第2話 デート中のリア充は悪漢に絡まれて撃退するまでがセットです。
本日二話目、もっと頑張ります。
カエデと二人で軍基地を訪れて、レアメタルの換金と、宙賊基地のデータを渡した後、俺とカエデは3日程船の中まったりとしていた。
その予定だったのだが、
「あのさ、トオ君。」
「どうした?カエ?」
「その3日はゆっくりと情報を集める話だったけどさ、昨日、してから思ったけど・・・」
「・・・あ、そういえば昨日はそういうの、全然気にしてなかったな。」
「地球よりも技術的なモノが凄く発展しているみたいだし、お金の価格と単位を確認したらそういうお店を見つけて買い物に行かない?」
昨日はこのよくわからない状況でゆっくりと休める場所が出来てしまったからつい、盛り上がってしまった。
だから、避妊とか何も考慮していない。
「信頼できる病院とか見つけてない状態で出産はハード過ぎる・・・とりあえず、手持ち金がいくらか把握するところから始めようか?」
「うん、ゲームと同じガネーみたいだよ。価値は多分1ガネー=10円だと思う。」
「その辺りはゲームと同じ設定か・・・レアメタルとか賞金首とかの得たお金が全部で約1200万ガネー、ここでの滞在費がまず、港の停泊代が俺たちの乗っている中型スペースギアだと1万2千ガネー。」
俺たちは船の中にあった小型端末にメモをつけながら相談する。
「この中に酸素の分のお金も入っているし、後は生活廃棄物の処理代も入っているからこの部分に関しては、一週間単位で1万2千ガネーだっけ?」
「そう、一週間の滞在で1万2千ガネー、1日の滞在だと、6千ガネーからみたいだな。まぁ、一週間まとめて払った方がどうみてもお得だ。」
滞在費の確認をした後は、今度は食費の計算と確認をする。
「食費がこのフードカートリッジが一本で3百ガネー、日本円で三千円・・・飲料水がめっちゃ高くてなんと、10Lで5百ガネー、日本円で五千円か・・・」
「食費はともかく、水は貴重なモノだから仕方ないと思うよ?外国でも水より清涼飲料水の方が安いみたいだし・・・船の中で使う水は高度な循環機能を使って汚れた水を浄化しているみたいだから、そっちの水の補充はそんなにかかってないね。」
「フードカートリッジが大体一本で30食分だと言うから、俺とカエで食べると一月で六本は消費する計算だな。」
「期限も結構長いみたいだから、ある程度はまとめて買った方が後で楽になるね。」
次は買い物に行く場所の選定である。
「例の情報検索の許可を貰った時に銀河マップのデータを貰ったけど、この国のデータは詳細に書いてあるけど他国のデータはやっぱりそうでもないよな・・・」
「地球でも地図一つで戦争になったりするんだから、それは宇宙に出ても変わらないんじゃない?それよりお買い物だよ、お買い物。とりあえず、メインストリートのお店をチェックするね。」
「あ、百貨店っぽいのがあるな。名前がウラノス百貨店?」
「創業者の名前かな?でも、凄い老舗。創業1000年って流石スペースワイド。スケールが大きい・・・」
「口コミの評価もかなりいいし、ここに行くのは確定だな。後は端末とかそれっぽい機材とかの所と武器のお店にシップショップを探しておくか?」
「・・・ん~、元々今回のお買い物は必要に迫られてだし、その辺りはまた次の機会に持ち越した方がいいんじゃないかな?まだ武器を持った訓練も全然してないし・・・」
「でも、俺の場合、白兵戦は多分出来るぞ?船内のウェポンマウントの武器を少し持ってみたけど、ゲームの時よりしっくりくる。」
「・・・トオ君がそう言うならそうなのかもしれないけど、戦闘になっていきなり人を殺すのはちょっと自信が持てないかな・・・」
「それは俺の仕事だからカエは気にしなくていいよ、あっさりしてる俺がちょっとおかしいと思う。」
宙賊との戦闘から敵を倒すことに躊躇いがなくなっている自分を不思議に思いながらも自分の中で明確な優先順位を作る。
「カエは俺が守る、これまでもこれからも、な?」
「・・・無理はしちゃやだよ?」
「わかってる、カエの所に必ず帰るって約束するさ・・・」
「あ、・・・」
しばし唇を重ね、お互いの想いを確認しあってから俺とカエは装備を整えてから初めてコロニーの中を探索した。
「うわぁ~、結構広い・・・」
「でも、やっぱり窮屈にも思えるな・・・後、このコロニーは結構治安がいいって言うけど、やっぱりアメリカか下手すると南アフリカとかそっちクラスじゃないか?」
そう言って俺が視線を向けている方を見るとどう見てもチンピラにしか見えないのがこっちを見ていた。
「レーザーガンはいつでも使えるようにしとけよ?一応、得意武器のワンドも持って来たんだろ?」
「うん、回復系のアーツは使えたよ。」
「チンピラの強さがどの程度かわからないけど、一番最初のプレイヤーをちょっと強くした程度だろう、油断さえしなければ危ない事はないはずだ。」
俺も腰に着けたレーザーソードに触れる。
そして、腰のレーザーガンにも手を触れるとチンピラはギョッとした表情で背を向けて逃げて行った。
「やっぱり危ないな、買い物をしたら予定通りにゆっくりしよう。その後に傭兵ギルドに登録だな。」
「うん、そうだね。」
その後、俺とカエは何事もなく目的地のウラノス百貨店に到着した。
「ここがウラノス百貨店・・・」
「なんだろうな?あのよくわからない動物?は・・・」
「マスコット?じゃないかな?」
「とりあえず、入ってみるか?ここなら必要なもの殆ど揃うらしいし」
「そうだね、この世界初めてのお買い物だし、楽しも~♪」
そう言ってテンションを上げたカエに引っ張られて俺は店の中に入った。
一言で言うと中の広さは大きめのコンビニぐらいで上に行くエスカレーターがあった。
でも、物は端から端まで並べられており、どちらかと言うと、
「なんかドンでキホーテなあのお店を思い出しちゃうな・・・これはこれで楽しいけど」
「一階はやっぱり食料関係なんだな、お菓子の類いもあるみたいだし、フードカートリッジと一緒に何個か試しに買ってみよう。」
そう言って一階を物色して買いたい物を買った後、カートを押しながら他に食指が動きそうな物がないか探していると、カエが急に、
「でもトオ君、この量の荷物を持って歩くのって危なくない?」
「いや、完全自動の宅配サービスがあるらしいから大丈夫らしいぞ?」
「そうなの!?」
「あぁ、自分で手荷物を持つことは殆どないらしい、後は何か女性用の化粧品何かはあまり変わってないみたいだ・・・」
「・・・どうして、そんなことを調べたの?」
「いや、買うものに当たって女性用品もあるところで検索したらここの他に、何か説明みたいなやつに検索がヒットした。」
「・・・化粧品は私も盲点だった、でもここまで発展した技術を持っている化粧品はどんなものか凄い気になる!」
「上の階にあるみたいだから、ここの会計をして荷物を船に送ってから行ってみよう。」
「うん、楽しみだなぁ~♪」
そう言って上がってみると、そこは女性用品がたっぷり立ち並んでいた。
「うわぁ~、これはちょっと、男にはつらいな・・・」
「それでも私はトオ君を離さない。」
「下着類もあるんだが?」
「リクエストすれば着てあげるよ?」
「・・・先に目的の物を探してからな?」
「トオ君の、エッチ。」
と、カエに指先で鼻先をちょっとつつかれながらも店員をキャッチする事に成功する。
流石にじっくり探す勇気は俺にはなかった。
「あ、避妊ってピルだけなんだ・・・え?生理用のお薬もあるの?体が凄い楽になるんだ・・・それは凄い助かる。」
横に立っている俺は、カエの買い物が終わるまで柱になっていた。
「トオ君は何かある?」
「・・・俺は副作用とかそういうのがなければ特に言う事はないかな?カエの方がやっぱり詳しいだろうし・・・あぁ、量は多めに買うようにな、一度船に乗って出るとすぐに戻れない可能性もあるし・・・」
「でしたらこちらの品で大丈夫だと思います。使ってみて体に合わないのであればまた違う物も提示出来ますし。」
「なら、これでお願いします。・・・それじゃ、後はお待ちかねのお洋服♪」
「お手柔らかに・・・」
「試着室はあちらにありますので、傍にベンチがあるので男性のお客様はそちらでお座りになられたらいかがですか?」
「今日は彼を真っ赤にさせるって決めてるんです!」
「・・・何かすんません。」
親切な店員さんの申し出を暴走全開で押し退けて行く恋人に振り回されながら、服を上から下まで何通りか揃えて買った。
「毎度ありがとうございました♪」
3万ガネーの支払いをした後、店員さんの笑顔がなかなかであった事をここに報告しておく。
宅配サービスで荷物を全部、船に直接送り、後は真っ直ぐに俺らが船に戻るだけである。
「凄い楽しかった~♪化粧品とかもっと見たかったかも、何か美肌とかそういうのも一杯あったよ!?」
「・・・俺はそれがどんなに凄い事かよくわからないんだが?」
「しょうがないなぁ、トオ君には私が後でしっかりと説明しよう!」
「やれやれ・・・」
テンションの高いカエの相手をしながら、船に戻る途中で、
「よう、デート中の邪魔をして悪いなお二人さん。」
「ちょっと俺らの相手もしてくれやぁ?」
その途中で前触れもなく、五人程のチンピラにいきなり絡まれた。
「いきなり何だ?」
「おうおう!カッコいいねぇ~!彼女を守ろってか?」
「ケガしねぇように大人しくした方が身の為だぜぇ?」
「大人しくしても、貰うもんは貰うけどなぁ!?」
「さっさとそっちの女と有り金・・・」
その言葉を聞いた瞬間、俺はレーザーガンとレーザーソードを抜いた。
カエもワンドを構えている。
「こっちも遊びでこういうのを使ってる訳じゃねぇんだ、火傷で済むと思うなよ?」
「チッ!?抜かせ!小僧!?」
ここだと人目があるので武器の出力を非殺傷モードにしておく。
流石に流血沙汰にするとどういう扱いになるかわからないからな。
一番前の男の脳天に容赦なくレーザーガンをぶちこむ。
「あがぁ!?」
当然一発で白目だ、次の男の肩にレーザーガンにもレーザーガンを放ち、昏倒させると、その後の男にはレーザーソードを使う。
「て、てめえ!?傭兵なのか!?」
「あぁ、そうだぞ?今更遅いがな!せぇい!!」
「げぎゃあ!?」
レーザーソードで撫で斬りにされた男を一瞥して、残り二人に相対する。
「く、くそう!?レーザーで女を・・・!?何だありゃあ!?」
カエを狙おうとしているから、さっさと斬ろうと思ったら、カエの方を見て驚いたので横目でチラッと確認したら、
「カエ、バリアなんて使えたんだな・・・」
「アレだと使う機会無かったからね・・・攻撃はまだちょっと自信ないし。」
「く、くそ!?ハッタリだ!?」
レーザーガンを放つがびくともしなかった。
「くそ!?やっぱりあいつを!?」
「もう遅い、仲良く寝てろ!・・・無影斬!!」
俺はアーツを使って奴らのレーザーを掻い潜り、斬擊を叩き付け、意識を刈り取った。
「まぁ、こんなところか・・・」
「アーツ、しっかりと使えたね。これで私達がゲームの中に入ったってことでいいのかな?」
「いや、まだそうと決めつけるには早いだろ、とりあえず船帰ろう。その前に治安維持の人に連絡を・・・」
悪漢をそのままにして置けないので治安維持隊の人間に来てもらい、雑魚どもを回収してもらった。
凄く感謝された。
「先日、着港された冒険者の方ですね?本日は治安維持に協力していただき、ありがとうございます。」
「いや、こちらはただ絡まれただけだから、気にしないでくれ。」
「そうですか、こいつら善良な市民に危害を加える犯罪者ですので、また何かあったら連絡を頂けると助かります。」
「わかりました、傭兵ギルドに赴き、手続きをしてからになりますが、協力できる事にはご協力しますよ。」
「感謝致します。では、本官はこれで失礼します。」
と、胸に右手を当てる敬礼をした後、治安維持隊は去って行った。
「俺らも帰ろう。」
「うん、そうだね。アーツを使った感想を確認しないとね。」
「あぁ、船に戻ってシャワーも浴びたいしな・・・」
それから船に戻って貨物室に先程買った物が全部あることを確認して、食料を自動調理機があるリビングに持ってくる。
「冷蔵庫ならぬ保管庫か・・・自動で保存に適した場所に保管してくれるのはハイテクだな。」
「アイスなんかはもう売ってないみたいだけどね、今度出かける時は屋台巡りかな?」
「チラッと見た感じ色々あったよな、よくわからない物も多かったけど・・・」
「そこも屋台の醍醐味じゃない?」
「かもな、じゃ先にシャワー浴びちゃうかな?」
「私はさっき買ったのを開けてから入るね?」
「わかった、じゃ入ってくるな・・・」
俺はそう言って部屋に行き、着替えを持ってシャワールームに入った。
頭を洗って、体を洗おうとしたらカエが、
「トオ君、私も一緒に入るね!」
一糸纏わぬカエがシャワールームに乱入してきて、大変楽しく過ごしたとここで証言します。
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