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第11話

「ここでは様々な選択があります。オプションの使用、メッセージなら伝え方、無限にある選択肢の中から「正しい選択」をしなくては生き残れない。それがこれまででした」


選択を間違えた


蝶の反応はこの言葉に過剰になった結果

これは「お前は死ぬ」と言われていることと同義

過剰にならない方がおかしいとも言える


でもそれなら、さっきのゲームで私は選択を間違えなかったとでも?

沢山人が死んだのに

たった1/4しか生き残れなかったのに


それとも自分の運命は自分で切り開けってこと?

…あ、そうか

私、聞いた


他者に自分の運命を預けたいのか


その問いを二度聞いた

つまり自分の選択は自分にしか影響しない

いいや、そんなの無理だ


…誰がどんな選択をしようとも、そのとき選択出来るものの中に必ず自分が生き残る道がある

そういうことか

でも、ルールの変更もせずそんなこと…


選択肢が限られているものなら微細な調節だけで良いから穴が出来にくいだろう

でもこんな選択肢がいくつもあるようなゲームで出来るはずがない


いや、でも能力と王様、それからサイコロの目は操作出来るはず

教えてもいない家の住所に招待状が届いたのだから、以前から目星をつけられていたことになる

行動の予想は容易だろう


「[ペンギン]?」


「ああ、考え込んでいました。すみません」


「いいえ、なにか気になることがありましたか」


人生は選択の連続であり、人間関係は言動の積み重ね

この館から出るために必要なことは「正しい選択を選ぶこと」ではなく、「少なくとも重要な局面で選択を間違えないこと」…


「いいえ、大丈夫です」


「じゃあ命令を言うよ」


「……っ!」


「待って、待って。その前に追加金がいくらもらえるか約束したいんだけどなー」


「確かに、全員に聞いてもらった方が良いですし、今決めましょう」


「みんなちゃんと聞いてね?大事な証人なんだから」


まず己

この姿勢は手を組みやすい


「次のゲームで私に協力するなら追加で400万円、合計で500万円出します」


「どんなゲームかも分からないのに確約は出来ないなぁ」


「では合計で300万円出しますので、ピンチのときは救って下さい。そして、邪魔だけはしないで下さい」


「うーん…、分かった。取り引き成立!ちなみに、どっちかが次のゲームに参加しなくても300万円だからね?」


「分かっています。次のゲームのことは仮定でしかありませんから」


「それなら問題ないよー」


「じゃあいくよ。1人も殺していないゲームがある者は3マス戻り、かつ第1ゲームで得た賞金が3,000万円以下の者は3マス戻る」


3マス戻ったのが私とウサギ

6マス戻ったのが針鼠と蝶


『能力の発動はありませんでした。第11回王様ゲームの王様を決定し、賽を振って下さい』


[ウサギ]3マス

[蝶]2マス

[スケボー]3マス

[ペンギン]2マス

[海豚]4マス

[針鼠]3マス


『[スケボー]と[海豚]がゴールしました。以降2名は王様ゲームのみの参加となります。ゴールしていない参加者は[ウサギ]、[蝶]、[ペンギン]、[針鼠]の4名となりました。王様は命令をして下さい』


王様は既にゴールしている犬

今まで発言をしなかったけど、一体なにを言うつもりだろう


「ウサギが随分頭が切れることは分かった。この頭の切れるお嬢さんについて行きたいと思う者は3つ進め」


性別と若いということを迷いなく言っているということは、犬はウサギと同じゲームだったんだ

ウサギのような動きをする人が多いとも思えない

特定は簡単だっただろう


でも、それにしては…

なんだろう、言葉には出来ない違和感がある

確実に「なにか」が変だ

おかしい

でもその正体をぼんやりとでも掴むことが出来ない


ただ、確かなことがある

ウサギがなにも言わないこと


前のゲームで一緒じゃないなら

どうして「お嬢さん」と言ったのか、と質問しても良いはず

なにも言わないということは私の思い過ごし…?


ぶんぶんと首を振る

今はこの違和感を覚えておいて、目の前のことに集中しよう

そうしなければ、置いていかれてしまう


駒が動いたのは私だけ

ゴールした人は駒が動かないから分からない

そんなこと分かっているはずなのに、どうして


それも違和感の正体のひとつなのかもしれない


「今回か…まぁ次でこの「双六鬼ごっこ」は終わりだ」


驚いたような気配がひとりした

恐らく蝶だろう

どこまでも馬鹿で愚かな人


「今更する質問もない。ウサギが頭脳明晰であることは分かった。俺は次のゲーム、ウサギの味方を…いや、少なくとも不利益になるようなことはしない。そうしないと生き残れないだろう。みんなもそう思わないか」

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