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第6話 アルミスと共同の仕事と、救出撤退戦

六話目、今回は香ばしい香りがする名前が多めです。

 アルミスと傭兵ギルドに赴き、俺とカエデはアルミスと共に副ギルド長のハウザーに声をかける。

 「コロニーギャングどものアジトが分かったから動けるやつを寄越してちょうだい。」

 「こないだ騒いでるやつはギャングの一員だったらしい。」

 「人身売買を行っているギャングの情報は無いか?」

 俺とアルミスでハウザーにそう聞くと、

 「確かサタンの連中が最近その手の悪事に手を染めてるって情報があったな・・・お前らもギャングと殺り合いに行くの?マジで?コロニーに穴を空けんなよ?」

 「流石にもう複合アーツはもう使わないよ、それよりも場所を早く教えてくれ。」

 「トオもカエデもそんな大技を使えるのかい?なら期待しても良さそうだね・・・」

 「だから、その大技は使用禁止だ。それよっかならレーザーランチャーでも何でも貸し出してやるからそっちを使え!?」

 「分かってるって、レーザーランチャーを一つ貸して貰うよ、流石に船に戻っている時間はなさそうだ。」

 俺がそう言うと、

 「おう、待ってろ・・・これだ、持っていきな!」

 奥から荷台が自動で走ってきて俺の前で止まった。

 荷台には大型のレーザーランチャーが乗っていた。

 「試作型大型レーザーランチャー、アルカナムだ。さすがにくれてやる事は出来ないからちゃんと返してくれ。」

 「・・・これ、3発ぐらいしか撃てないんじゃないか?」

 「おう、ロマン砲だからな!威力は期待して良いぜ!」

 無駄に立つ親指が憎らしかった。

 「・・・トオ、諦めて行こう。」

 「・・・トオ君、遠距離なら私も撃てるから、大丈夫だよ。」

 「・・・わかった、早く行こう、そして後でこいつをこの馬鹿者に持たせてスクワットさせてやる!」

 そう言って俺はレーザーランチャーを背負って走り出す。

 「目的地はコロニー整備区画、そのC地区だ。タウロスコロニーはギャングどもに重要区画を占拠されていないから容赦なく消し飛ばしても問題ない。」

 「わかった、まずは目的地に向かおう!」

 「うん!」

 そして、コロニー整備区画に入り、目的地まで順調に進んで行くと、

 「あれは、見張りか?」

 「それっぽいな、正面から仕留めるか?」

 「あの後ろの建物が目的地みたいだし、そのレーザーランチャーを撃っちゃえば?」

 「・・・なるほど、それで行こう。」

 「オーケー、出力最大でブチ込むぜ!」

 そして、俺は最大チャージのレーザーランチャーを見張りの方に向けて、

 「ファイヤー!!」

 トリガーを引いた。

 すると、

 「どわぁぁぁ!!?」

 宇宙船バリのレーザーが俺の持っているレーザーランチャーから放たれた。

 当然、俺の体は浮いてぶっ飛んだ。

 「トオ君!?・・・大丈夫?」

 「大丈夫か?トオ、怪我は?」

 「大丈夫だけど・・・流石に死ぬかと思った。」

 そして、俺が顔を上げた先には、

 「あぁ~、見張りは消し飛んだな・・・」

 「建物もな、よく半分残っているモノだ。」

 「あの中を探索するの?」

 「とりあえず、探って見ないことにはなんとも言えないな。」

 「斥候は私がやる、カエデが真ん中でトオが一番後ろでいいか?」

 アルミスが隊列案を出したので、

 「俺はそれでいい。」

 「私も問題ないよ。」

 俺達はアルミスの言った順番に並んで歩く。

 「・・・ここ、何かの工場だ・・・」

 「何の工場か判るか?」

 「絶対、悪い工場だって!」

 カエデの言い分に納得しながら、

 「情報を集めながら、行こう。」

 俺の一言聞いてより慎重に進んで行く中で途中、地下に向かう階段を下りて進み、何かの端末室を発見した。

 「アルミス、情報の取得とか出来そうか?」

 「任せてくれ。」

 「あ、私もイジッてみるね?」

 「トラップに引っ掛からないようにな?」

 「大丈夫、私のスキルが役に立つかも・・・」

 そう言ってカエデは凄い速さでタイピングを打ち出した。

 「ひょっとして、生産職をやっていた時のスキルか?」

 「うん、常時発動型のスキル、(情報処理)のスキルだよ。開発効率と情報取得の速度が脅威の8割増し・・・」

 「・・・これだと私は別の視点から情報を精査した方がいいな。」

 スキルは普段行っている行動とかで取得出来るか決まるので、狙って取得出来る物ではないから効果が恐ろしく高いモノが多い。

 前に俺が屋上から翔んだスキル、(ファルコンダイブ)もデメリットは無い。

 「・・・あっ!?このアジトの概要が出た、何かの工場?」

 「こっちも確認した、多分だが生体兵器の工場だ。勿論、違法な・・・」

 「生体兵器の所持自体に規制があるのか?」

 「違う、生体兵器の開発は国に資料を渡して開発許可を貰わないと製造どころか研究開発が出来ないようになっている。許可の下りている兵器の所持は違法ではないが、それがない生体兵器は一律全てが違法だ。」

 「・・・うん、命の冒涜とはよく言ったモノだよね・・・」

 「カエデ?どうした・・・これは!?」

 「これは人にまで手が及んでいる、さっさと潰すぞ!」

 俺がカエデの後ろから覗いた映像は、親子が何かの実験に晒されているところだった。

 「ルートの算出は?」

 「こっちだ!」

 「急ごう!」

 俺達はアルミスを先頭に急いで走って行く。

 カエデは端末に地図を写したようで、

 「アルミス、そこを左に曲がってすぐの扉!」

 「これか?トオ、構えて!?私が扉を開けるから突入は君の役目だよ!」

 「目標は親子の救出、他は全て制圧。」

 俺がこれからやることを口にすると、

 「そして、ギャング組織の後ろを洗う事。やっぱりこういうのは不自然だよね?」

 「あぁ、じゃあ・・・行くぞ!」

 アルミスが勢いよく扉を蹴り開ける。

 「いた!(ライトニングステップ)!!」

 俺は保護対象の親子を見つけると、轟音を響かせながら、親子が入っている容器のようなものに接近する。

 「せあ!!」

 容器をレーザーソードで切り裂き、親子を抱き上げ、そのままカエデの方に退避する。

 「侵入者だ!?」

 「サンプルが盗られたぞ!?」

 「・・・反省の色なし、なら、容赦なくお仕置き!(サンダーレイン)!!」

 「「「「ぎゃあぁぁぁぁぁ!??」」」」

 カエデの広範囲アーツで、敵が全員気絶した。

 「・・・よく手加減出来たな?」

 「何となく、出来た!別に失敗してもいいとも思ってたし!」

 「そ、そうか・・・」

 予想以上にカエデさんは怒ってました。

 「二人は、エルフか?まさか同胞とは・・・」

 「あの?・・・あなた達は?」

 「今は脱出しよう、歩けますか?」

 「はい、大丈夫です。」

 「私が先頭を行く、トオとカエデで背後を頼む。」

 「「了解!」」

 アルミスと同じエルフ族だったのは少し驚いたが、二人の体調に問題がなかったようなので、再びアルミスを先頭に俺達はこの工場から脱出をする為、移動を開始する。

 「・・・今頃ガードロボットが出てきてんぞ?」

 「既に見つかっているな、強行突破しかないな・・・」

 「なら、俺が先頭になる。」

 「トオ君、私がナビするからね!」

 俺達は順番を入れ換えて再び移動を開始する。

 勿論、今度はガードロボットが所々で襲ってきて戦闘になったので、

 「はぁぁぁ!!(ライトニングセイバー)!!」

 俺はレーザーソードに更に雷を纏わせて巨大な刃を形成し、一振り毎にガードロボットを粉砕する。

 「!?後方から敵襲!!」

 「先手必勝!!(マシンガンバレット)!!と、(ダークネスエッジ)!!」

 まるで機関銃の様にレーザーガンを連射しながら、強力な闇の刃を放つと、カエデは他に敵がいないか警戒を怠らない。

 「ミス一つが命取りってね・・・」

 「・・・いないようだ、後少しで工場から出られる。」

 「ギルドの連中が手を回してくれれば楽なんだが・・・」

 地下を脱出した俺達は、入口に向かって走る。

 「・・・何かいるぞ!?」

 入口にいつの間にか大型のガードロボットがいた。

 「・・・一体だけだが、厄介そうだな。」

 「恐竜型のガードロボットだね、私が・・・」

 「いや、カエデはアルミスと彼女達を連れてギルドに向かってくれ。ここは俺がやる。」

 「・・・トオ君、無茶はダメだよ?」

 「いざとなれば混合アーツを使うから大丈夫だよ!」

 「・・・わかった、なら、走るぞ!」

 「お前の相手は俺だ!(サンダーブレッド)!!」

 俺は雷の弾丸を放ちながら、ガードロボットの前に出て、更に攻撃を加える。

 「次、(イグニートブレイバー)!!からの、(円舞流炎剣)!!」

 俺は飛び上がり、巨大な炎の剣になったレーザーソードを振り下ろし、着地と同時にそのまま炎の回転斬りを三回繰り出す。

 「・・・!!?₢£¤₩₤฿¥₪!!?」

 電子音を響かせ、よろめくガードロボットに追撃を加えながら、自分からヘイトを他に向けない様に、更にスキルを使う。

 「スキル発動!(強者の名乗り)!!」

 このスキルはタンク役をやっているプレイヤーが多く持っているスキルで、全敵に集中されるスキルである。

 「更に、(破壊衝動)!!(剣の理)!!」

 破壊衝動は防御力のハーフカットと引き換えに攻撃力の三倍増し、剣の理は剣のアーツの発動を更に連続で繰り出せるもの。

 「まずは(雷斬天翔刃)!!」

 雷を纏わせたレーザーソードで連続で斬り上げながら飛び上がり、

 「次、(飛燕風刃剣)!!」

 燕の様に身を翻しながら、風の刃を飛ばし、ガードロボットが更にズタズタになる、

 「止め!(鬼神墜刃撃)!!」

 最後にダウン特効の効果が付いたアーツを叩き込み、ガードロボットが爆発すら出来ずバラバラになった。

 「エネルギー系ごと、吹き飛ばしたからかな?まぁ、それよりもあっち・・・!?誰だ!?」

 カエデ達を追おうとして走ろうとしたその時、俺は背後に異様な気配を感じて振り返る。

 「・・・・・・」

 そこに立っていたのは、マントを目深く被った異様な人物だった。

 「何者だ?いや、そもそも・・・()()()?」

 すると、わずかに見える口元が横に裂かれ、笑みの形になったが、

 「まだ・・・早い・・・」

 そう言い残して、その場から離脱した。

 「ぐっ!?早いな・・・まぁ、いい・・・それより俺もギルドに向かおう。」

 対峙した感覚だと、今の武器では少々厳しいと感じた相手だったので、深追いをせず、そのまま離脱をする事にした。

 「しかし、やっぱりSFだな・・・ガードロボットなんかもそうだけど、人体実験の罪深さが特に・・・」

 スーパーテクノロジーがあるからこその現実に、やはり、平和な世界ではないことを改めて俺は痛感していた。

 「俺を見てた()()()そういった類いか?・・・今は考えても仕方ないか?・・・カエデとアルミスに相談して考えよう。」

 走りながら俺はそう結論付けた。


 トオ君が敵を抑えている内に私とアルミスはエルフの親子を連れて、傭兵ギルドがあるエリアまで来る事が出来た。

 「・・・トオは大丈夫なのか?」

 アルミスが心配そうに私に聞くが、

 「今回のやつだと、多分トオ君の完封勝ちじゃないかな?」

 私がそう言うとアルミスだけじゃなくエルフの親子も、

 「その、市販のガードロボットどころか軍用のモデルに見えたのですが?」

 「汎用型のガードロボットなら、トオ君なら大型でも問題ないよ!」

 そんな話をしながらも、ギルドに入る直前で、

 「いたぞ!!アレがバレると俺らも終わりだぞ!!」

 「あいつらを仕留めて披検体を取り戻せ!!」

 「丁度よく入口の前を塞がれるとか・・・凄い邪魔!!」

 「気持ちは分かるけど、あまり大穴を空けないようにな?」

 「・・・大丈夫なんですか?」

 「まぁ、見てれば分かる。トオよりもこっちの方が怒らせると怖い。」

 そう、私は既に怒っていた。

 「スキル発動!(魔導の理)!!」

 私は魔法アーツ効果を三割高め、三倍速で魔法アーツを連射出来るスキルを発動する。

 これは魔法アーツを主体とする遠距離アタッカーがよく持っているスキルだ。

 「更に、(破壊の権化)を発動!!」

 このスキルは魔法アーツの範囲を限界まで広げるスキルだ。

 威力を上げて、効果範囲を広げた後はシンプルに、

 「(ブラスターレイ)!!(プリズムランサー)!!(ホーリーソード)!!(サイクロンブレード)!!」

 光線をぶっぱして、虹の槍を空から降らせ、聖なる剣を複数召喚し、竜巻の刃とともに踊らせる。

 もちろん、敵から聞こえるのは、

 「「「「ぎゃあぁぁぁぁぁ!??」」」」

 悲鳴だけだった。

 手加減をしたつもりはなかったけど、一応、瀕死で生き長らえていたが、それよりもギルド内に入り、民間人の保護を優先した。

 「この中に入れば、傭兵ギルドが保護をしてくれる筈・・・」

 そうエルフの親子に言い聞かせて、私達はギルド内に入り、トオ君が追いつくのを待った。

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