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目標は完結です。
家に帰ると、家に帰るといとこの彰斗が待っていた。これから一緒に住むことになる。
「香耶!!!」
「彰斗!」
「彰斗君、久しぶり。」
「久しぶり!」
彰斗はいつも元気だ。でも優しい。いつもちょっとぼーとしてしまう私を気遣ってくれる。
「学校どうだった?」
「んー。わかんない。野球してた。」
特に感想なんてなかった。彰斗はニカッって笑って
「まぁ、そうだよな。普通の学校だもんな」
普通?かな?変な形だったけど。
おやつ食べる?というお母さんの声に呼ばれて、私たちは家の中に入った。
「そういえば、変な小屋?建物があった。」
オレンジジュースと、バームクーヘンを食べながら、私が言った。
「変な小屋?」
「蔦で囲まれた、レンガの。」
「そんなのあった??」
「え?知らない?」
「どこに?」
「裏?かな?」
「運動場の逆?」
「うん。」
「そっちあんまり行かないからなあ。」
「そうなんだ。」
彰斗知らないんだ。彰斗も知らないと聞くと、あの小屋が何なのか、ちょっと気になってきた。
二人して不思議な顔をしていると、
「どうしたの?」
お母さんが、料理の手を止めて聞いてきた。
「学校に、小屋があったでしょ?レンガの。彰斗知らないんだって。」
「小屋?そんなのあった?」
「え?運動場と逆のとこに。」
「うーん。お母さん気付かなかったわ。彰斗君知ってる?」
「香耶、本当に見たのか?またボーっとしてたんじゃ…」
「ボーっとなんて、してなかったっとは、言い切れないけど、見たのは見たんだもん。」
私は小さなころからボーっとしてるとよく言われるから、そう言われると自信がなくなってくる。
彰斗は笑いながら、
「じゃあ、明日見に行こう。つかさもいい?」
「つかさ?」
「うん。友達。約束してるんだ。」
「え、そんなの悪いよ。知らない人が急にいたらびっくりするでしょ。」
「大丈夫、どうせやること決まってないし、つかさ人見知りしないし。」
「わたしがするんだけど。」
「どうせ、もうすぐクラスメイトになるんだし!」
「え、でも、」
「大丈夫!いいやつだから!」
ほんとにいいのかな。と思いつつ、明日も暇なわたしは彰斗に甘えることにした。