第7話 陰謀の影と船内の案内
7話目、華やかになってきました。
俺は工場から離れ、傭兵ギルドの建物の前に到着したが、
「こいつらが着てんの軍服?だよな・・・?てことはこいつらは軍人だよな?何でこんなところで倒れてるっていうか、傭兵達に捕縛されてんだ?」
俺が首を捻って情報を整理していると、
「お、トオ、ちゃんと生きてやがったな!?」
現場指揮をとっていた副ギルド長のハウザーが俺に気づいて声をかけてきた。
「ハウザー、これは一体?いや、カエデ達は無事か?」
「ああ、しっかりと傭兵ギルドの建物の中に匿っているよ。こいつらは例の工場に手を貸していた軍部の人間さ、お前達が工場に強襲して中からエルフの親子を救ったから急いで取り返しにきたみたいだな。」
なんでもなくハウザーはそう言うが、俺は一つだけこいつに言わねばならぬ事がある。
「そうか、で?あのふざけたレーザーランチャーは救出を行う理由付けにしては随分と酷いと思わないか?」
俺が握り拳をハウザーに見せながら笑顔で問うと、
「い、いや、お前らのあの混合アーツってやつを使わせるなら、あっちの方がマシかなって思ってよ?どのみち、吹き飛ばすのなら飛び切り危険なやつを試射してもらった方が俺的にデータが・・・・アイダダダダダダ!?」
少しイラっとしたからちょっと頭を鷲掴みにして持ってみた。
「それはまた随分と効率的なんだな~?その軽い頭に安全性という言葉は入ってないのか?」
「キブキブキブッ!?俺が悪かったです!?すいませんしたぁぁぁぁ!?」
と10分程制裁を施し、
「で?カエデ達は今ギルド内のどこにいるんだ?」
「ギルドマスターの部屋で事情の説明と情報の確認をしてる・・・」
半ば伸びてるハウザーを放置して俺はギルドの中に入った。
ギルド内に入ると、受付の一人が俺を見るなり俺の事を呼んだ。
「あの、トオ様でよろしいですよね?」
「あぁ、そうだが・・・」
「ギルドマスターがお呼びですので、そちらにご案内してもよろしいですか?お連れ様もそちらで事情の説明をされています。」
「わかった、頼む。」
そして、俺はカウンターの奥に入り、奥にあったエレベーターに乗る。
ギルドマスターがいる部屋は最上階のようだ。
最上階の部屋の一つに俺は案内され、
「初めまして、期待の新人の一人、トオ君。私は傭兵ギルドタウロスコロニー支部、ギルドマスターを務めるラウドだ。いきなりで悪いのだが、早急に状況の確認をしたいのだが良いかね?」
中にいた初老くらいのおっさんが執務机に座って俺に自己紹介をした。
「先日傭兵ギルドに所属したばかりのDランクのトオ・ジパングだ。とりあえず、何が聞きたい?」
「おおよその経緯はそちらにいる奥方のカエデ君と今回の仕事を受けたアルミスに聞いてある。後、エルフの親子は現在この傭兵ギルド内にある医療エリアで体調のチェックなどの異変がないか診断している最中だ、他の二人もそちらに付き添っている。」
「あの親子に異変は何かありそうか?そもそもエルフを狙っていたらしいが・・・」
「その辺りについては軍の人間に任せる事になっている、軍の内部にその悪事に手を染めている奴らがゴロゴロといるようでな、そいつらを捕らえて現在尋問中だそうだ。しかし、このコロニーに滞在する軍の司令官が既に逃げた後のようだと報告が回ってきている。一応、傭兵ギルドでもコロニー内にいた場合はすぐに捕らえるように通達しているが・・・」
「まぁ、コロニー内にいるわけは無いわな、恐らく、俺があの工場をぶっ飛ばした時には逃げたと思った方がいい。」
「・・・アレはうちの副ギルド長の差し金だと聞いているが、本当かね?」
「あぁ、来る途中で受付の所に置いてきた。あんなレーザーランチャーは要らんよ・・・俺だから撃てたけど、普通の奴なら人間ロケットだな。空を飛ぶぞ?」
「・・・あやつは改造マニアでな、たまに過度なチューニングを施した武器を使って色んな物を壊すから困ったものだ・・・」
「・・・今回は別にぶっ飛ばしても良かったからいいけど、あの親子が一階部分にいたら巻き込んだぞ?」
「・・・とりあえず、奴の処分は後で会議で決める。後聞きたいのは、大型のガードロボットについてだ、これについては破壊したという事でいいのか?」
「あぁ、そっちは問題なく破壊した。少々やり過ぎてガードロボットは粉々になってしまったが、それ以外は破壊してないよ。」
「そうか、どのような形だったのか聞いても良いか?」
「あぁ、肉食の恐竜のような形だったな、口内にレーザーランチャーを付けてあったようだが撃たせる前に仕留めてしまった。後は、レーザーコーティングした爪が武器だと思う。」
「ふむ、対パワードギア用のガードロボットのようだな、それを生身で倒すとは・・・」
パワードギアとはコロニー内で使える小型のロボット兵器である。
種類が様々で人型や動物型など性能と形が多種多様に分かれる兵器である。
もちろん俺の船にも積んであるが今回は取りに行く暇がなかった。
「なんにせよ、そのガードロボットの出所を探れば裏にいる組織が分かるだろう、それが分かり次第また連絡をする。後、あのエルフの親子だが、今回の事情聴取などが終わったら故郷に帰してやりたいと思うからその時はトオ君とカエデ君に頼むと思うのでよろしく頼む。」
「わかった、その時は任せてくれ。」
「それでは、カエデ君とアルミスを呼ぼう、少し待っていてくれたまえ。」
ラウドが机にあるスイッチを押して一言、二言告げると、5分程でカエデ達が入ってきた。
「トオ君!?」
入ってくると同時にカエデは俺に抱きついてきた。
「トオ君、平気?怪我とかは?」
「大丈夫だって、カエデこそ平気か?ギルドの前で軍人と戦ったんだろ?」
「それこそ大丈夫!全員生身でパワードギアを使っている人はいなかったから!」
「カエデは凄かったぞ?全員を一人で倒したからな、まるでエルフの賢者のような素晴らしい魔法アーツだった。」
アルミスがカエデの魔法アーツを褒めると、
「そんなことないよ~!」
などとカエデが照れている。
「あの・・・」
後の方に入ってきたエルフの親子の母親の方が、
「助けていただいてありがとうございます。私はメリア・テッサと申します。」
続いて子供の方が、
「私からもお礼を言わせてください、私の名前はアリア・テッサです。これでも90歳です、ちゃんと成人しています。」
なぜか自分の年齢を教えながらしっかりとお礼を言ってきた。
「私も経験があるがエルフの成人年齢は40歳からだ、だからちゃんとあの子は成人として扱うようにな?」
カエデがこっそりと俺に耳打ちする。
「とりあえず、二人のメディカルチェックは終わったのか?」
俺がそう聞くと、
「うん、特に異常はないみたい、特に薬物の投与も確認されてないって。」
「まぁ、腑に落ちないがな・・・エルフを使って何かの実験をしているようだが、何の実験をしているのか二人ともわからないそうだ。」
「それは先程私の方でも聞いたが、トオ君は何か気づいた点などはあるかね?」
俺はギルドマスターの問い掛けに少し考え、
「・・・カエデ、生体兵器の素材ってどんなものが多い?」
俺がカエデにそう聞くと、
「・・・基本的に生体兵器の類いはバイオテクノロジーと機械兵器を融合させたモノが多い。その際の有機部品の開発に使われるのはその大元となる生物の細胞自体が素材である場合が多いよ・・・トオ君、まさか!?」
カエデが俺が考えている事に気づいて青ざめる。
「・・・もしかしたら、エルフ自体を素材にして兵器を開発していた可能性もある、か・・・軍の司令官も関わっていたという話だし、そういった兵器の開発がされていた可能性はあると思う。」
俺の考えを聞いて全員が青ざめる。
「ば、バカな!?そんなことをして一体・・・」
アルミスが理解できないとそう否定するが、
「目的はさすがにわからないよ・・・多分、本当にバカな事なんだろうけど、二人以外に捕らわれたエルフはいたかい?」
俺は否定出来ず、目的も不明である事を指摘する、自分の理解が絶対に追いつかない事をしている奴がいると確信しながら、メリアとアリアに他にエルフがいなかったのかを尋ねると、
「いました、けど、連れて行かれた人は誰も戻って来なかったのです。」
「一度連れて行くと、もう戻って来ないと私達は考えていました。そして、連れて行かれる人数もバラバラで・・・最後に残っていたのが私達親子でした。」
メリアとアリアがそう答えると、ギルドマスターが、
「・・・ここからは私の仕事だ、ここまでの情報提供をしてくれた事を感謝する。傭兵ギルドDランクのジパング夫婦に傭兵ギルドから依頼する。この親子の保護及び護衛を頼む。現在、二人の故郷がどの辺りか調べている最中だからそれが分かり次第そちらに送ってもらう。」
俺が生体兵器の開発をしていた事を聞いてギルドマスターが自ら陣頭指揮をするようだ。
「これは軍だけに任せていい問題ではなくなってしまった、今の話を軍の指揮をとっている者に伝え、傭兵ギルドも調査に協力する旨を伝えこちらも調査を開始する。」
「分かった、俺らの手が必要なら連絡をくれ。」
「うむ、では二人をジパング夫妻の船で休ませてくれ、アルミスは双方の連絡を取り持ってくれ。」
「分かった、それとトオ、ギルドから帰る前にパーティー登録をしよう。これからは私もお前の船に乗るからな。」
アルミスの爆弾発言に、
「カエデ、いいのか?」
「うん、いいよ!トオ君はいや?」
「嫌ではないけど・・・まぁ、カエデがいいならいいや。よろしく頼むよ、アルミス。」
俺がアルミスに握手の為に手を出すと、
「!あぁ!!よろしく頼む!!トオ!!」
両手で握手した上に凄いブンブン振っていた。
表情も凄い明るいし、何か忘れて、見落としているような・・・?まぁ、こんな美人で有能なスカウトがクルーになるのだ、今は喜ぶとしよう。
俺達はエレベーターを降りて、受付に戻ってきて、パーティー登録をする。
「で、肝心のパーティー名はどうする?」
「う~ん、どうしよっか?」
「神樹の護り手とかどうだ?」
パーティー名で悩む俺とカエデにアルミスがそう提案すると、
「それって太古から御神木を守護すると言われるエルフの勇者の事ですか?」
「エルフではないお二人には少し違和感を覚えてしまうかもしれないですね。」
メリアとアリアがそう言うと、
「なら、宇宙の勇士達でどう?」
カエデがそう提案すると、
「いいんじゃないか?俺はそれでいいと思う。考えても草野球みたいな名前しか出てこない。」
「確かに、私達は勇者では無いからな、でも勇気ある者でありたい志があるから、勇士という訳か。」
「とても自由でいい名前だと思います。」
「はい!カッコいいと思います!」
「そして、リーダーはトオ君ね?」
カエデがしっかりと俺を持ち上げるので、
「分かったよ、俺がやる。」
やる気十分に俺はそう答えた。
「分かりました、パーティー(宇宙の勇士達)を登録しますね。パーティーは三名、リーダーのトオ様、サブリーダーのカエデ様、クルー兼スカウトのアルミス様の三名が現在のパーティーですね?はい、登録しました。現在の船はトオ様とカエデ様の船の(マスタータイラント)が現在乗っている船として登録しておきます。」
受付嬢がそう言って俺にそう答えたので、俺達は頷いてそれに了承した。
船に戻った俺達はまず三人を船の中を案内した。
「今ここにいる場所がリビング兼食堂で、お風呂がそっちの部屋でその隣にトイレが2つある。」
「トオ君の寝室がそっちのコックピットの隣で、私の部屋がこっちの部屋が6つある方ね。そこの一番手前が私の部屋よ。」
俺とカエデで必要な場所を案内してから三人に部屋を割り振る。
「とりあえず、どこを使いたい?って言ってもどれも同じだけど。」
「私はこっちの部屋でいい、この後借りてるアパートに行って荷物をこちらに運ぶ手配をしたいから貨物コードを教えてくれ。」
「分かった、これでいいか?」
「あぁ、ありがとう。私は早速荷物をこちらに運ぶよ。」
そう言ってアルミスは端末を操作するのに集中している為、メリアとアリアの方の様子を見に行く。
「お~い、そっちはどうだ?」
「あ、トオ君、二人とも着替えがないから買いに行ってもいい?」
「・・・う~ん、通販でどうにかならないか?外を出歩くのはまだ危ないぞ?」
「そっか、その手があったか・・・じゃあ、評価の高い所を探して・・・おぉ!凄い、アプリで写真を撮って登録すると、立体的に着せ替えが・・・あっ!?」
「ひ、ひゃあぁぁぁぁ!?カエデさん!?何て事するんですかぁ~!?」
「と、トオ様は見てはダメです!?そっちを見ていて下さい!?」
何かわからないが凄い騒いでいるが親子で来るなというので、俺は近づかないでとりあえず、カエデに一言言って部屋の外に出た。
「カエデ、あまり買い過ぎないようにな?」
「わ、わかってるよ!?トオ君、こっちは大丈夫だから!?」
何かをやらかしたカエデに苦笑いをしながら、俺は自分の部屋に戻った。
トオ君が出ていった後、部屋に残っている私達はようやく冷静になれた。
「まさか、全部脱がせると全裸になるなんて・・・このアプリ、凄く怖いんだけど!?」
間違ってアプリ上で全裸にされたアリアちゃんは、
「あぁうぅ~・・・もうお嫁に行けません・・・あ、あんな所までしっかりと写ってるなんて・・・」
一方、通販で服を買う為にこちらも見られたメリアさんは、
「まぁ、可愛いお洋服を買ってもらったから良いとしましょう。」
しっかりとお高めの洋服を選んでおり、トオ君に見られなかったから気にしてないようだ。
「お母さんは気にしてないの?」
「トオ君に見られたら流石に恥ずかしいけど、女の子同士なら平気でしょ?」
「・・・トオ君に見られてたらどうしますか?」
私がそう聞くと、
「そうね、旦那が病で亡くなって80年以上時間が経っているし、トオ君が良ければ責任を・・・」
「もぉ!?お母さん!?それはズルいよ!?」
アリアちゃんがなぜかズルい発言をするので、
「アリアちゃんもトオ君が良いの?」
「トオ様は、カエデさんの旦那さんでしょ!?あうあう、私慰め者に・・・!?」
「されたい?」
なおも攻める私にアリアちゃんは顔が真っ赤になってしまった。
「でも、二人は宇宙を旅をするのでしょう?アルミス様がいる以上、私達ではあまり力にはならないのでは?」
「私達、ある事情で信用できる人が殆どいない状態なので、クルーが増えるのは大歓迎なんですよ。・・・後、彼、夜は結構凄いんです。」
私が、メリアとアリアにそう言うと、
「・・・そ、そうなんですか?」
「・・・ちゃんと避妊しないと危なそうね?」
「すぐに出来ちゃうと思います。」
私達がそんな明け透けな話をしていると、
「三人だけでそんな話をするのはちょっとズルいと思うな?」
いつの間にかアルミスが傍に立っていて、
「お風呂に入りながら、じっくりとその話を詳しく聞かせてもらおうかしら?」
「・・・いいけど、しっかりと避妊の準備はしてね?」
「勿論だよ、妊娠する時は一緒が良いからね。・・・彼は今、部屋で寝ているようだ。」
アルミスは既に彼の所に一回行ってみたようだ。
「そっかなら、一緒にお風呂に入りながらガールズトークといきましょうか!」
彼のいない所で私は、据え膳どころか親子丼の許可まで出している事を彼はまだ知らない。
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