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ある殺人者の最期


練習です。練習に過ぎません。

「あけましておめでとうございます」


君からそんな手紙がきた

でもそれは今の「あけましておめでとう」ではない

君の「あけましておめでとう」は17日前の「あけましておめでとう」


君はこんな僕にも「おめでとう」を言ってくれるんだね。




君は眠った。


深い深い闇の中へ。


君にはやりたいこともいっぱいあったろう

君にはやりのこしたこともいっぱいあったろう

君には好きな人もいただろう

君には嫌いな人もいただろう


そういえば君には可愛い彼女がいたな。

黙ってたけど君と彼女はお似合いだったよ。


君は僕にCDを貸してくれるって言っていたな。


ありがとう。



でも君はもうなにもできないな。



昨日、行ってきたよ。君の葬式。


みんな泣いてた。


君の分以上に悲しんでたな。

僕も泣いてた。

ここまで自分が白々しい人間だとはまた知らなかったな。



だからせめて


だからせめて最後に笑ってくれ。


僕はもう涙を見たくは無いからさ。


罪を償うから



君の住むとこに行くから。




死の世界に向かうから。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


年が明けて最初に雪が降った日の朝


ある男の遺体が見つかった。


その男は罪を犯したことを悔やむ文と共に旅立った。




奇しくもその日は



その男の誕生日だったという。





そして・・その顔は笑っていた。






私は人殺しではありませんっ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 殺人者が、自分の犯した罪に責任を感じて自殺してしまうんですね。でも、最後は笑って死んでいた、というところに心を打たれました。作者様が人殺しではないのはちゃんと分かります(笑)。
2009/01/03 12:07 退会済み
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