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職員室は二階だった。急いで階段を降りると下足室にたどり着いた。
「開いてる!!」
校舎から出ることができた。一気に校門まで走る。
もうすぐ校門だ。よくわからない学校から出ることができる。そう思って、校門を出れると思ったときに私たちは門からはじかれてしまった。
「え?」
「どうして?」
門の外はまだ夕方だった。門の中だけ時間が違うみたいだ。
「くそー!」
りくとがもう一度出ようとぶつかるが内側にはじかれてしまう。
「りくと」
それでももう一度ぶつかろうとするりくとを彰斗が止めている。
帰れない。こんな不気味なとこにいたくない。
「どうしたら出られるの?裏門?」
裏門に行ってみた。でも、裏門もだった。
ここは本当に学校なのだろうか。
「わたしたち、そもそもどこから入ったの?」
わたしはみんなに聞いてみた。
「確かに。最初はコンピューター室にいたよね」
つかさが気づいてくれた。
「そうだよね。梨乃たちは倉庫だったよ。」
「僕らは、理科室からだった。」
そう。わたしたちは、気付いたら校舎にいたのだ。
「その前は、裏の小屋?」
綾が言った。
わたしたちは、裏の小屋に向かうことにした。
小屋がない。
「あれ?ここじゃなかった?」
「ここのはず。」
「変だなあ。」
「なんでないの?」
「ここに何かあったの?」
絆が言った。
「ここにね、レンガ造りの小屋があったの。」
「そこを開けたら、気付いたら学校の中にいたの。」
「レンガ造りの小屋なら、中庭で見たよ。」
「え?」
「中庭?」
「中庭に戻ってみる?」
わたしたちは中庭に戻ることにした。