片想い ~Part5
「シングルベッド」
毎夜毎夜
あなたの腕の中で眠った
あのベッドのクッション
冷たいシーツの感触を
私の背中はくっきりと
葬り去られる記憶の中で
今でもはっきりと感じられる
おぼえているわすれられない
あなたが去ったあなたの部屋で
ただあのベッドだけが置き去りに
された私の心のように……
「過去の人」
どうしても逢いたい
ずっとそう願ってきた
別れてからの日々は長く苦しく
あなたを想わない時は一秒もなかった
あいたいでもあえない
もう二度と逢えない別れたけれど今も
愛してる人、あなたは今は私ではない
違う彼女と生きている
私のことは思い出すことすらなく
逢いたいけれど叶わない
もう手の届かない過去の人……
「恋歌・RIVERSE」
好きなのに
愛されているのに
どうして
ほんとの気持ち伝えられない
逃げる
自分の殻に閉じ籠もり
そうして
交わす言葉は宙に浮き
ふたり同時に石になる
けれど、どうして
男と女
こんなにも擦れ違ってしまうんだろう
「朝」
あなたの手が離れると
あなたがどんどん遠くなっていくようで
私は必死にあなたの背を追う
私を置いていかないで!
私を見つめていてほしい
心の叫びは言葉にはならなくて
いつも涙で目が醒める朝
「零れる愛」
ふと触れた指先から
零れ落ちてしまいそうな愛
どうすればあなたに
この想いを伝えることができるのだろう
「ほんとの心」
あなたからの電話を待つ日々は
幸せで切なくて胸が一杯で
けれど本当はいつも
淋しかった……
「ジュリエット」
カーテンの隙間から差し込む月の光
暗闇の中あなたの姿を照らし出す
ああ、もう少しだけこのままでいさせて
この月が山の端に隠れ陽が昇る頃
あなたはもうここにはいない
「別れの足音」
あなたの足音が遠ざかってゆく
私の心の想い出が一つ
またひとつ零れてゆく
ああ、永遠に訪れることのない
別れだと信じていたのに……
「とまどい」
あなたの躊躇う表情に
私まで戸惑ってしまう
何も言わないでいい
全て奪い去って欲しいのに
「告白」
あなたは気づきさえしなかった
恋だけど、好きだった
わたしだけはすきだった
あなただけがすきだった
「仮定法」
彼女なんて関係ないわ
私はあなたを愛してる
そうあなたの胸で泣けたら……
「片想い」
落としたのはハンカチ
拾ったのはあなた
ただそれだけの想い人