考えが頭を

過っている。

背後から、貰った!と言わんばかりの表情で

1人の冒険者が飛び込んだ。

その冒険者のバスタードソードが、厄災に届こうと

する直前、厄災を包む影が蠢き剣を止めた。

蠢く影が一筋、剣を伝い冒険者の手に触れる。

途端に

ビクン!

と身体が弾ける様に跳ね、みるみるうちに身体が

減衰していき、その場に崩れ落ちた。

「死ん、だ?」

ザワッと動揺が走り、最前列にいる者達が後退る。

「下がるな!弓隊!撃て!」

警備兵の隊長が声を上げる。

隊列を成していた警備兵の最前列がしゃがみ

弓隊が撃ち込む。

が、矢も同様に黒い影に止められた。

「構わん!そのまま撃ち込め!その間に魔術師!

詠唱だ!冒険者の中にも居るだろう!

詠唱を終えたらどんどん撃ち込め!」

厄災を取り囲む輪から色々な詠唱が聞こえてくる。

「光弾!」

何人もの冒険者の魔術師がほぼ同時に叫び

幾つもの光が、八方から厄災に放たれる。

バチバチ!

っと直撃したかの様に見えたが、黒い影で

止められている様子。

「火蜥蜴の火息!」

「石飛礫!」

炎、石などの精霊語魔法も放たれる中

「雷撃!」

警備隊の魔術師から光が一閃。厄災に放たれた。

ダーン!

黒い影で屈折し、地面に落とされる。

「まずい!詠唱している!」

全方位から魔法を撃たれている中、厄災が詠唱を

始めていた。

バチ!バチバチッ!

厄災の黒い杖に雷撃以上の数の光が纏わりついている。

厄災を囲う50人以上の上空に、いつの間にか

厄災を中心として黒い雲が立ち込めていた。

「全員、その場から退避しろー!!」


豪雷


厄災の呟く言葉と共に


カァ!!


周囲が、真っ白に染まり


ズドォォ!!ドオォーー・・・ン


何十本もの雷が、一斉に落ちた。

あれだけいた、厄災を取り囲む者達は、この一撃で

大多数が崩れ落ちる。

肉の焦げる様な臭いが辺りに満ちた。

「こ、こんなの・・・無理だ!殺される!」

ギリギリ範囲からズレて被害を受けなかった数人が

叫びながら逃げ出した。

再び厄災は、空を仰ぎ


ゴ・・・ゴ・・・ゴゴ・・・


隕石を呼ぶ。

胸の岩石が再び赤く輝きだした。

書き溜めは全然無いので、毎日の更新が出来ないかもしれません。可能な限り頑張ります。

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