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次の日の早朝。

身支度を整えて、1階に降りるとカウンターの前に

3人が待っていた。

2人はローブを着て、その内の1人は金属製の杖を

持ってる。あと1人はいかにも戦士風な女性。

プレートアーマーを身につけてバスタードソードを

背中に背負ってる。ショートにしてる赤髪も

背の高さも相まって、すげー様になってるなぁ。

俺なんかより全然様になってて、格好良い。

確かメイラールさんと一緒に

料理出したりしてた人だよな。

ローブの1人がこちらに気付き

「ジュン様!」

声をかけてきた。あれ?この声って

「メイラールさん?」

「?、あ、そっか。」

フードを外し顔を見せた。相変わらず綺麗だなぁ。

「店長から聞きました。

一緒に行ってくれるんですね!すごく嬉しいです。」

華やかに笑うメイラールさん。眩しいー。

「あ、2人を紹介しますね。この子がヤムです。」

戦士風の女性を紹介してくれた。

「ヤムです。ジュンさん、カイダールまで

よろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

握手した手も、しっかり強そうな手。

俺、必要無いのでは?

「こっちの子がコッツです。」

「・・・。」

「あ、よろしくお願いします。」

無言だけど、フードを外して握手はしてくれた。

青味がかった長い黒髪を、後ろで1つにまとめてて

綺麗な顔立ちだけど

目は開き切らない半眼で、とにかく無表情・・・

読めない。

うん。こういう人なんだな、きっと。

「よし、じゃあ行こうか。」

3人を促し、馬車に向かうと店長さんがカイノさんと

話をしていた。

「ジュンさん!お待ちしてました。

今、ミランさんから3人の話も聞きましたので

ご準備出来たらどうぞ乗って下さい。

あ、馬車の前にいるのが、今回護衛してくれる

冒険者の方です。」

俺は冒険者達の前に行き

「よろしくお願いします。」

声をかけると、先頭の若いリーダーっぽい戦士が

俺の頭から足までを一瞥して、フッと鼻で笑い

「何だ、戦士のくせに装備もまともに一式買えない

貧乏冒険者が一緒か。」

と、明確に喧嘩を吹っ掛けられた。

そういえば装備買う時に、武具屋さんにも

言われたっけ。

何とも中途半端な装備だな。ちゃんと一式

揃えるものだぞ、と。そんなに革鎧と

鉄の足装備の合わせって変かな?ずっとこれで

闘ってきたからなぁ。

笑って流そうとしたが、俺よりカチンと来たのが

何故か後ろの3人。俺を押し退けんばかりの勢いで

前に出ようとする。

コラコラ!ヤムさんはともかく、メイラールさんと

コッツさんは喧嘩無理でしょ!

手を広げ、気にしてないですよと、3人を止める。

「ふん、女3人に守られて、情けない男だな。」

もーいーから!

それ以上喧嘩吹っ掛けてくるなってば!

長い馬車旅の同行者でしょうにー。

カイノさんは、ハラハラした顔で、店長さんは笑顔で

俺を見てくれてた。

「ジュンがちゃんと3人の手綱引いとくれよ。」

笑ってる。出だしから不安だ。

店長さんに手を振って、馬車は走り出す。

この時の俺にはまだ知り得ない、これから先

長い長い旅の始まりだった。

これで第1章は終わりになります。ジュンの旅路、作者も上手く書けるのか些か不安です。作品的にも良い旅路になると良いのですが・・・。頑張りますね。

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