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片想い ~Part3

「オールナイト」


オールナイト・シネマの前を

通り過ぎようとしてふと

帰りはどうするのかしら

と、浅はかな問いが

私の口をついて出た

PM十時半

おうちに帰りたくない

恋人同士もいるんだよ

て、私の傍らを歩くその人は

さらりと言って煙草を捨てた

その時、抑えていた私の中で

ざわざわと胸騒ぎがしたの

今でもはっきりと覚えてる

帰りたくなかったの本当は

出来ることならその人と

ずっと一緒にいたかった








「ドライビング・ドリーム」


車を走らせながらふと目を遣れば

中央分離帯、五月の緑が鮮やかで

瞬きの間にフラッシュバックする

いつかあの人と飛ばしてたロード

あの頃はいつも助手席に座ってた

サイドミラーに光るピアス映して

スプリングスティーン響いていた

想い出は遠離っても美しいままで

フロントガラスから広がる風景は

ソフトフォーカスに霞んで見える








「綺麗な恋の想い出」


想い出を花束にして

過ぎ去りし日々に捧げよう

甘やかな日々

折々の語らい

ふたりの夕べ

全てを失った今でも

全ては私の内にあるから

生きてゆけるこれからも

想い出は花束になり

過ぎ去りし日々は続いてゆく

これからの未来へと








「夢想」


あの人の夢を見た

長くセピアの鮮やかさ

夢の中ですらやはり

他の(ひと)のものだったけど

もういない

どこにもいない

だからいい

今はただ懐かしくて切なく

あの時のままあの人がいた








「せぴあ色の想い出」


眠れぬ夜に寝返りをうち

遠き過去へと想ひを馳せる

目に浮かぶはただ

楽しかり日々

やさしき時と

やさしかった彼の人の

全ては無へと帰してしまえど

せぴあ色した想い出の……








「さよなら」


例えばサ店で話かけても

気のない素振りで生返事

二人で街を歩いていても

手を繋ぐ事もなくなった

私のこともう飽きたのと

問いたい気持ち抑えてる

私一人ただなす術もなく

あなたの心離れてゆくの

私一人ただ見つめ続ける

さよならの時迎えるまで








「恋の終わりの街角で」


待ち合わせたのは

いつもの午後三時

ストリートは賑やかで

人の流れを追いながら

木枯らしにさらされて

あの人を想う街角は、いつしか

夕焼け暮れる五時、六時……

そして街のネオンに灯がともる

現れない偽ったあの人を

それでも私は待ち続ける

待ちたかったいつまでも

この恋が終わったことを

見えない星を数えながら








「冷たい恋人」


あなたはとても冷たい人

私の気持ち知ってるくせに

他の()の話ばかり熱っぽく

私の傍で喋ってる

約束をしても

花冷えの寒い夜

私は独り待ちぼうけ

嫌と言うほどわかってる

あなたはとても冷たい人

けれど私の愛する人……








「古びた記憶」


もう開くことはないのに

なのにどうしても

捨てることはできない……

その古びたページの奥には

彼の人との華やいだ想い出だけが

綴られている二度と戻らない還ってはこない

過ぎ去りし時代の日記帳








「恋の終わり」


キャンディひとつ頬張って

かみくだく

音は恋の砕け散る音……







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