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カァン!

ミノタウロスの向こう側から弓の音!ロジーさん!

ダンッ!

「ぐあぁ!」

向こうの魔術師の肩に刺さった!集中が切れたのか

杖から光が消えた。

痺れ薬の効果で痙攣して倒れる魔術師。

凄い!倒れた姿勢から打ち込んだ!

急いで鎖のカーテンが閉ざされる。

「ロジーさん!大丈夫ですか!」

「ああ!石が頭に当たってふらついただけた!」

脳震盪だったんだ、良かった。ロジーさんのおかげで

魔術師の援護射撃が無くなった。

よし、これでミノに集中出来る!

「ジュンさん!こちらに周り込めますか!」

サムリスさんが俺を呼んだ。

痺れは大分抜けてきている。目線はミノから

外さないで、聞こえた声で方向を決めて

グオォアアー!!

雄叫びと共に、振り下ろしてきた斧を躱す

タイミングで、思い切り声の方向に飛ぶ!

床に左手を着き、一回転してサムリスさんの前に

丁度きた。距離取ったけど多分すぐ次が来る。

「魔力付与、剣」

既に詠唱は終えていたらしい。

言葉と同時、サムリスさんの杖が俺の背中を

トンと叩くと、剣が薄ぼんやりと光った。

2歩で俺に寄り、また斧を振り下ろすミノ。

サムリスさんが、うわー!と慌てて後ろに

走りながら

「剣の斬る力が上がってるはずです!」

と声を上げた。ありがたい!

振り下ろされる斧に対して、ギリギリで避けながら

前に飛ぶ!さっき発勁を打ち込んだ、奥の右足の

太ももに向けて、ランガースさんのロングステップの

突き!

ドスゥ!

剣が半分まで刺さった!

ガァン!

石畳を叩いて飛んで来る石礫を、ミノの左足の陰に

隠れて躱す。

グオォアアー!!!

本格的に怒った!

左足の所にいる俺に、斧を手放して右拳を

振り下ろしてきた。

右足に刺さったままの剣を引き抜きつつ

そのままミノの背後に、シアのステップで回転して

周り、もう一度右足太ももの、今度は裏側を

水平に払い切り!

バシュ!

ミノの体液が舞う。よし!剣が入る!

「ジュンさんの持っている剣、白鉄製ですか!

魔力の浸透性が高い!」

知らなかったけど、落ち着いて解説ありがとう!

これ、そうなんだ?!

ん?

ブフゥ、ブフゥ、ブフゥ

ミノが、荒げていた呼吸を落ち着かせてる?

そんな事も考えられるの?

斧を握り直して、真っ直ぐに対峙してきた。

これは・・・マズいかも。とんでもない威圧だ。

右足一点にそれなりにダメージ入れた筈なのに

まだ動かせてる。

「そうだ、ミノタウロスだぞ!

貴様らのそんな程度の攻撃で、どうにかなる様な

怪物ではないのだよ!」

ドイルうるさい。その時

「ジュン!開いたぞ!」

扉を開きこっちを呼ぶロナール。

「な!まさかそちら側から扉を開けるとは!!

ありえん!」

ドイルがめちゃくちゃ驚いている。

さすがロナールだ!

全員が急ぎ扉に向かって部屋に入った。扉を閉める。

落ち着いたミノがゆっくり扉まで歩いてきて

ガァーーン!ガァーーン!

扉を叩き始めた!

とんでもない音と共に少しずつひしゃげる扉。

そんな所に篭っても時間稼ぎにもならんぞ!

遠くでドイルが叫んでる。うるさい。

「どうする?ジュン。」

「・・・ロナール、さっきの角の締まった鉄格子

開けられる?」

「時間と、あと男手がもう1人いりゃ、留めてる所を

外して2人がかりで持ち上げられるな。」

「分かった!

ドイル達はこっちの戦いに集中している。

今のうちにロナールが小部屋に居ると思わせて

女性達を助け出そう。

ロナールとロジーさんでそっちを、サムリスさんは

小部屋から、ロナール達が居ると思わせながら

俺を援護して下さい。」

「なるほど!だが、ジュン大丈夫なのか?!

あんなバケモン相手に。」

「やってみないと分からないけど、何とかする!」

「分かった!」

声と同時に行動を始めた。

廊下に出て、俺とサムリスさんは、隣の扉に入る。

案の定、小部屋だ。

おそらく対戦者同士の控え室って所か。

サムリスさんと顔を見合わせて頷き、扉を開いた。

ゴッシャァ!

同時に隣の、ミノが斧で殴っていた隣の部屋が

扉ごと潰れる。

うっひゃーマジか!

これ、下手すると、小部屋潰して入り口広げて

廊下まで追いかけて来るぞ。

隣の扉から出てきた俺を見定めるミノ。

「ジュンさん。

憶測なのですが、ミノタウロスのあの首飾り。

魔力感知したら魔法具の様です。あれで

ミノタウロスを縛っているのかもしれません。」

ミノの首にかかってる、ちょっと豪華そうな首飾り。

なるほど。

こんなバケモンが一切テーブルの部屋に行かずに

こっちに来るのはそういう事か。

「ありがとうございます。」

ただ分かっても、位置が高すぎるし、下手に

壊して今暴走されても困る。どうするか。

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