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目標は完結です。
よろしくお願いします。
自転車を校門前に止めて、校門に入ると、すぐに噴水があった。
「噴水…」
学校に噴水があるなんて、と思って見ていると、
「この噴水、冬になると凍るんだよ!」
綾が楽しそうに教えてくれた。
「おれ、前取れた!」
「笹川毎年取ってない?んで、毎年怒られてる」
「教室に持ち込むな!ってね」
「よくやるよねー」
りくと君が笑われている。
「松田に当てて怒られてなかった?」
「頭にチョップされたー。あれ、結構痛い。」
「痛いんだ。」
そうこうしているうちに校舎の近くまでやってきた。
「どっち?」梨乃が聞いてくれる。
「あっち」
校舎の裏の方を指さす。
「あっちかー!あんまり行ったことないよね。」
「焼却炉があるらしいよ。」
「そうなの?」
「あ!俺、ウサギ小屋があるって聞いたことある!」
「ウサギ!うちの学校ウサギいるの?」
りくとの言葉にあやが食いついた。
「烏骨鶏飼ってたらしい。」
つかさも言う。
「みんなよく知ってるね。」
わたしが感心していると、
「俺らの親ここ出身だから」
とつかさが答えてくれた。
昨日、小屋を見た場所へ向かうと、やっぱりあった。
「あったー!」
「こんなのあったの?」
「初めて見た!」
「最近できたのかな?」
「え?でも古そうじゃない?」
私たちは好奇心のままにその小屋に近づいて行った。
とても小さな小屋だ。蔦に囲まれていて、レンガ造りなのはわかる。どちらかと言えば洋風と言えるのかもしれない。なんというか、よく金曜の夜にやっている映画に出てくる空飛ぶお城の一部みたいに蔦が巻き付いている。
「この学校ってできて30年ぐらいだよね。」こんな古い建物おかしくない?」
綾が言う。
「確かに。松田にでも聞いてみよう。」
つかさが、そう言ったときに、ぶち、っと嫌な音がした。
「ドア!発見!」
「ちょっ、りくとー!勝手に触っていいのかなー」
りくとが蔦をぶちっと切ってドアを見つけてしまった。ドアをよく見ると”封”と書いてあるような気がする。
「封?」
「封印?」
「なんかやばくない?」
「りくと!待って!」
「りくと!ストップ!」
梨乃と彰斗が止めたときにはもう遅かった。りくとの好奇心は止められなかった。
ギィ
錆びた鉄の嫌な音がして、ドアが開いてしまった。