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貿易都市カイダール。

リナルドよりも更に大きく、セジアと同じくらい

大きな街らしい。そのカイダールの街外れに

ドイルの大きな屋敷がある。夜の暗がりの中

4人は屋敷の近くの建物の影まで来た。

「裏門の見張り2人を寝かせて侵入。怪しそうな

場所を見つけたら二手に分かれて行動しよう。

ジュンとサムリスは攫われた娘達の居場所。

俺とロジーは証拠物探しだ。」

サムリスさんは魔術師、ロジーさんが弓の人だ。

ロジーさんがその分担を聞いて、何かロナールに

言おうとしたが、ロナールは手で制し

「お前の言いたい事は分かる。

だがこの分担にしないと、ジュン側が鍵付きの扉を

開けられなくなるのと、ロジーとサムリスの

組みだと、近接戦に持ち込まれた時に困るだろ。」

「・・・そうですね、分かりました。

ロナールさんこそ、マイヤの無事を真っ先に

確認されたいでしょうに、それをジュンさんに

託すのであれば。」

ロナールはニヤッと笑い

「ジュンなら間違いなく見つけてくれるさ。な。」

俺の顔を見る。

「もちろん全力を尽くすよ。」

全員が頷き、動き出す。門の見える所まで移動した。

今のやり取り、ロジーさんはマイヤさんを

助ける側にまわりたかったって事だよな?

つまりそういう事なのかな?

これは2人の為にも失敗出来ないな。

集中して行こう。建物の影から、門番を見る。

門番が入れ替わる時間。入れ替わりから3時間で

次の入れ替わり。この3時間で、それぞれのチームが

結果を出す。何か問題が発生して撤退を

余儀なくされたら、渡された小瓶を叩き割る。

この小瓶の中の液体は、ビンが割れるとかなり大きい

破裂音が出る。一度試しに鳴らさせてもらったけど

音で卒倒しそうになった。

これなら、かなり離れてても聴こえると思う。

門番を監視しながら、頭の中でやるべき事を

整理していた。そうしているうちに入れ替わりの

門番が来た!入れ替わったのを見計らって

サムリスさんが詠唱を始めた。

「眠りの雲」

サムリスさんの杖から水蒸気の様な煙が放たれ

門番に絡む。2人共倒れ・・・1人踏みとどまった!

マズい!頭を振って意識を保とうとしてる!

俺は可能な限り音を立てない様に、全速で門番に

向かって走る。

門番が笛を持とうとしてる、間に合え!

走りながら鞘ごと剣を握り、ランガースさんの

ロングステップの突きを頭の中で描き

動作を真似て放つ。

ズドォ!

鞘の先端は、門番の鎧の隙間の脇腹を穿ち、門番は

悶絶して倒れた。

「あっぶねー。やっぱ魔法抵抗力が高い連中を

集めてやがるな。

よくあの距離で間に合ったな、ジュン。」

後ろから来たロナールが小声で呟く。

音も殆ど立てずに、あんな速度で走って

一撃でって・・・おっかねー男だな。

改めて敵にはすまいとロナールは思った。

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