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宛先のない物語  作者: ナナイ/リル
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ナナイ 2

『最初のヴァーチャル事業か...僕が新しい次元帯創ればいけるか?あーでも、一緒に僕の肉体を顕現させるのは神威ものすごく使うし...』

色んな事を喋っているロキ。でも、ヴァーチャルとか次元帯?とかけんげんとかいうのは意味が分かんない。


『...あ、ごめんね?こっちの話だよ。...でも、神威をこれ以上喪うとこの世界に別の次元帯から神が流れてくるし、そんななら人に憑依するのが早いか...?』

また難しい事を言っているロキ。ナナイを新しいからだにする?らしいのにいろんなことを言ってて大丈夫なのかな?神威って言うのを無くしたらだめらしいし...どうするのかな?


「あの、ナナイと一緒に新しいからだ?を創ればいいんじゃないのかな?ナナイみたいに、こうやって喋ってるからだがあるから、それを新しいからだにいれれば...」

ナナイがそう言うと、ロキはナナイの方を見て近寄った。

『それだ!ナナイ、君は天才だ!人の子として創り出すだけなら神威が減ることもないし、魂がない器にして僕たちをくくり付けるだけでも神威は使わない!...あ、まあ細かい所は神威使うけど...そ、それでもこの肉体を出し続けるよりは圧倒的にコストが少ない!よくやったよナナイ!』

そう言われて、頭に手を置かれてぐりぐりされる。ロキを見ると、ナナイの頭をずっと撫でてきていた。

ナナイは、それにされるがままになった...。


ーーー


ナナイのからだが新しくなってから3年が経った。ナナイはもともと男...ロキみたいな状態から、女って言う状態になった。ロキによると、「VTuberにはこっちの方が有利だから」らしい。がちこいとかすぱちゃとか言っていたけど、要は女の方がナナイを見てくれる人が多くなるんだって。よくわかんないけど、ロキが言う事は大体正しいから聞いとけばいい。


それと、ナナイは最近お勉強を頑張っている。ロキが言うには、「この世界に入ってくる変な奴がいるだろうから、そいつらが来る前にVTuberという世界を広げてやればいいからね。勉強は...まあ、できるだけやってしまえばいいって感じだよ。世界中から見られた方が、ナナイにとってはいいでしょ?」らしい。ナナイがナナイの本当の名前を思い出すのがいつになるのかは分からないけど、確かにそっちのほうがナナイの目標のためにはいいのかも。ということで、ナナイはお勉強をしている。


ナナイとロキの家は大きくて、豪邸というらしい。ロキに聞いてみると「豪邸っていうのは大きい家のことだよ」と教えてもらったので、間違いない。

普通の人たちだと、ナナイたちの家のエントランスと応接間を足してそれに2階をつけたぐらいの大きさのいっけんやか、応接間ぐらいの大きさしかないアパートとかマンションとかに住むらしいけど、ロキがなんかすごい力でどうにかしているんだと思う。ロキは信じられるから、ロキの言うこと聞いとけば大丈夫。



ボクがこの世界に来て5年経った。ロキには、「自分のことを呼ぶ時はボクとか私って言ったほうがいいよ」と言われたのでロキに「ボクはロキでしょ?」と言ったら呆れた目で見られたのが懐かしい。

最近は、外国語もある程度は話せるようになってきた。今までのボクにはできなかったことだ。子供のうちの超吸収だとかなんだとかロキが言っていた。


外は色々と忙しくなってきたけど、屋敷の中は相変わらずである。

ロキが別の次元帯にあると言う「異次元のPC」をベースにロキが改修したネットワークシステム『Loki』が、我が家のネット環境の凄い所。


ネットワークシステム『Loki』は現在弐-壱型で、本来の壱型を大幅に改修している。壱型というのがロキが持って来た謎PCで、それを直した...この次元帯でも使えるようにしたのがこの弐-壱型。まあ、実質初号機みたいなものってこと。一回システムの中に魂を放り込まれたせいである程度なら一瞬で自己演算できるのがボクの悲しいところだ。


時間は経ちボクが6歳ぐらいになるころ、ボクは小学校と言う所に行くのだと言われた。

この国には最低限履修しないといけない義務教育機関があるらしく、その9年間の内6年間を過ごすのが小学校なのだそうだ。

正直退屈しかしなさそうだけど、「最低限通っとけばいいんじゃないかな?」などとロキが言うから仕方ない。

ボクは小学校の下見をしに行くことになる。面倒臭そうという感想しかわかないけど。


下見を終えてきた。感想は、やっぱり思った通りの場所だと言う事。

ボクが学習している部分より、圧倒的に劣っている。だからと言っていかないわけにもいかないし...ロキに言ってどうにかしてもらおうともしたけど、「神威がもったいない。あと、コミュ障になるとVTuberとしてやっていけない可能性が高くなる」と相手にさえしてもらえなかった。

行くしかないらしい。正直行きたくないんだけどね。

ボクは重い重い腰を上げざるを得ない状況に立たされていた。重くないけど。



6歳になってから数日。ボクは小学校に向かっていた。

ボクの誕生日である4月1日は4月生まれなのにもかかわらず特例的に一学年上の学年として入学するらしい。大体4年に一回のうるう年があるかららしいけど、そもそもうるう年がよく分からない。

という事で、一応名字が佐々木ということにされた僕たちは近くの小学校に向かった。



市立融煉小学校。それが、ボクが通う小学校の名前だった。

意外と、何もないみたいだ。ボクはちょっとだけ拍子抜けな気分を味わう羽目になって、しょぼんとした。(´・ω・`)


「おい、大丈夫かー?」

その場でしゃがみ込んでいると、黒くてツンツンしていない髪の男がいた。なんだかんだでまともな男...それどころか、「ヒト」を見るのは初めてかも。


ボクが驚いて見ていると、横合いから「クルっちー!」と女の子が出てきた。可愛い?のだろうけど、なんだかあの謎空間でロキと会った時みたいな気持ち悪さがある。この子も神か何かなのかな?この男の子と一緒にいて神威を吸収している?


ボクが訝しんで少し睨んでいると、「そんな怖がらなくてもいいんだよ?」と変な笑顔でボクに笑いかけてきた。

ボクは彼女を睨みつけながらも、クルっちと呼ばれた男の子と共に引き摺られるように学校内に入った。

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