ナナイ 19
その後は特に何があると言うわけでもなく、夏休みを迎えた。今年のライブは今までと違う形式で行われるのでその準備を行う必要があったのだけど、今のボクだと吸収が早いらしく特に何をするでもなく覚えることが出来た。
悠生はボクにデレデレになった。ただ、離れようとしない事だけが難点。おかげでコミマ出品用のグッズ案が一つ描けないと言う羽目に陥った。でも悠生に悪気は無い様で、悠生自身もボクと同様の状態に陥っていたので一概に責めることは出来ない。元をたどれば悠生の謎コメントが原因なのだけれどもね。
ということで、第107回コミマへやってきました。前回はナナイとして出品した最後のもので、今回からは由叉井リン/リルとして出店している。毎回おなじみ西ブロックの、角の所で出店を行っている。初日はボク、二日目は悠生が出店するのがこのブロック...というのがボク達のファンの中では通例になっており、しかもボク達が出店するときもいつもこの場所になるのでコミマ運営さんも一枚噛んでいるのではないかと言われている。場所はボク達じゃ選べないからね。
それで、3年前の年末コミマからはボクと悠生のベースでは両方の品に加えてDlag-Althの製品も売る様になっていた。曰く、「企業ベースは借りれるんだけど、そっちに置ききれるってわけじゃないからね。二人とも、半ば僕と癒着している様な物でしょ?」と言われてしまっては元も子もないので。ロキはずいぶんしたたかになってしまったようだ。来栖はじめとして半ば以上社員扱いされている中学時代の帰宅部諸君が可哀想になってくる。
今回用意しているのはボクのものが同人誌3種類(小説投稿サイトで出したオリジン小説を描いたのが二つ、ある物語を描いたものが一つ)と、Vとしてのボクのグッズ(『werwolf』バージョンのナナイのぬい、Tシャツ、リルバージョンのボクのぬい)。Drag-Althの子会社でありながら別の企業としている『Scalerock』という会社がVの企業として初めてのものとするための橋頭堡として、ボク達みたいなVの人のグッズを製造している。本当、ありがたい。まあ作らせたのボクだけど。
『Scalerock』を初のV企業とするために、ボクを旗頭として同人活動(という名の、一種のデモ的な何か)を行っているものの、それの条件としている『本社の専務の、Scalerock取締役への就任』に選択する人員を決めあぐねているらしい。...いや、ロキに聞いた所もうその人員は選んでいるらしいのだけどもその人が帰宅部の中にいるとか何とかで、せめて成人してからやらせたいと言う事だった。
企業が出来れば、同人活動グループ『Monolith Company』は自動的に消滅する。というか、Scalerockが出来た瞬間にボクが立ち上げる手筈となっている、今活躍しているVの人を集めた企業にしてScalerockの子会社(大本より大きくなる可能性が高い)、『Monolith vertial.con』(最後のconは誤字ではなく、気付いたらこうされていた)が出来る。
大本となっている会社よりも大手になりそうなのが恐ろしい所なのだけど、まあ企業乱立状態になってくればある程度はVという業界もレッドオーシャンになるだろうからね。とはいえ、母数が少ないので集まりやすい今でも登録者200万というのはまだボクぐらいのものではないだろうか。
それで、悠生がボクの所に出してきたのは意外と『リル応援グッズ』というもので、何かのCDらしき何か。本人に聞いても中身は明かしてくれず、「いくらリルに言われても、こればかりは答えられないかなあ...」と、ボクに依存しているとは到底思えない言葉を頂いた。
そんなこんなで一日目。悠生もお手伝いとして来ているので、ボクの負担はあまり多くない。と言っても結構負担なのだけどね。それと、Drag-Alth社員...って搬送しに来てるの元帰宅部員では!?今も帰宅部に入っている者は、皆Drag-Althに吸い込まれると言うけど...なんだか、本当の様な気がしてきた。これのせいで幽霊部員が多いのかもね。
今日の売り上げは、結構多かった。今回は、ファングッズの方が大きい売り上げを上げていたけど単純にこれは誕生日フェスとリルという二つのグッズだったからだろう。
悠生の方のものとしては、ボクの方にはCDしか出していなかったもののそれだけでも凄い売り上げを記録していた。具体的に言うと、ボクの同人誌3冊の合計と同じくらいの売り上げを上げていた。
そしてDrag-Althの方の売り上げだけど...まだまだVになりたい人は多いのか、ウェブカメラを買いに女性やらお世辞にも社会人とは言えない男の人とかが来て、購入していった。
後者の方には手をがっつり握って離さないのもいたが、「...オイ、人のイロに手ェ出して...分かってんだろうなぁ?ええ?」と久しぶりに見た悠生のブチギレモードを見せられて怯え、それでも離さない奴は「はーい、営業妨害野郎でたよー」と裏に言ってはその裏から出てきた帰宅部員に強制捕縛&放逐されていた。
二日目に行くところだけど...正直、そろそろ寝ようかなぁ。
僕は、寝ぼけて腹が出ている悠生のつるつるの腹を枕に目を閉じた...。




