第4章 1
俺とセフィルとコッツの3人は、今朝のシルフとの
一件の後、朝食を頂いた後に孤児院を出発した。
みんなが見送りに出てくれる。
またすぐ戻ってくるからお見送りいいよって
言ったんだけどなぁ。
ちょっとこそばゆいけど、嬉しいもんだなって
思いながら歩いていく。シスの町まで3日。
それにしても、短い期間とはいえこの3人のパーティで
旅するなんて思いもしなかったな。
なんて思いながら順調に歩き、夕刻、
もうすぐこの日の予定中継地に着く頃
「おーい!ジューン!」
後ろから呼ぶ声?聞き覚えがある声。
振り返ると、ロナールがいた!何で?
「どうした!?何かあった?!」
「え?いやー、あのな?もし良かったらなんだけどよ?
腕のいー盗賊もパーティに必要なんじゃねーかと
思ってな?」
「ん?それって、ロナールの事?」
「他に誰がいんだよー。」
ロナールが笑いながら俺の背中を叩く。
「いや、まぁそうだけど、どうしたの?突然。」
え、あ、いやーまぁなぁ、と照れる様に頭を掻きながら
歯切れの悪い返事。
あれ、これって。
「ひょっとして、ヤムを追いかけてきた?」
ピタッと動きを止めるロナール。
「え?ロナールさんってヤムの事好きなの?」
ズバッと言い放つセフィル。
「い、いやまぁな?
あんな良い女なかなかいねぇもんだしな?
これきりで別れちまうのもな?」
いや、ヤムが良い女ってのはもちろんなんだけど。
隣でコッツもコクコクと頷いてる。
「でも、ロナールってあそこのリーダーじゃないの?
大丈夫なの?アジト出ちゃって。」
「いや、別に稼業は裏でやってるだけで、村の連中も
普通に働いてんだよ。
だから、別に俺がいなくても大丈夫だ。」
あ、なるほどね。義賊だっけ。
それで稼いでる訳ではないのか。
「いや、ロナールが居てくれるのは嬉しいけど、ヤムは
こっちにいないよ?」
「あー分かってんよ。
先に孤児院行ってな?
初めカイダールまでの即席パーティって聞いてたから
そっからヤムさんは自由なのかと思えば、聞いたら
セジアまで帰るっていうじゃねーか。
んじゃ俺も参加したいってー言ったら、リーダーは
ジュンだからジュンに聞けと。」
え?
「それでまさか追っかけてきたの?わざわざ?」
俺は呆気に取られた顔。
「待てば7日くらいでカイダールに戻ってたのに?」
「いや、それも聞いたけどよ?
こういう事は少しでも早ぇ方がいいと思ってな?」
そのロナールの行動力に、俺はおかしくなってきて
腹を抱えて笑った。
必死さがめちゃくちゃ伝わるわー。
「何だよ、そんな笑わなくてもいーだろーが。」
少しむくれるロナール。
「悪い悪い。いや、助かるよ。
ロナールの腕は信頼に足るからな。
これから宜しく頼む。」
俺は手を差し出す。ロナールはその手を握り
「こちらこそだ。
これからよろしく頼むぜ、リーダー。」
茶化す様に言うロナールは嬉しそうに笑った。
4章を全部書き終えてから出すつもりだったのですが、それだと正直いつになるか分からないのと、今日はまぁ、お酒の勢いも少し乗っかりまして笑 出しました。時間がいつもバラバラですみません。正直に言うと4章は下書きでまだ中盤です。なので、途中でまた止まると思いますが、その時はまたお待ち下さい。
あと、ここからで失礼しますが、いきなり短編を出しました。いきなり浮かんで一日で書いて出したので、煮詰まって無い部分も多いのですが、もし良かったら、そっちも読んでみて下さい。
ここまでの話、楽しんで頂けてれば幸いです。