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12

リナルドへ向かう馬車の中。

・・・えっと、どういうことか。俺は

2人のフードを被る女の子に挟まれて座ってる。

あの後、ムコルの街に戻ってメイ達に

経緯を話し、カイダールまでセフィルが一緒に

同行していいか聞いた。

3人は、俺が良いならと快諾してくれたのだが

馬車に乗り移動を始めてから、状況が

変わり始める。初めての人ばかりだから

仕方ないのかなと思っているのだが・・・

セフィルの、俺との距離が近い。

腕がくっつく距離。

エリュン達3人も、何をどう気を利かせたのか

自分達は外で見張りをしてますので!

中の様子も覗きませんので!

どうぞごゆっくり!と外に出る始末。

いや、何がどうぞごゆっくりなんだよ!

何か、メイがこっちを睨む様にジッと見てる・・・。

それを見てたヤムが

「やっぱり、ちょっと口挟んでもいいかな。

ジュンが許してるから、気にしないでおこうとは

思ったんだけど、カイダールまでの同行とはいえ

顔は見ておきたいんだ。

もう馬車の中だし、私らしか見てないし。」

うん。その通りなんだよ。

本当ならみんなにお願いする時に、ちゃんと顔を

見せてお願いしないとなんだけど、セフィルから

エルフであることを周りに知られたくないって話を

聞いていたから、フードで隠したまま紹介した。

「セフィル、俺も同意見だよ。

この人達は信用出来るから。」

「・・・ジュンがそういうなら。」

ジュン?!

どこで会ったか知らないけど、ジュン様を

もうジュン呼びしてるの?!

メイの敵視に近い様な視線を感じる。何で?

セフィルはフードを外した。

一変して一同が驚きの表情。まさかのコッツまでも。

「エルフ、なの?!」

ヤムが、驚きの声をあげた。

俺の腕をギュッと掴み、頷くセフィル。

え?エルフってそこまで驚く様な人なの?

「ジュンは、知ってたんだよね?」

「うん。」

「なるほど。フードを外したがらないわけだ。

でも、余計に何故同行したいのか聞かないと

いけなくなったよ。」

「どういうこと?」

俺が、ヤムの言葉を理解出来ず聞き返す。

「エルフが、こんな街とかにいることが

珍しいんだけど、それなだけに狙われるのよ。

人を攫って商売しようとする連中に。

つまり、うちにはメイもいて、カイダールでは

より危険が増えるってことさ。」

エルフってそこまでなんだ。

さっきセフィルが、私を見ても驚かないって

言ってたのはそういうことか。

「人間にエルフと知られるだけでも

嫌だったはずだよ。

何故、それを明かしてまで同行を求めるの?」

「ジュンだと思ったから。」

即答。

ん?一同疑問顔。だよね、俺もだよ。

「私にとって、必要な人がジュンだと思ったから。」

え?なんで?どういう流れでそうなった?

「人間には分からない感性かもしれない。

でも、さっき大樹の精霊が、自らジュンに

触れたんだよって言うと分かるかな?」

「ええー!!」

・・・えーーー!

コッツが声出して驚いた!周りはそっちに驚いた!

セフィルはニコッと笑い

「さすが、魔術師は分かるんだね。精霊が自分から

人間に触れるってことの凄さが。

不思議なんだけど、ジュンはそれだけ精霊との

親和性が高い人なの。

それだけで、私がジュンを必要と思うことも

分かってくれる?」

セフィルはコッツに聞いた。

俺、ヤム、メイがコッツを見て、コッツは俺らを

見回して、頷いた。

当の俺がさっぱり分かってないのだか?

「わたしら普通の人間には分からないけど、コッツが

これだけ驚き納得するのだから、それだけのこと

なのだろうね。

ジュンどうするの?さっきも言ったけど、それだけ

危険が増えるってことだよ。」

「私を守る事なら気にしなくて大丈夫。

正体を隠すのは慣れてるよ。だてに人の生活の中で

過ごしてきてないから。

それだけの強さもあるつもりだよ。」

俺とヤムは顔を見合わせてる。

確かに、どれだけの年月か分からないけど

少なくとも50年は居たのだろう。さっきの闘士の

話しからして。

俺らは話し合って何かあった時、可能な限り自力で

何とかすること、メイの方が非力だから何か起きた

時は、メイを優先とすることを付け加え、話は

まとまった。

のだが・・・

話終えたあと、セフィルの距離と同じ距離で

反対側にメイが座り今に至る。

何だろ、この挟まれてる感じ。

既視感あるな・・・。

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