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買い物をして宿に戻ると、1階のフロアに

カイノさんとエリュンら3人が話していた。

「ここまでだと、冒険者ギルドへの報告も

未達成って事になってしまいますよ?」

「それでもいい。それでも、俺たちは村を

放っておく様な冒険者になりたくない。」

村?ってひょっとして、さっきの話のことかな?

「どうしたんですか?」

「あ!不殺様!お帰りなさい!」

やめてほしいなぁ、その呼び方。

「ジュンさん、お帰りなさい。いえ、エリュン君達が

護衛の依頼をここまでにしたいと。」

「どうして?」

エリュンに向き直り聞いた。

「さっき冒険者ギルドで、ゴブリンに襲われた

村の話を聞いたんです。でも冒険者が誰も

行ってないってことも。

自分は、こういうことから目を背ける冒険者に

なりたくない。だけど、カイノさんは明日

旅立つ予定。なら護衛は不殺様達にお任せして

自分らはここで別れようと思ったのです。」

へぇ、一端な顔している。最初に会った時と

ずいぶん変わったな。後ろの2人、戦士のロッカと

僧侶のソイの顔を見ると、エリュンの言葉に同意し

2人共しっかり決意してる目。

「その村の話は俺もさっき聞いたよ。

カイノさん。リナルドに行くのに、日数の指定って

ありますか?」

「ここまで順調に来れたので、5日程は

余裕取れますよ?」

「ここから村まではどのくらいかかるか

知ってますか?」

「馬車なら半日もかからず、徒歩であれば朝出れば

夕刻前には着けると思います。」

「夕刻前、か。」

夜に襲うのは得策じゃないよな。ゴブリンの方が

暗いのは得意だろうし。そうなると、どこかで

一晩過ごす必要が出てくる。

それなら、こっちを出るのを朝日が出る前に出れば

お昼過ぎくらいには到着出来るかな。

明るいうちに仕掛けられるけど、相手の規模も

分からないまま戦って、長期戦になったら危険か?

いや、生き残ってる人がいる可能性を考えるなら

早くに行くべき。ならばこっちで出来る限りの

準備をしていこう。

「不殺様?」

エリュンがこっちを見て、様子を伺ってる。

「カイノさん。俺は彼らを手伝おうと思います。

期限の5日間には間に合わせますので、街で待ってて

もらってもよろしいですか?」

え!とエリュン達は反応、カイノさんは微笑みながら

軽くため息をつき

「構いませんよ。

村の見取り図もあった方がいいですよね?

エリュン君は、ちゃんと冒険者ギルドに村の方達の

救助に向かう旨、伝えておいて下さいね。」

エリュン達3人がわっと声を上げ、表情を

明るくした。

「私も行く!」

後ろからメイが声を上げた。いや、流石に危ないよ。

「メイは戦えないんだから、待ってな?」

「だって、毒受けたら治せるの私だけだよ?」

う、確かに。俺に限らず、エリュン達が受ける

可能性も踏まえないとか。

「それならあたしらもだね。」

「・・・。」

階段の上からヤムとコッツが声をかけてきた。

「コッツもやる気だ、全員同意だね。」

「2人とも。ありがとう。でもコッツは戦えるの?」

「・・・。」

うお!ニヤリと笑うコッツを初めて見た!

「心配無用だよ、ジュン。コッツは魔術師だからね。

冒険者の頃はあたしと一緒に行動してた。」

「え!?魔術師!すごい!」

エリュン達が声を上げた。

コッツがほんの一瞬、めっちゃドヤ顔をした。

無言だけど、見逃さなければ意外と表情あるんだー。

でも、魔術師の存在はかなり助かる。

どういう魔法が使えるか知らないけど、ゴブリンの

数が多そうだから。

「では、カイノさん。村の見取り図を」

と言った時点で、テーブルに紙が1枚置かれた。

地図っぽい。村の見取り図?次いで置かれる料理。

さっきの無愛想なお店の主人さんとお店の女の子。

「バッツ村の為に動いてくれるんなら、こっちも

協力するよ。さっきはうちの子も助けて

もらったからな。料理は礼だから食べてくれ。」

「さっきはありがとうございました。」

2人とも笑顔。

あー、そっか。何もしない冒険者と思われてたから

無愛想だったんだ。

「ありがとうございます。よし、じゃあ

食事頂きながら、明日の行動を決めよう。」

みんなが一斉に頷いた。

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