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第9話

『王様は命令をして下さい』


「ロビンソン・クルーソーが主人公の物語の正式なタイトルを言える者は3マス戻る」


…そんなこと、覚えていたの

海外の書籍を多く読むことをさっきのゲームでスケボーにだけ言った

自由時間が多いゲームで、個人個人の接触が自由だった

偶然会って、なんとなく話して、話の流れで言っただけ

聞いた次の瞬間に忘れてしまっても差し支えないような

そんなどうでも良い情報のはずなのに、どうして覚えているの


言えない者は進む、だと流石にあんな長いタイトルを言えるかまでは分からないから、保険ってところ

何故だかスケボーは私があの長いタイトルを言えると思っている


駒が動いたのは私、ウサギ、蝶の3人

意外な人物が動いた

もし蝶が「能力なし」なら相当イラついているだろうな…


『能力の発動はありませんでした。第10回王様ゲームの王様を決定し、賽を振って下さい』


なにも起きなかった

それならウサギは蝶のことをなんとも思っていないのだろうか


[スケボー]4マス

[蝶]4マス

[海豚]4マス

[ペンギン]1マス

[犬]3マス

[針鼠]2マス

[ホルン]4マス

[ウサギ]3マス


『[犬]と[ホルン]がゴールしました。以降2名は王様ゲームのみの参加となります。王様は命令をして下さい』


「[蝶]を出来るだけ下げて下さい」


やっぱり敵認識されていた

でもすぐに動かなかったということは、理由は私が思ったものとは違うだろう


「出来るだけと言われても困るよ…。上手くいったとして、動かせるのは3マスまでだよ」


「かつ、という言葉で文章を挟めば1つの命令で上限が変わるはすです」


「確かに「マスの最大移動は3マス」という言葉に主語はない。だが、そう上手く動かせるだろうか」


「策があるよ。いくら出せる?」


「針鼠?!」


「五月蠅いなぁ、黙っててよ。さっき3人で生き残れなかったのもアンタのせいでしょ」


「それは…!」


いつ特定したのかは定かではない

ただ、特定した相手が恨むまではいかなくても、好きでない人物なら十分に起こりえる話し

いや、例え特定していないくても起こりえる

今までが平和過ぎたのだ


「どんなものか分からないものに出すお金はありません」


「その通りだね。うん、そうなんだよ。ねぇ?蝶」


「黙りなさい」


同じような状況下で騙された蝶を救うために生き残ることが出来なかった人物がいたのだろうか

その人は自分が生き残れないと分かっていてそうしたのか、結果そうなってしまったのか

それだけで随分違う

後者ならルール説明で言われていないルールが明確に存在することになる

流石に付け足しルールで殺すようなことはないだろう


その場合確実に、どこかにヒントがあったはず

今回もヒントがあるはず

こういうとき経験の少なさは不利だ

でも、不利なだけで不可能ではないはず


「最低100万円は保障します。有用性があれば追加します。それで良いですか」


「うん。蝶とはさっきのゲームで一緒だったんだ。だから第1ゲームで得た賞金の額をボクは知ってる。2,500万円だよ」


「じゃあ第4回目の王様ゲームの「1人も殺していないゲームがある者」と「第1ゲームの賞金額が2,500万円」これを組み合わせて言えば良いんだね」


確かにそれで問題ないはず

でもなにか引っかかる


「待って」


―――――

疑問をぶつける ←選択

苦言を呈する

蝶を庇う

―――――


「どうしたのかな」


さっき私は自分で思ったじゃないか

こういった行為は「個人を特定出来ていなくても起こりうる」と

それを逆手に取ることも出来る


「蝶と針鼠が協力しているっていうのはないかな。どうやって特定したのかは聞いても分からないと思う。協力していないとしても、勘違いの場合だってあるよね。金額を指定し過ぎるのは良くないと思う」


「後半部分は分かるよ。でも、前半部分になんの意味があるのかな。だって蝶はゴールする必要があるよね」


「…お前、「NOT.GOAL」じゃないのか」


「私が「NOT.GOAL」であることに間違いはない。でもそれを針鼠が信じているかは分からない」


「なんらかの理由で「NOT.GOAL」であると吐いた嘘が今になって思わぬ形で自らを苦しめていると言うのか」


「…かもしれない」


「だが、それならそれで問題はないだずだ。結果は同じだからな」


「違うよ。次のゲームもこのメンバーでやるっていう仮定は良いよね」


「そうですね。非常に不味いです」


「僕らにも分かるように言ってくれないかな」


「ウサギとホルン、それからスケボーと私は確実に針鼠の敵になる。協力ゲームだとしても、そんなの関係ないよ」


全員が黙り込んでしまう

その沈黙を破ったのは、予想した人物の…笑い声だった

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