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コンコン。

「ジュン様、起きてますか?」

朝食の時間。

メイラールは、挽回すべくしっかり身なりを整え

ジュンの部屋の扉をノックした。

少し間があってガチャっと扉が開き、二日酔いから

抜け出せないでキツそうな顔をしたジュンが

扉から顔を出した。

「大丈夫ですか?辛そうです。」

「うん、こんなに辛いんだね。二日酔いって。」

「朝食の前に水浴びされるとスッキリされるかも

しれません。ご案内しましょうか?」

「うん、ありがとう。助かるよ。」

一度中に戻って着替えを持ち、メイラールと2人で

廊下を歩く。

「あ、あの、ジュン様。

今朝はあんなだらしない格好を見せてしまい

すみませんでした。」

さっきの寝起きのことを言ってるのかな?

「だらしないなんて、そんなことないよ。

酒に酔った俺を介抱してくれたんでしょ?

ありがとう。」

「で、でもあんな、寝起きの顔なんて。」

「そお?ぽやっとしてて、すごくかわいいとは

思ったけど、だらしないなんて思わなかったな。」

「え!かわいい!?」

「うん。」

ジュン様、そんな風に思ってくれてたんだ!

メイラールの表情がパッと明るくなった。

「終わりましたら、1階にいらして下さい。

お食事準備してありますから。」

「分かった。ありがとうね。」

ジュンが中に入るのを見送り、どんどん顔が

緩んでくる。

嬉しい!

ジュン様とこんな距離で普通に話せてる!

かわいいって言ってくれた!

何これどうしよう、すごく幸せな気分!

メイラールは、ニヤける顔を両手で押さえながら

パタパタと階段を降りて行った。


水浴びを終えて、少しスッキリしたかな。

そのまま一階に降りて行く。

良い匂い。さっきまで無かった食欲が目を覚ました。

どこ座ったらいいかなと見回すと

「おはようさん。こっちに座りな。」

と、店の女主人さんが声をかけてくれた。

促されるまま、カウンター席に座る。

主人さんが、食事を出してくれながら

話しかけてくれた。

「その様子じゃ、今朝はお酒残って

大変だったみたいだね。」

「はい。こんなに辛いとは思いませんでした。

夕べの事、あまり覚えてなくて・・・。

ご迷惑をお掛けしてたらすみません。」

頭を下げた。

主人さんは、ニコリと笑い

「何も掛けられてないよ。それどころか

うちの子が絡まれてるのも助けてくれてるし

最後の後片付けも、終わりまでずっと

手伝ってくれたし。

覚えてないの?」

「はい。」

苦笑いした。

主人さんは笑みを溢しながら

「ふーん。お酒は本性出るもんだからね。

あんたは根っからのお人好しか。気に入ったよ。」

コトンと飲み物を出してくれた。

「これはおまけね。

あたしがお酒残った時によく飲むんだ。

効き目は保証するよ。」

「ありがとうございます。ご馳走になります。」

主人さんは笑顔で返してくれた。

「店長、めちゃくちゃご機嫌だね?」

「よっぽど気に入ったんじゃないの?おまけ出すの

初めて見た。」

「確かに良い子だもんねー。

昨日もすごい手伝ってくれたし。」

従業員の子が2人、店内の掃除をしながら話してると

「口動かしてないで、早く店の準備終わらせな!」

大声が飛んできた。

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