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ミノタウロス。

現実に見ると物凄いグロい絵面なんだな。

被り物でなく、リアルに目や口が動かれると

かなりエグい。

持っているバトルアックス、多分ゴルザイさんが

持ってたのと同じくらいの大きさのはずなのに

小さく見える。

バスケのリング、いやボードよりデカい。

道理でこの部屋が、小学校の体育館みたいなサイズに

してるわけだ。

グゥウオォオー!!

ミノタウロスが雄叫びを上げてこちらに

向かってくる。

「どうすんだ!ジュン!」

「俺が前に出る!

その間にその小部屋に入れないか!」

ロナールが急いで扉に張り付く。

「く、時間があれば開けられるが!」

「分かった!」

俺はミノタウロスに向け走り出す。

距離を詰めさせない!

カァンカァン!

ロジーさんの2連射!

俺の脇を鋭く通過してミノタウロスに矢が向かう!

キキィン!

デカいバトルアックスで容易に防いだ!

そんな細かい芸当までするのか、このケモノ!

俺との距離を見定めて斧を振り下ろしてきた。

ギリギリで右に躱してそのまま足元に

ガァン!

斧で叩いた石畳の破片が!

く!

斧から離れる様に飛び退きつつ、飛んでくる石礫を

ガントレットで見定めて弾く。

石礫に気を取らせておいて斧を横殴りに振ってきた!

攻撃の展開が速い!

斧をしゃがんで躱す、と右足!蹴り!

俺の身長くらいある足の回し蹴りが来る!

思い切り後ろに飛んで躱す。

ブゥォン!

蹴りの効果音がヤバい。すんごい音!

蹴りで巻いた風が身体を吹き抜ける。

距離を取ったのに、その場でまた斧を横殴りに

振ってきた!

「光弾」

詠唱していたサムリスさんの杖から光が飛び

バチィ!

ミノタウロスに直撃!が、全然効いてなさそう。

サムリスさんを睨み付ける。

そっちは今ロナールが仕事してるから行かせないよ!

斧が止まったのを見て、左足元に入り太ももを

袈裟斬り!足を止める!

ガスッ!

少ししか斬り込めない!硬い筋肉で止められた!

何だこの身体。俺を払う様に左拳を振ってきた。

後ろに飛ぶ!

カカァン!

ドドスッ!

ミノタウロスの背後に周っていたロジーさんの

2連射!見事に右足太ももに刺さった!

痺れ薬の効果は、と思ったが微塵も介せず

刺さった矢を抜き、ロジーさんに向けて走り出した!

速い!距離を取ってたのに3歩で射程!

振り下ろした斧は躱したものの、石礫を身体中に

浴びて、ロジーさんがその場で後ろに倒れる。

「ロジーさん!」

音を出さない為の軽装備が、ここに来て仇に

なってる。ミノタウロスがもう一撃と斧を

持ち上げてた。俺はミノタウロスの右に走り込み

右太ももに素早く発勁!

ズドォン!

ミノタウロスが、軸足を持って行かれた感じで

バランスを崩す。

そのままこっちに向けて倒れてきた!

うわぁ!慌てて横っ飛びで躱す。

ドドォ!

グオォアアー!

けたたましい雄叫び、ダメージ入ったか?

ミノタウロスが倒れて、テーブル部屋が騒つく。

「ドイル!

まさか、倒されるなんて事はあるまいな!」

ドイルの隣のテーブルに居る、少し偉そうな人物が

ドイルに話しかけた。

「こんな程度ではない!ミノタウロスだぞ!

ここに置くのにいくらかけたと思ってるんだ!

・・・だが、不殺は想像以上ではあるな。おい!」

ドイルが自分の右隣にいた男に声をかける。

ローブ姿の男は、はっ、と頭を下げて

鉄格子の前まで行き詠唱を始めた。

細かい鎖のカーテンが左右に広がり、男の杖に

パシン!

と静電気の様な光が何度も纏われる。

その詠唱にサムリスが気付いた。

「ジュンさん!危ない!」

サムリスさんの声に、テーブル部屋の方を

向き直ると、詠唱していた男は杖だけを

鉄格子から突き出して

「雷撃」

カッッ!!

男の杖から眩い光が発せられ俺を貫いた!

ダァァン!!

同時に音!防御姿勢も取れないくらいに瞬間の

出来事!

くぅあ!つぁ!

左手の指輪が、光弾を受けた時よりも輝きを増す。

痛みと痺れが全身を駆け巡る。

けど、痺れはあるけどこのくらいの痛みなら!

俺は歯を食いしばり、倒れない様にスタンスを

広げて堪える。

「まさか!雷撃を受けて動けるのか!」

ローブ男が信じられないとばかりに声を上げる。

だけどこの間にミノタウロスが立ち上がった。

くっそー!ケモノだけじゃなくて

外からの援護射撃まであるのかよ!

まだ、身体に残る痺れ。

スタンガンって受けるとこんな感じなのかな。

ミノが斧を振り下ろしてきた!

くっ!

身体に痺れが残って上手く動かない。斧は避けたが

ガァン!

飛び散る石礫が!ガントレットで顔を守るが

ガスッ!ドスッ!

ぐぅっ。頭と左足に被弾。

痛ってー。

すぐに左足で蹴りこんでくるミノ。

痺れの残る身体で、無理矢理大きく後ろに飛んだ。

飛んでる一瞬、魔術師に視線を移すと

また杖に光が纏われてる!マズい!


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