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第11話 トオの買い物と暇潰し

次の更新はまた来週の土曜日を予定しています。

 一方、船から出掛けたトオはガンショップなどの総合ウェポンショップの中の店をハシゴしていた。

 「ふむ、これは随分とゴツいな?レーザーだけじゃなくて榴弾や徹甲弾なんかも使える仕様なのか・・・」

 船の倉庫に似たような装備があるが、アレは近距離突撃仕様の装備なんだよな。

 「兄ちゃん見たことねぇ顔だな?新入りかい?」

 カウンターの中にいた親父が俺に声をかけてくる。

 「まぁ、新入りって言えば新入りだな。元は冒険者をやっていたんだが、その途中でトラブルにあってな、一旦傭兵稼業に手を出す事にしたんだ。」

 「なるほどな、化け物の相手なら冒険者をやっている奴らの方が狩るのは上手いからな、それで装備の見直しに来たのかい?」

 「まぁ、まずはこのコロニーの品揃えのチェックからだけどな、ウチの嫁がエンジニアでな、買う方が安いか作った方が安いかをチェックした上で、俺達に必要な装備を揃えるつもりだ。」

 俺の言い分を聞いた親父が、

 「おいおい、嫁さんがエンジニアってお前さん生粋の冒険者だな?自分の船に技術者を乗せてまで冒険する奴は勿論、嫁をそんな危ない所に連れて行くもんじゃないぜ?・・・つ〜か、()()?」

 カウンターの親父はそこに気付いて、

 「テメェまさか・・・一人で女を大勢確保するリア充野郎か!?」

 俺はその言い分に、

 「まぁ、充実はしてる。同時に色々と戦慄もしているが・・・親父さんだって嫁さんがいるんだろう?薬指の指輪が眩しいぜ?」

 こう切り返すと、

 「グッ!?年の割には冷静だなお前、だが俺は一人だ。お前みたいに何人も囲っている訳じゃないからセーフだ!?」

 「・・・俺から言わせて貰うと、俺が囲っている訳じゃない、俺が囲われているんだ。・・・今頃、俺の()()についての協定が結ばれているんじゃないかな?」

 俺は親父さんにそう返すと、親父さんは、

 「・・・でも、お嫌じゃないんだろう?」

 「・・・もちろんだ。親父さんも()()()()()()()?」

 「・・・まぁな。」

 親父さんの質問にそう返すと、近くにいた男どもが同時にケッ!!とジェラシーを全開にして舌打ちをした。

 「・・・まぁ、今日はコロニー内で使う為の武器とか防具をチェックに来ただけだから、次に来る時に他のメンバーも連れて来るよ。・・・その前にエルフの母星に行ってからだけど。」

 「何だ?エルフの母星に行ってどうするんだ?」

 「・・・いや、先日助けた親子がエルフでな、その親子を送り届けないといけないんだ。」

 俺が言い辛そうにそう言うと、

 「・・・そのエルフの親子は、どっちも女か?」

 「・・・あぁ、そうだ。」

 「・・・母親に旦那はいないのか?」

 「・・・そうだ。」

 俺が質問に答えると、親父さんは悟った顔をして、

 「・・・エルフは、生涯の伴侶と決めた相手から離れる事は出来なくなるちょっと特殊な生態を持つ種族だ、そのエルフを死なせたくなければちゃんと傍に置いておきな。」

 「・・・旦那と死別しているらしいが、それは大丈夫なのか?」

 「俺も詳しくは知らねぇが聞く所によると、病死や天寿での死別だと()()()()()()にそのまま生きている場合が多いらしい、だが、戦死なんかの死因になると一緒にポックリと逝っちまうらしいから、兄ちゃんは長生きしないとイカンぜ?」

 親父さんの妙に詳しい情報を聞いて、

 「・・・親父さんの嫁って・・・」

 「・・・おう、エルフだ。俺より年上の姉さん女房でよ、毎日仕事から帰るのが楽しくて仕方がねぇ。」

 俺と親父さんは思わず握手していた。

 「今、嫁が妊娠中でな、その時病院に行った時に色々と医者の先生に聞いたんだよ。だから、兄ちゃんの周りにエルフが複数人いる場合があるパターンの話も聞いた事があるんだ。」

 「そうか、教えてくれてありがとう。」

 「それでエルフの女は誠実で強い男に惹かれるってウチの嫁が言っていたから、多分兄ちゃんはそのパターンだろうぜ?ピンチの場面で助けてやったんだしな、しかも兄ちゃん強えだろ?俺も元傭兵だったからな、それくらいは分かるんだ。」

 そのまま親父さんは説明を続ける。

 「そういった共有してる旦那を巡ってケンカとかはしないらしいから、気にしないでしっかり平等に全員と接してやるのがコツだってウチの嫁が話をしてた。」

 「・・・そっか、俺ももっとしっかりしないとな・・・」

 俺がそう気合を入れると、

 「後、エルフはなんだかんだで戦闘種族らしく、高い戦闘力があるらしいから怒らせないように注意しろって言っていたな、たまに変な挑発に嫁全員が乗ってしまって大惨事な目にあったバカがいたと嫁が話していたからな。」

 その話を聞いて、

 「・・・その場合だと、一番危ないのは()()()()()カエデだな・・・親父さん、為になる話をありがとう、とりあえずこのグレネード付きのレーザーライフルを一つくれ。」

 「あいよ、50万ガネーだよ、弾薬は少しサービスしてやる。」

 「そんじゃ、コレで・・・」

 残金が心許無くなってきた。

 「帰る前に少し()()()()するかな。」

 そう考えてから俺は端末を取り出して傭兵ギルドのハウザーに連絡を取った。

 「はい、こちら傭兵ギルドのハウザーです。」

 「トオ・ジパングだ、急で悪いんだけどコロニー内の手配書と例のギャングどもを潰す依頼が無いか調べて貰えないか?」

 俺がそう用件を話すと、

 「なら、このコロニーにいると思われる賞金首って大体がサタンのギャングどもなんだよ。だから、今分かっているアジトを片っ端から()()()()()()()傭兵ギルドからの依頼って事にして金を出すぜ?」

 「乗った!じゃ、早速情報をくれ。」

 俺がそう伝えると、マップデータが端末に送られてきた。

 「そのデータ通りにいけば、今日中に奴らのアジトを全部潰せる筈だ。後、ギルドから後詰めの連中をそっちにやるから一通り潰したら次のターゲットの方に行ってもいいからな。」

 「OK、じゃあ派手に遊ばせてもらうか!!」

 そう言って俺はコロニーの深く人通りが無い通路に向かって歩き出した。


 コロニー内部作業用通路、その一角にサタンと呼ばれるギャングの幹部の一人がいた。

 その場所はとても探し辛く、しかも分かりにくくする為にカモフラージュまでされていた。

 だが、その場所は()()()()()()()()()()場所だった。

 「チッ!例の工場がバレたせいで仕事がしづらくて仕方ねぇ!どうにかして軍の奴らを黙らせる事が出来れば・・・」

 幹部がそのような事を考えていると、

 ドガガァーーーン!!!!

 大きな破砕音が響き渡り、幹部を慌てさせた。

 「!?何だ!?何が起こっている!?」

 「・・・か、カチコミだぁー!?野郎が一人で暴れまわってやがる!?」

 その言葉を聞いて、

 「バカ野郎!?たった一人相手にそんな焦ってんじゃねぇ!?数で押し込めば・・・」

 「てぇへんだ、兄貴!?30人はいた手下が全員やられてしまった!?」

 「な!?バカな!?」

 驚愕を顕わにする幹部の前に、

 「ギャーーーー!!??」

 自分の部下が背後から撃たれた。

 「・・・サタンの幹部、ジャキ・スイープだな?」

 恐ろしくゴツいレーザーライフルを担いだ男が俺に視線を向けてそう言葉を投げかけてきた。

 「テメェ!?ナニモンだ!?」

 「傭兵だよ、タダのお仕事さ・・・」

 そう言って傭兵は担いでいたライフルの銃口を俺に向けて、

 「じゃあな、来世じゃ善行を行ってくれる事を祈っているよ。」

 「く、クソがぁーーーー!?」

 俺は銃に手を伸ばすが、それよりも早く奴のレーザーライフルが火を吹き、俺の頭を吹き飛ばした。

 「ひぃ!?」

 「悪いが可能な限り狩る事にしてるんだ、諦めろ。」

 そして、その部屋から傭兵は出て行き、その部屋に動いている者はいなくなった。


 俺はハウザーの指示通りに一番手前のギャングのアジトから襲撃した。

 現在、俺の傍にはハウザーが派遣した遠隔操作端末の小型ポットが浮いている。

 俺の武装を見たハウザーが、

 「・・・そのレーザーライフル、パワードスーツを着てないと普通は使えんぞ?」

 「そうか?反動もそこまで強くないんだが・・・」

 「・・・そうか。」

 最初のアジトは、幻影を作ってカモフラージュしていたので、早速グレネードランチャーをぶち込んで入口を破壊して、雑魚どもをレーザーで一掃した。

 その後、内部を探って賞金首の幹部を見つけて、頭に風穴を空けて周りにいた雑魚どもも一緒に片した。

 2つ目は雑魚しかおらず、ハズレだった為、現在3つ目のアジトに向かっている途中だ。

 「そろそろ3つ目のアジトが見えて来ていい頃なんだが・・・おっ!?」

 「こちらのマップでも確認した。今お前が見ているのが次のターゲットだ。」

 何やら大慌てでアジトの周りをウロウロとしているな。

 「アレで関係ありませんでしたとかだったら笑えるな。」

 「仮にそうだとしてもギャングなのは変わりないだろうから心配するな。」

 そうハウザーと通信でやり取りをして、

 「しゃあ!!全弾持ってけ!!」

 そう言って俺はライフルに付いてるグレネードランチャーを連射してから、更にレーザーを連射しながら突撃する。

 「ぎゃあああ!?」

 「ひげっ!?」

 「アルバァ!?」

 10人はいた見張りが一瞬で死体になった。

 「よし、今度は内部制圧だな。」

 「・・・ドローンを使って内部をスキャンしたが、後は本人と腕が立ちそうなのが一人だけだな。」

 「室内戦ならレーザーソードの方が有利だし、まぁなんとかなるだろう。」

 そう言って中に入ろうとした時、

 「!?おっと!?」

 扉から何かが貫通してきた。

 俺はソレを難なく躱し、そのまま相手の出方を探る。

 扉から少し距離を取った所で扉が吹き飛び、俺に向かって飛び出た何かが向かってくる。

 「しっ!!」

 俺はレーザーソードを振るってその何かを斬ろうとするが、

 「ほう?以外とやるな、小僧と思って手を抜き過ぎたか?」

 相手もレーザーソードを持っている獅子顔の男だった。

 「へぇ、このコロニーで初めて斬撃を止められたよ、アンタがギャングで一番強いのかい?」

 「はっ!?このコロニーで!?違うな、()()()()()()()()()()()()!!」

 急にヒートアップした男に俺は容赦なく攻撃を繰り出す。

 「まぁ、()()()()()どうでもいいけどな。」

 「テメェ!!」

 「時間が押してるからもう終わらせるぞ。・・・スキル(剣の理)発動

!!」

 「なんだと!?」

 驚愕に歪む相手にそのまま俺はアーツを叩き込む。

 「喰らえ!!(旋波竜炎閃)!!」

 俺のレーザーソードから炎が噴き上がり、炎の竜の形をした衝撃波が獅子顔の男を焼き、斬り裂いた。

 「ガフッ!?バカな・・・」

 男は信じられない顔をしながら動かなくなった。

 「・・・後はこの中にいる親玉か?」

 「あぁ、中にいるみたいだ、隠れているようだからナビに従ってくれ。」

 その後、ギャングの幹部を捕らえ、気絶させてから拘束具で幹部を拘束した。

 「・・・データの照合したがこれが首領のグラックだな。後は最高幹部のジョフだ、奴を捕えるとサタンは完全に潰せるぞ。」

 「分かった、最後の拠点を潰しに行こうか。」

 俺はハウザーと通信で相談して、残りの大物を仕留める為に最後の拠点に向けて歩き出した。

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